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家庭の中で複数言語を話す子どもたち

ドイツに住む若い夫婦がわが家に滞在したことがあります。妻はスウェーデン人、夫はドイツ人で、4歳の娘と2歳の息子がいました。

私は家にあった絵本を貸してあげました。子どもたちが幼いころによく読んで聞かせた日本語の絵本です。女の子も母親も日本語はできません。でも母親は絵を手がかりにしてスウェーデン語で読み聞かせを始めました。女の子は食い入るように絵を見つめ、真剣に聞き入っていました。よほど興味を持ったのでしょう。母親が読み終わったあとも自分で繰り返しページをめくっていました。ドイツ語でぶつぶつつぶやきながら。

夫婦の会話は英語で行われていました。当時、夫はスウェーデン語を話せず、妻はドイツ語が話せませんでした。子どもたちとは夫はドイツ語、妻はスウェーデン語で話していました。時に英語で話すこともありました。つまり家庭では3か国語が使われていたのです。彼らはそのことに何の違和感も抱いていないように見えました。幼い子どもたちも自然に言葉を使い分けていした。

さらに妻の父親はインドの出身です。だから彼らはインドに行ったときはヒンズー語も使っているそうです。

彼らを見ていると世の中はもう多言語社会になっているのだなあと感じないではいられません。



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