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「さく」 と 「さいわい」

桜がどこに行っても満開ですね🌸

桜という言葉を考えていたら、中西進先生の本を取り出してしまいました。

「ひらがなでよめばわかる日本語」という本です。

この本の中の1つを紹介します。

さく さいわい

幸福感というものを私たちは「さいわい」と表現します。

「さいわい」の古語は「さきはひ」です。
「さきはひ」は「さき」と「はひ」に分かれます。

後半の「はひ」は、ある状態が長く続くこと
「気配」他にも「味わい」などが思い浮かびますね。

では、前半の「さき」とは何か。
日本語は発音上母音をかえて、新たなことばを生んでいきます。
「さき」のもとは、「さく」🌸
「花が咲く」の「さく」
です。
そしてこれが、「さか」「さき」「さけ」というふうに変化していきます。
「さき」はもちろん、
「さく」の名詞形で「遅咲き」「早咲き」などといいますね。

すると「さきはひ」ということばは、花盛りが長く続くという意味になる。
まさに人間が感じる
「さいわい」とは、心のなかに花が咲きあふれて
ずっと続く状態
、それを日本人は幸せだと感じたということが分かります。

「さいわい」というと、現代人は抽象的に何となく満たされた気分のように考えるでしょう。

しかし、本来、日本人はきわめて具体的に花があふれ咲き満ちているような状態を思い浮かべて、それを「さきはひ」と表現した。これが、日本人の幸福感だったのです…

ひらがなで よめばわかる日本語   中西 進  新潮文庫

古代の日本人の感覚は、具体的だったようですね。

今、私たちは幸福観というものを抽象的で分からない、はたまた、こうあるべきなんて思ってはいないでしょうか?
こういう状態でないと幸せとは呼べないなどと自分で限界を決めてしまっているのではないか?と現代特有の悩みに日々、囚われているのではないか
と改めて幸せに生きることを考えさせられました。

心の中にいっぱい花が咲きあふれているように感じること」
皆さんは最近、感じましたか?
私は可愛いものや工芸品😍に出会えたときかなぁ。。短絡過ぎか😅

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