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2024/01/09  インドの「ボイコットモルディブ」に中国の影? 気になる記事

こんばんは!
本日いつもと少し異なり、一つの記事を調べてみてわかったことをまとめます。
今回のテーマは政治で、ビジネスからは外れてしまいますが、最後までご覧いただければ幸いです。

今、インドではある国との関係が急速に悪化しています。
その国は「モルディブ」です。
「モルディブ」はインドの南西に位置する島国です。
地図でいうとここ↓。

モルディブ


今、何が起こっているかというと、次の記事です。

ナレンドラ・モディ首相に対して、モルディブ政府の閣僚がツイッター上で侮辱的な発言を行ったことにより、「ボイコットモルディブ」というハッシュタグがインドでソーシャルメディアのトップトレンドになっている。というものです。
実際には「道化師」と「イスラエルの操り人形」などのツイートを行ったようですが、該当のツイートは削除されているようです。

ではなぜ今回これを取り上げさせてもらったかというと、このボイコットの動きはただの一過性の動きではなく、今後のインド-モルディブ、さらには中国-インドの関係にも大きな影響を与える出来事だと思うからです。
☕なぜモルディブ政府の大臣クラスがそのようなツイートを行ったのか。
🍰去年の10月に親インド政権からインド軍による駐屯廃止を訴える政権へと交代し、モディ政権に対する批判的な政権であるため。
では、ここで今回の政権交代までのインド-モルディブの歴史を少し説明します。
1988年にモルディブでクーデター未遂事件が起こり、スリランカ系グループの支援を受けた武装組織に首都を制圧されました。
当時のモルディブのガユーム大統領は、アメリカ・イギリス・マレーシア・インド政府に対して軍事支援を要請し、インド政府は空軍・海軍戦力をモルディブへ派遣、このクーデターは未遂に終わりました。
軍事支援の要請に応じたのはインド政府のみであり、この事件を契機にインドとモルディブの関係はより緊密になっていきます。
そして、医療などの人道支援を目的に70名以上のインド軍が現在モルディブに駐屯しており、2021年にはモルディブへの港湾プロジェクトが締結されています。
そんな中、インド軍による駐屯を廃止を訴える、「アウト・インディア」キャンペーンを選挙戦で訴えたムイズ大統領が10月に当選しました。

☕この事件がもたらす影響は。
🍰モルディブの中国資本・政府への接近が進む。
私はモルディブの中国への接近が進むと考えます。
理由はムイズ大統領の訴えるインド軍による駐屯を廃止はインド側が飲めないこと、またこの件により両国間の交流が以前より滞ると考えられるためです。
モルディブ政府は即座に問題の閣僚を辞任させ、謝罪を行いましたが、、インドでは有名俳優や政治家がこの問題に対して懸念を表明し、「ボイコットモルディブ」キャンペーンが展開され火消しには至っていません。
インドとしては周辺国にもうこれ以上(パキスタン・スリランカ)中国軍の影響力をもつ勢力が誕生してほしくないという思いが強いです。
すでに「一帯一路」計画でインフラ整備のために多額の融資を中国がモルディブに提供している状況で、インド軍の駐屯引き上げを実施すれば、インドの存在感が薄れるのは必須で、
インドとしては受け入れられません。
そして、モルディブは観光業が直接GDPの20%以上を占める国であり、観光業の国です。
観光業は他の産業に比べても政治的軋轢が大きく影響する業界であるため、
今回の影響により、インドからの旅行客・民間投資が止まるまたは、少なくなるのは避けられないと思います。
ムイズ大統領は現在初の外遊先として北京を訪問にしており、これは国賓待遇での訪問となります。
何かしらの「お土産」が中国側から提示される可能性があり、今後モルディブをめぐるインドと中国の綱引きは激しさを増しそうです。

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