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「リチカはいかようにも化ける」DIMENSION下平将人×リチカ松尾幸治(前編)

9月28日、株式会社リチカはシリーズBラウンドで約8億円の資金調達を発表しました。VCの方々と代表取締役の松尾幸治との対談を通して、新たなフェーズを迎えたリチカの現在と未来を探っていきます。第1弾はDIMENSION株式会社の下平(しもだいら)将人さんをお迎えしました。前編では、リチカに出資した理由、期待する将来像などについて伺いました。

本当に、お世話になりっぱなしです

——下平さんと松尾さんは、長いおつきあいだとお聞きしました。

松尾 うちのクリエイティブ事業のマネージャーをやってる奥武洋さんのご縁で、19年にシリーズAの資金調達を回っていく中で下平さんとお会いしました。その当時は、動画マーケットの領域が数年前に盛り上がったあとで、「ちょっと下火だよね」という状態だったので、試行錯誤しながらのラウンドでした。そんな中、めちゃくちゃ背中を押していただいたんですよね。「なんでもっといかないんですか」って。

下平 そもそも、奥武洋さんとはYenta(イェンタ、ビジネス版マッチングアプリ)でお会いしたんですよ。普段Yentaであんまり会おうと思わないんですけど、奥武洋さんとはメッセージやりとりして、めちゃくちゃいい人だって伝わってきて。ランチを2~3回したり、会社のホームページも依頼したりしてましたね。そういう素晴らしい方のご縁で、さらに素晴らしいご縁をいただいたなっていう感じですね。

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下平 将人 Business Producer
弁護士として一般民事や企業法務を経験したのち、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)やチャットボット領域の新規事業開発担当を経て、DIに参画。国内1号ファンド「DIMENSION」を立ち上げる。投資先複数社の社外取締役。経済産業省(近畿経済産業局)U30関西起業家コミュニティ メンター。クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。ビジネスロイヤーズにおいて、「起業家の法との向き合い方」について連載中。

クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。 ビジネスロイヤーズにおいて、「起業家の法との向き合い方」について連載中。

——お二人は、お互いの第一印象はいかがでしたか。

下平 松尾さんとは資金調達のピッチで初めてお会いしたんですけど、2つの印象を受けました。まず1つに、めちゃくちゃプレゼン能力が高い。デザイナーやクリエイティブ関係の仕事をやっていたということもあり、人の意識を変える、人の頭に情報を伝達するのがすごく得意な方だな、という印象でしたね。それからもう1つは、当時たぶん松尾さんは28、9歳でしたが、年齢の割にめちゃくちゃ成熟感があるな! という印象を受けました。きっといろんな修羅場を若くして味わってきたんだな、ということを推察できるような感じでした。その後、おつきあいさせていただく中で前職の失敗などを聞いて納得しましたね。

松尾 もう、ありがとうございますとしか言えない(笑)。当時、ちゃんとVCや投資家の方を回るのが初めてだったので、拙い部分、見えてない部分もたくさんありました。今当時の資料を見返すと、言ってることは間違ってないんだけど、抽象的だよな、勢いだけでやったんじゃないかな、ってことがいっぱいあって。下平さんにお話すると、「ピッチがうまいだけの若造」から、「なぜこれが世の中の事業としてこの立ち位置としていけそうなのか」というのを噛み砕いてフィードバックいただけたんです。

今回のシリーズBのラウンドでも、下平さんに何度も何度も壁打ちさせていただいたんですけど、バクっとしたことをお伝えすると、それを外部環境に当てはめて言っていただけるので、すごく頭の整理になるんです。それは一番最初にお話したときから思っていて、本当にありがたいなと。だからお話するたび、次に会う時まではこれぐらい考えておかないと、とか、宿題をやらないと、とかいい意味ですごく刺激になってます。

——最初からいい出会いだったんですね。

松尾 と、勝手に思ってます(笑)。

リチカは潜在的な巨大市場に軸足を置いている

——今回、出資に至ったきっかけはどのようなポイントがあったんでしょうか。

下平 VCって、投資するご縁をいただくのは、実は本当に素晴らしいと思えた年間3~4社ほど。私はこの仕事を20年、30年続けたいと思っているんですが、それぐらい長くつきあえる方と仕事をしたい、横で夢を見させてもらって、応援できる人と仕事をしたい、と思っています。私はこの仕事を通じて、日本を、世界中を元気にしたいと考えています。そういう自分の投資規律にピンと来る方だった、というのを初回から感じました。シリーズAの際もドリームインキュベータとして参画させていただいていましたが(編集注:DIMENSIONはドリームインキュベータ100%出資のファンド)、今回の追加出資もそこに対する確信度が深まった、ということが大きいです。

松尾 下平さんとはシリーズAからBまで何度もディスカッションさせていただいたり、1DAY合宿も参加していただいたりしていますが、去年の秋ぐらいから自分たちも大きく変化したなと思っています。

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下平 私もそう思っています。もともと松尾さんが素晴らしいということに加え、合宿なども参加させてもらって、経営チームの皆さんの誠実さ、率直さ、素直さが素晴らしいなと感じました。だから今回の投資理由としては、経営チームが8割ぐらいを占めてますね。残りの2割は、リチカが潜在的な巨大市場にいるということ。金融的な表現をすると「α」と言いますが、投資した場合に市場平均よりも超過するリターンを取れる巨大市場のことです。まさにそこに軸足を置いている企業なのかな、と考えています。

もう少し具体的に申し上げると、今までの広告市場は、長い間広告代理店を中心に回ってきました。今なお大手代理店の力が強いですが、その中でどう民主化していくか、発信者の手に戻していくか、という揺り戻しは絶えず起きていると思っています。その先陣がサイバーエージェントであり、リチカはその次の世代、という仮説を持っています。それが投資のサイエンス的な理由ですね。

松尾 8割がチームで、あと2割はサイエンス。いまこうやって改めて聞いて、嬉しいなと思いました。いままで広告って、メディアの方を向いているビジネスだったと思うんです。すべてがデジタルになっていくと、あらゆるものがユーザーを向いていかないといけないと考えています。僕たちがやっていかないといけないのはまさにそこだなと思っています。

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どんな姿にもなれる大きな可能性

下平 それから、リチカの面白さというのは、戦略変数がめちゃくちゃ多いというか、事業選択のオプションが一般的なスタートアップよりも多いところだと思っています。

松尾 ありがとうございます。

下平 経営判断でいかようにも化けるポテンシャルがあるかなと。

松尾 それってやってる側からすると、なかなか実感がないところです。変数が多いというのは、なかなか答えが出ないということにもつながっているなと思うこともあります。

下平 リチカは最先端のマーケティングをできる集団がいて、自分たちのクリエイティブを作れて、プロダクトもとりあえず作ってみるという文化で、PDCAをめちゃくちゃ回せるじゃないですか。それを事業機会に当てはめると、さまざまな潜在的な事業ニーズを捉えられるんだろうな、という感覚が強いです。例えばですけど、LTVが高い商材をリチカでOEM化して、動画のマーケティングを社内のプロが担っていく。物販サイドにグロースを振り切っていく、というやり方も全然ありだと思います。

松尾 ある意味どこでもいける、みたいな立ち位置にいるということですよね。

下平 あらゆる事業の肝って、集客じゃないですか。リチカは集客を科学して、プロダクトを持っていて中でも使える、ということがめちゃめちゃ汎用性が高い。ある意味、お客さんに売らなくても、自分たちで活用できるんだろうな、と思います。

松尾 調達して、腹決めて動いていくぞ、というのを決めたのが、まさに下平さんのその一言でした。大きな転換点になったと思います。

後編に続く。

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(編集協力/株式会社WORDS

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