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詩 【リセット】

葬儀に参列するたび こわくなる

わたしもいつかはそうなる

たとえどれだけ有名になり
富や財産きずけても
やがては衰え
だれでもなるのだと

逃れられない現実を目の当たりにし

わたしは覚悟を決めるどころか

焦点定まらず 空をみつめ

動揺隠しきれぬまま いつも涙目になるのだ

ただ忘れることがない
身体は正直に ずっと小刻みに震えている

忘れたいのだ

ほんとうならば いっそのこと
すべてを忘れて消えてしまいたい

人は死ぬるとき すべて思い出もろともなくしてしまうのだろうか

良い思い出も 悪い思い出も

すべてまるごと失ってしまうのだろうか

だとしたら
わたしは じぶんでリセットしたい

最期の最期くらい
大切なじぶんの思い出くらい
残されたわずかなちからでもって
じぶんのこの手で終わらせたい

このまますべてを失うくらいなら
できるものならいっそのこと
じぶんの意思で消えてしまいたい

もう決まっている

これがわたしの最期の願いです


20190404

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