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時間よ止まれ

こんばんは。社会人になりました。
まだ3日目なのにもう1ヶ月ぐらい経ったような感覚で、順調に頭の中が仕事や会社に侵食されつつあります。ちょっと前まで大学生だったのにw

大切な大学の記憶を忘れてしまわないうちに、忘れてしまってもすぐに思い出せるように、定期的にここへ綴っていきます。

今日は学生最後の日(3/31)のおはなしです。


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この日、僕は大学に行ってきた。やらないといけないこともないし会いたい人がいるわけでもない。ただ、"学生の有効期限"が切れる最後の日まで学生でいたい、そんな思いから僕の足は勝手に大学へ向かっていた。学生はぽつぽついたが、4年生の人はまずいないだろう。僕以外は。

見慣れたキャンパスを歩き回り、お世話になった教室や施設を見て回ろうと思った。しかし学舎がことごとく施錠されていたため、全く入れなかった。ちょっとショックだった。まあ今は開ける理由ないもんね。

学内の中心に学生の憩いの場みたいな建物があって、残念ながらそこも閉まっていたんだけど、外の階段から屋上に登れそうだったので登ってみた。すると、美しい歌声が聞こえてくる。声のする方へ行くと、隣の建物との間にこぢんまりしたスペースが隠れていて、そこでアカペラサークルと思しき人たちが熱心に練習していた。おお。何かこういう青春いいなぁ。卒業してしまったからか、大学生が何をしていても青春に見えてしまうw

この日はもちろん余韻に浸りに来たのもあるけど、他に大事なミッションがあった。それは、今までお世話になったサークルに最後の置き土産を残していくこと。あくまでこっそりと。今日が年度末最後の日だし、誰もいるまいと思って部室に向かった。

部室棟に近づくと明らかに聞き覚えのある音色が聞こえてくる。あの子なら別にいいかと思い、でも他にもいっぱいいたらどうしよとか思いつつ、入るとその子一人だけだった。ホッとした。彼女とは追い出し会以降は会っていなくて、最後の挨拶もまだだったのでちょうど良かった。

色々と懐かしい話やこれからのこのサークルの話をしていると、いよいよ終わりなんだなと思って寂しくなってきた。今度はこの子たちが一番先輩になる。卒業できてよかったけど、卒業したくなかった。できればもう少しだけみんなと一緒にいたかった。留年してからのこの一年は本当にあっという間だった・・・と色んな思いが込み上げてきた。

練習の邪魔をしては悪いし切りよく帰ろうと思っていたら、彼女から「○○行きませんか?」と誘われた。そこは大学の近くにある、僕らのサークルがずっと代々お世話になっていたレストラン。イベントの打ち上げは決まってここでしていたし、普段からこのサークルの溜まり場だった。そんな思い出の詰まったこの店に、学生最後の日に行けるなんて僕は思いもしなかった。断る理由なんてあるはずなかった。

いつもと変わらぬ味。実家のようだ。
ここで5年分の思い出話に花を咲かせるかと思いきや、予想外の展開に。さすがに思い出話も少しはしたけど、途中からめちゃくちゃ恋愛話をした。
過去にも何回か話したことはあったけど、この子とここまでプライベートな雰囲気で話したのは初めてじゃないかしら。彼女の話を聞きながら、ずっと「ほう??へぇ~!!」みたいな感じだった。ほんとに笑笑
人生、色々あるもんです。

それと、「このサークルやっぱりおかしいよね(笑)」という話で持ちきりになった。この子も同じこと思ってくれていてよかった。この違和感は僕だけじゃなかったんだ。普通のサークルとは違う。変な人ばかり。でも異質だと思いながら、何だかんだ愛着が染みついてしまっている。不思議なものだ。

でも、もし他の"普通の"サークルにも入っていたら、僕はどうなっていたんだろうって未だに思うということも話した。彼女も、すっかりこのサークルに"染まって"しまったために、普通の大学生の感覚を失ったと感じているらしい。お互い様だね。

5年間を振り返って、僕の大学生活は普通の世間一般の「キラキラした大学生活」とはかなり違っていた。羽目はそこまで外さなかったし、ややこしい男女のいざこざもなかったし、それ以前に「虚無」で悩むことの方が圧倒的に多かった。でも、振り返ったら僕なりに色々なことがあったと思う。人よりは少なかったかもしれないけど、だからといって大切な思い出たちを否定したくない。楽しかったことは確かにあった。

彼女たちはまだあと一年ある。中には大学院に進む子もいる。
僕は社会人3日目でもう感じている。これからはどんどん大学生活の記憶が薄れていくだけだと。だから悔いのないように、たっぷり遊んでほしい。大学生の間にしかできないことを。

うっかり今の感想が入ってしまったが、この日はまさかサークルの人と一緒に過ごせるなんて思ってもみなかった。最後まで学生気分を存分に味わわせてくれた後輩に、本当に感謝。来てくれていてありがとう。

この楽しい時間を、匂いを、笑顔の瞬間を、切り取ってどこかに閉じ込められたら。ずっと永遠に手元に残せたら。
誰かといて幸せな時、僕はいつもそう思うが、この時は心から強く思った。

あぁ、とうとう終わっちゃうな。















達者でな、みんな。

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