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民法#15 虚偽表示①

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虚偽表示


→単独虚偽表示=心裡留保のこと
→通謀虚偽表示
当事者が通謀して虚偽の外観を作出すること。無効である。
※無効は当事者以外でも主張することができる。
【コラム 無効と取消】
無効は誰でもいつでも主張することができる。また、当初からずっと無効である。
取消は取消権者が取消期間にのみ行使することができる。取り消されると行為の時にさかのぼって無効であるが、それまでは法的に不安定な状態といえる。
余談であるが、無効であることをわかって追認した場合、新たな行為があったとみなされる。


94条2項について


→善意の第三者は善意であることを自らが証明しなくてはならない。
→心裡留保同様、善意でさえあればよく第三者には過失があっても保護される。
→登記など対抗要件を問わない
【テキスト解説 公信性について】
まず対抗要件とは
→対抗関係にある場合、対抗要件を先に具備した方が権利を有する。不動産であれば登記、動産であれば引渡しが対抗要件となる。
公信力とは
→虚偽の外観を信じた場合に保護されること。
→まず、不動産には認められていない。すなわち、公示(登記)があっても公信力は認められない。対抗関係にある場合に対抗力があるだけ。
→動産には公信力が認められる。即時取得が典型例である。

94条の類推適用について


※動画中盤に図説あり。解説と同時に確認してみてください。
元の権利者に無断で虚偽表意者が登記を勝手に移転させた。それをもとに第三者に転売したケース。元の権利者は知ってはいたが黙認していた。
→ポイントとしては通謀がないため、直接的に94条2項を適用できない。
→ただし、虚偽の外観を作出した虚偽表意者やそれを黙認していた、帰責性のある元の権利者よりは善意の第三者を保護したい。
→したがって、類推適用することにより、善意の第三者を保護する。
→成立要件
①虚偽表示
②権利者の黙認
③虚偽の外観を信じて取引をした第三者の保護
※①②と③を利益衡量した結果である。

→なお、通謀のない虚偽について、虚偽表示者が仮登記を本登記に勝手にかえて転売した場合も、第三者保護のために類推適用が成立する。この場合、ポイントは元の権利者は仮登記をしただけであるが、わずかに帰責性があることと、第三者は善意だけでなく無過失も要求される。それで利益衡量して善意無過失の第三者を保護する。

演習問題

次の設問に◯か✕かで回答ください。

①通謀虚偽表示において、第三者が当事者に対抗するためには自らの善意を証明しなければならない。

→◯

②不動産の通謀虚偽表示における虚偽譲受者が第三者に当該の不動産を売却した場合、第三者は善意でさえあれば虚偽譲渡者に登記なくして
対抗することができる。

→◯ この場合、虚偽譲渡者と第三者は対抗関係にはない。

③当事者が無効と分かってする追認は新たな行為があったとみなされる。

→◯

④ある者が勝手に所有権を移転登記したが、真の所有者はそれを黙認した。さらに、勝手に移転登記をした者は善意の第三者に譲り渡した。この場合、虚偽ではあるが、その意思表示や通謀がないため、黙認していた真の所有者は第三者に無効を主張できる。

→✕ たとえ虚偽の意思表示や通謀がなくても、虚偽の外観があり、その作出につき本人に帰責性があり、外観を信じて取引をした第三者の保護を要する場合は94条2項が類推適用される。

⑤ある二人が不動産売買をするため、当該の不動産に仮登記をした。しかし、買い手となる者が勝手に本登記に書き換えて、善意の第三者に転売をした。元の所有者は第三者に無効を主張できる。

→◯ 虚偽の外観があり、本人に帰責性があり、善意の第三者の保護を要するため、94条2項の適用の是非が問われる。ただし、仮登記をしていたくらいでは本人帰責性としては弱いため、第三者が善意だけでなく無過失である場合には本人は第三者に無効を主張できない(94条第2項が適用されない)とする判例がある。

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