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#19 生きてさえいれば

1日ですらすら読めた。

余命10年と同じ著者の作品。

余命10年についても感想を書いているのでぜひご一読下さい。


命という大きなテーマは前作と変わらないのだが、世界観は大きく異なる。

最初の出会いはただの偶然が重なりあったものだった。その偶然の出会いから、好きでもなくむしろ迷惑に思っていたのに秋葉は春桜を好きになっていた。こんな風に始まった恋だったけれど、溢れんばかりの2人の恋心が描かれている。

その恋をただただ祝福してくれる人ばかりではない。憎んだり羨んだりする人がいる。近くにいた藤井に裏切られたことできっと妊娠、流産、発病といった辛い運命を背負うことになったのではないか。

そして、一夜を境に秋葉の運命も変わってしまう。両親が亡くなり、異母兄弟の夏芽は車いす生活を余儀なくされた。

夏芽に付き添う必要があったため、春桜とは会えないまま、自分の夢も、東京での生活も失った。

人生はこんなにも不平等なのだろうかと思わずにはいられなかった。

悲しい物語でもある反面、恋愛の楽しい部分は生き生きと描かれている。

永遠の愛みたいなものを漠然と感じられた。

読了後も温かい気持ちにしてくれる純愛が描かれている。

また読み返したい1冊。この本に出逢えてよかった。

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