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『MOTLEY CRUE』モトリークルー 僕の洋楽愛聴盤vol.48


メタリカへの嫉妬

このアルバムはモトリークルーの長い歴史の中で唯一ヴィンスニールがヴォーカルをとってないアルバムです。Dr.Feelgoodの大成功でバンドとしては頂点に達した彼らでしたが、その成功の裏で時代の変化が忍び寄っていました。
モトリークルーのリーダー、ニッキーシックスに一番ショックを与えたのは、メタリカのブラックアルバムでした。「正直嫉妬した」と気持ちを吐露していましたが、時代は90年代に入り、グランジ.オルタナティブやモダンヘヴィネスと呼ばれるグルーブのあるよりヘヴィな音楽がシーンを席巻します。Dr.Feelgoodから僅か数年でモトリークルーは「過去の人」となりつつあったのです。
「俺もメタリカみたいなアルバムを作りたい」と考えたニッキーはヴィンスニールを解雇。新たにジョンコラビをヴォーカルに迎え、プロデューサーにブラックアルバムを作ったボブロックを起用し、アルバム作りに着手します。

昔からのファンから総スカン

新しいアルバムは「MOTLEY CRUE」バンド名をタイトルにしたのは彼らの決意の表れでした。
ただ、昔からのファンからすれば、あまりにも今までのモトリークルーと音楽性が違うし、ルックスもガラッと変わった事もあり総スカンを喰らってしまったのでした。

めちゃくちゃカッコいいモトリー流
ヘヴィロック

しかし、僕はその風潮とは全く違う感想で、モトリーで一番の名盤はこれではないかと思っています。ただ、バンド名を変えてリリースした方がもっと多くの人に受け入れてもらえたのではないかと思ったのも事実。
音が凄くクリアで、楽曲のバリエーションも豊富です。
Hooligan’s HolidayやMisunderstoodなんかは、今までの殻を破った名曲だと思います。
ごっついヘヴィなビートルズみたいに聴こえるのは私だけでしょうか(^^)

モトリークルーと名乗り続けた事でライブで昔の曲も多くやる必要があり、ジョンコラビがそれを全く歌えないという事態に陥り活動は袋小路へと入り込んでしまうのでした。

今でも色褪せない

リリースから30年が経ちますが今聴いても良い音です。録音に相当拘った事は当時のインタビューでも語ってましたし、とてもクリアな音です。ドラムやギターが重くてめちゃカッコいいですよ。
未聴の方は頭を白紙にして、モトリークルーだと思わず「新しいバンド」だと思って聴いてもらえればきっと気に入って貰えると思いますよ!


プロフィール

モトリークルー(Motley Crue)は、アメリカのロックバンドで、1981年に結成されました。バンドはヴィンス・ニール(ボーカル)、ミック・マーズ(ギター)、ニッキー・シックス(ベース)、トミー・リー(ドラム)のメンバーで構成されています。

モトリークルーは、1980年代から1990年代にかけて人気を博し、ヘヴィメタルとグラムメタルの要素を融合させたサウンドで知られています。彼らの代表曲には、「Girls, Girls, Girls」、「Dr. Feelgood」、「Kickstart My Heart」などがあります。

バンドは、活動初期から酒や薬物の乱用、スキャンダル、暴力事件など、数々の問題に見舞われました。彼らの伝記である「The Dirt」は、バンドの苦悩や騒動を描いた内容であり、映画化もされています。

モトリークルーは1997年に解散しましたが、2004年に再結成し、現在もライブ活動を行っています。彼らの音楽は、ヘヴィメタルやグラムメタルを好む人々にとって、不朽の存在となっています。

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