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【陰陽☯の章・5/4/後Ⅰ】〜『いったい私はどんな体質であるのか!?』[第5章〜4節・後Ⅰ]より
◉[最終章]【誰でも解かる『漢方概論』】〜、…[「東洋医学の方程式」を駆使して、「自身の体質」を知る〜【第5章/第4節・後Ⅰ】]④
■ 今回の『例題⑪』《患者さん》〜、
[T・Iさん(60歳前半)/男性・管理職業]は、現在の『東洋医学』で云う
➀【脾虚寒証体質(脾気虚)/素因分類】でスタートした「体質」の方が、…
② その状態「証」が長引き、… 及び外因「寒邪」の影響で『脾虚陽虚証』を呈し、…
③ ここから更に、不内外因「暴飲暴食(冷食)」が影響し、『脾虚腎虚証(少陰病の証)』に移行した場合の「病理」と位置付けられる。
■ その「理由」は、〜
◆「来院時」…
[「望診&聞診&触診」の過程で、…
・「何か精気が無く…」⇒➀、…
・「痩せていて…」⇒➀、…
・「言葉にチカラが無い感じ…」⇒➀、…
・「腹診時の胃内停水の音…」⇒➀、…
・「左下腹部の鈍痛…」⇒➀、…
・「腹部全体が軟い感じ…」⇒②、…
・「腰臀部(大腸瘉・腎兪・志室・八髎穴)辺りの気持ち良い圧痛…」⇒②、…
・「唇(薄白色・カパカパ)、舌(湿り舌・舌の周りの歯型・舌質が薄いピンク)」⇒②、…等がある。 事を確認する。
※[➀が『脾虚寒証体質(脾気虚)』の証が、元々の体質としてあった証である]
※[②が『脾虚寒証体質(脾虚陽虚)』の証に、体質が移行した事である]
◆ 来院する以前「2〜3年前」
・「腰臀部が屈むと痛む」⇒②、…
・「温める♨と痛みが和らぐ」⇒②、…
・「下痢が続くと痛みが増す」⇒②、…
・「朝方、寒いと痛む」⇒③、…
※[②が『脾虚寒証体質(脾虚陽虚)』の証に、体質が移行した事である]
※[③が、最終的に『脾虚寒証体質(脾虚腎虚証)』の証に移行した事である]
と云う事である…。
◆ 患者さんの「体質」を見極める為、…
・「オシッコは近い方ですか!?」⇒②、
・「朝起きたら、口が苦い」⇒③、…
・「冬場に夜間尿が増えますか!?」⇒③、…
・「お腹が冷えると、下痢しませんか!?」⇒③、…
と云う「質問事項」を考え、…
※[上記は、『脾虚陽虚証』〜『脾虚腎虚証(少陰病)』の移行を確認する為の、「質問」を考察した事によると云える…。]
の様に、…『素因』及び、『病因』の影響にて、… 変動の時期がある、…
※[上記の症状が、それぞれ「証の決まり手」となる「T・Iさん、の症状」である…。]
と云う事です。
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□『漢方専門の従事者』の方々は、… 時に、「病気の原因」を『陰陽概論(陰陽・虚実・寒熱)』と云う「カテゴリー」に分類して、… どの「病理」に、影響するのか!?… を考えます…。
・これまでに述べた「ファイル」の全ての、… 「体質」を読み取る作業の、…
その殆どが、この『陰陽概論(陰陽・虚実・寒熱)』の物差しによる「査定」を受けた結果で判断される…。
※[所謂、それぞれの『証』を決定する訳です…。]
今回は、『陰陽概論(陰陽)』全てを解説してみます…。
◉『陰陽概論(陰陽)』について
■『陰陽概論(陰陽)』とは、…
・[『陰陽』とは、古代中国の思想に端を発し、「森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物を、様々な観点から陽と陰の二つのカテゴリーに分類する思想、及び哲学の事」。
陽と陰とは、「互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と云った変化は、この二気によって起こるとされる」]。
〜[ウィキペディア参照]〜
◆『陰陽』の特徴とは、…
●『陰陽対立(たいりつ)』〜
・自然界にあるものには、全て対立する2つの面が存在していると考えます。
・例えば、「天と地」、「上と下」、「昼と夜」の様に、『陰と陽』に別ける事が出来ます。但し、『陰と陽』は、常に割合を変えながら変化を繰り返しています。
例えば、…「昼は陽で、夜は陰です」が、「真夜中から夜が明けるまで」は「陰の中の陽」と現す様に、「常に動いている事」が解ります。
●『陰陽互根(ごこん)』〜
・『陰陽』は、お互いに依存している為、「何方か一方のみ、では存在する事が出来ません」。
・「陰」がなければ「陽」は存在しませんし、「陽」がなければ「陰」は存在しません。
※[例えば、天がなければ地はなく、… 上がなければ下はありません]。
※この様に、『陰と陽』は「其々お互いに別々に離れて存在する事は出来ません」。
●『陰陽消長(しょうちょう)』〜
・『陰陽』は「何方かが盛んになると、もう一方は衰える」と云った関係を絶えず繰り返しています。
・つまり『陰陽』は常に動いているということです。「陰と陽」の何方かが盛んになると、どちらかは衰えます。
※[「天がなければ地はなく、… 上がなければ下はありません」]。
・例えば、季節で考えると「冬」の『陰』が少しずつ「夏」の「陽」に変わっていくと『陰』は減り、『陽』はどんどん盛んになっていきます」。 「春」と「秋」は『陰陽』の「バランスが安定している為、病気になりにくい」という考えもがあります。
●『陰陽転化(てんか)』〜
・「消長」は『陰陽』の量の変化を表しますが、「転化」は質の変化を表しています。
・『陰』は『陽』に転化し、『陽』は『陰』に転化する事があります。
※例えば、[固体から液体、液体から固体に変化する時に、固体は「静」、液体は「動」と捉え、「静」の『陰』と「動」の『陽』が変化している事]を意味しています。
□上記を駆使して、「今ファイル(例題⑫)」を解説すると、…
◇ 例えば「例題⑫」の「症状」で云うと、
・また、毎年「夏」になると、「下痢(腹痛あり)」が起こる様になった…。
◇「夏」と云う「季節」は『陽』に該当する…。
◇「下痢」と云う「症状」は『陰』に該当する…。
※[この様子が、即ち『陰陽対立(たいりつ)』である…。]
また、…
◇「冬場」に「夜間尿」が増えます、…。
◇「冬」と云う「季節」は『陰』に該当する…。
◇「夜間」と云う「時間」は『陰』に該当する…。
◇「放尿」と云う「行為」は『陰(尿)』を体外に出す事で、…『陽気』も一緒に出てしまう…。
※[この様子が、即ち『陰陽互根(ごこん)』である…。]
次回、…[Ⅳ]〜【脾虚寒証体質/後Ⅱ/脾気下陥(ひきげかん)/素因分類】「例題⑫」へ、続く…。
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