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良作「The Bold Type」のひとつだけ残念なところ

「NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち(原題 The Bold Type)」を見返しているのですが、これ、本当に良くできていますよね。

現代版「SATC」と言われましたが、オリジナルの「SATC」以降に誕生した"SATCみたいなドラマ"群の中でおそらく一番良くできていると思います。

何ていうか、"社会派"なドラマなんですよね。

ムスリムのLGBTとか、異なる人種の間に生まれた人のアイデンティティとか、転職して後悔するとか、がん予防療法とか、「SATC」の先にある社会問題が扱われているんです。

思想的にはかなり、左寄りの作品ですが、ストーリー展開や全体のテンポなどが良くとても見やすい。

キャット、自己主張が激しいし、ネットやSNSのパワーを過度に信じていて面倒くさい!(笑)

ジャクリーン(編集長)の声を担当していた、声優の田中敦子さんが亡くなられたそうで、もう新規で新しい声が聴けないんだなと悲しくなりました。

「エミリー、パリへ行く」並みにふわふわ展開(付き合った彼がエリートだった、急に出世するなど)が盛りだくさんなんですけど、ドラマとしては、こちらの方が数倍良くできていますよね。

邦題はさておき、(「NYガールズダイアリー」ではなくて、「ボールドタイプな私たち」にすれば良かったのでは?)一つだけ残念なところがあります。

ニューヨークのキラキラ感が魅力の番組としながら、実際にはほとんどニューヨークで撮影されていないのです。

しかも、シーズン2でパリへ行く展開があるのですが、当然パリで撮影されているわけがないですよね。

じゃあロケ地はどこかというとカナダなんです。(第一話はトロント、それ以外はほとんどモントリオール)

「SATC」は、ニューヨーク。「エミリー」はパリと、旅行感覚で楽しめる魅力があると思うんですけど、この点においては、この作品、魅力が薄いんですよね。

内容は素晴らしいんですけど、実際はニューヨークで撮影されていないのに、ニューヨークであるかのように装っている。NYと邦題で名乗っているのに、すごいがっかり感がありますよね。

このドラマの大ファンの方がロケ地めぐりをしたい!と思ってもどこに行けばいいのか分からないでしょうし。

ある意味、私はモントリオールに行ってみたくなりました。(笑)

ニューヨークに似ている街並み、そしておそらくヨーロッパっぽく見える区域で、疑似パリの街並みも再現しているのだろうな、と気づくと、モントリオールって面白い場所だなと思いました。

現地ロケをするって、特にニューヨークやパリなどの街では、ものすごいパワーを持っているのだと思います。「エミリー」がもし、パリで撮影されていなかったら、魅力が半減するでしょうに。

予算の都合で仕方がなかったのでしょうが、ニューヨークで撮影していれば、もっと愛された作品になったのでは、と惜しまれます。

不思議ですよね。衛生的、美観的にも、おそらくモントリオールの方がニューヨークよりもずっと綺麗なのに。

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