『SATC・デスパレートな妻たち』の社会学:佐藤佑介

『SATC・デスパレートな妻たち』の社会学:佐藤佑介

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〇〇版SATCと呼ばれたドラマたち

SATCが大ヒットして以降 1.複数の登場人物(主に女性)が登場するもの 2.女性の本音や大胆に性に踏み込んだもの 3.ファッショナブルで視覚的に華やかなもの これらの要素を含んだドラマの多くが○○版SATCと表現されました。 たくさんあって面白いので主にアメリカと、言語や文化的に比較近いと思われる、イギリス、カナダのものを中心にまとめてみます。 ■郊外版SATC・主婦版SATC 『デスパレートな妻たち』 SATCと唯一、同格の面白さと深さがあるドラマ。 ■レズビア

    • 「SATC」、誰が創ったのか問題

      ブックオフなどのリユースショップ、洋書売り場でキャンディス・ブシュネル著「Sex and the City(邦題セックスとニューヨーク)」を見かけるたびに、思います。 多くの人がドラマ「SATC」の原作本というのにひかれて購入したんだろうなあと。 キャリー、ミランダ、シャーロット、サマンサの友情や恋愛模様が本で読める!?と期待したくなりますが、原作本のジャンルは小説ではなくノンフィクションのルポルタージュです。 ですから、ドラマ「SATC」のようなストーリー性はまったく

      • 【AJLT】多様性、気にしないのが、多様性。【SATC新章】

        「And just like that」楽しく見ています。現在シーズン2まで製作されていて両方見ました。そして何度も見返しています。 シーズン2になって面白くなったという声もあるようですが、私はシーズン1の方が考えさせられるストーリーが多く、面白いと思います。 「AJLT」ですが、多様性を意識しすぎでは?と物議を呼んでいますね。 特にLGBT、人種問題が大きくフィーチャーされています。 ①ミランダのセクシュアリティ変更について 結婚、子育て期間が長くなり、恋愛感情が

        • 既婚女性と独身女性の間には溝がある

          「SATC」や「デスパレートな妻たち」を見ていると、結婚している女性VS独身の女性、的な構図がたまに出てきます。 若い頃は、なぜ仲良くできないんだろう?そんなに問題なのだろうか?と思っていましたが、歳を重ねて、周りの女性などを見ていると、女性同士の人間関係にはやはりある種の溝がある、ということに気づき始めました。 既婚、独身、という分かりやすい区切りだけでなく、既婚(子なし、子あり)、シングルマザー、経済的に裕福な場合、厳しい場合、と細かく属性が分類されると思うのですが、

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          「デス妻」に学ぶ、「真の友情、思いやり」とは?

          『デスパレートな妻たち』で真の友情や思いやりとは何なのか、考えさせられるエピソードがあります。 シーズン1-16「スキャンダル」 このエピソードでは、登場人物たちは、様々なスキャンダルに見舞われます。 まず冒頭で、普通の主婦(に見えていた)メイシーは、実は昼間に自宅で売春行為をしており、おとり捜査に逮捕されてしまいます。 そして、ブリーは夫、レックスがメイシーの顧客であったことに気づきます。 しかもメイシーは、顧客の名前が書かれた秘密の手帳をもっており、それが公にな

          「デス妻」に学ぶ、「真の友情、思いやり」とは?

          何か惜しいドラマ『Lの世界』

          『Lの世界』は、2004年から2009年にかけて放送されたドラマで、ロサンゼルスに暮らす、レズビアンの女性たちに焦点をあてた内容でした。 HBOのライバル局であるSHOWTIMEで制作されたこと。 過激な性描写が積極的に取り入れられたこと。 複数の女性が登場する群像劇スタイルであったこと。 また、番組開始時のコピーが 「Same Sex,Different City(同性同士、違う街)」であったりしことなどからLA版SATC、レズビアン版SATCなどと宣伝されました。

          「〇〇版デスパレートな妻たち」な、ドラマたち

          『デスパレートな妻たち』のヒット以降、似たようなテイストを持つドラマが多く作られました。 印象的だったものをまとめてみます。 イギリス版『デスパレートな妻たち』+少し『SATC』 ■『ミストレス』 ベースの物語がよくできています。4人の登場人物それぞれにスリリングなストーリーが展開がされます。コメディ要素皆無で、どんより重い雰囲気ですが、いろいろな国でリメイクされた、ということはストーリーの「面白さ」が評価されたという証明でもあります。 ただし、オリジナルのイギリス版『ミ

          「〇〇版デスパレートな妻たち」な、ドラマたち

          『デスパレートな妻たち』面白さを解剖

          『デスパレートな妻たち』は、2004年から2012年までアメリカABC局で放送されたドラマで、人気を博しました。(特に1〜5シーズン) その魅力は何だったのかを分析します。 『デスパレートな妻たち』は 『セックスアンドザシティ』+『アメリカンビューティー』+『シックスフィートアンダー』×『ツインピークス』÷『24』 という感じのドラマだったと思います。 「SATC」の"女の人生いろいろあるよね!感"に「アメリカンビューティー」の日常生活に潜む危うさ。それに「ツインピ

          SATCがつまらないと感じた方へ

          1.エロいドラマではない 2.シーズン3から見て! 3.ニューヨークガイドとしての側面 『セックス・アンド・ザ・シティ』、人気があるみたいなので、観たけれど 「全然面白くなかった」「下品で痛いだけだった」 そんな風な感想を持った方も多いと思います。 実は、私も初めて観たときは今いちピンと来なかったのですが、20年以上にわたって何回も見直しているうちに、 「やはりよくできている。そして革新的なドラマだ」 と思うようになりました。 というわけで、SATCの魅力、面白さと

          SATCとの出会い

          私が初めてSATCというドラマがある、ということを認識したのは2000年の秋。 アメリカ旅行をしていた時に、現地ホテルのケーブルテレビ案内にSATCの広告が載っており 「何なんだろう、この番組?」 そう思ったのがきっかけでした。 "SEX"と強調してあったので 「これはエッチな番組なんだろうか?」 「その割には、主要キャラクター達の年齢層が高めなのでは?」 そんな疑問を持ったことを記憶しています。 その後、日本に帰国し何となく 「セックス、という言葉を含むアメリカの番組が

          セックスアンドザシティとデスパレートな妻たち

          『セックス・アンド・ザ・シティ』、面白いですよね! SATCにハマった多くの人は 「次は何を見よう?SATCに似てる他のドラマはないのだろうか?」 また、〇〇版SATCと紹介されている、ドラマや映画に敏感に反応してしまうのではないでしょうか。 しかしながら、SATCに匹敵するドラマはない。というのが私の結論です。 それでも、比較対象として見る価値がある、魅力があると感じたのが 『デスパレートな妻たち』です。 このnoteでは、SATCとデスパレートな妻たちを中心に

          セックスアンドザシティとデスパレートな妻たち