民法#9 失踪宣告
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失踪
→利害関係人の請求で家裁が宣告
※利害関係人は配偶者や推定相続人、財産管理人などで、検察官や不在者の債権者は含まないことに注意
※ちなみに不在者の財産管理人をおくことの請求は利害関係人および検察官である。また、利害関係人の中には不在者の債権者も包含する。
※不在者の財産管理人は不在者が生きているが行方が知れない時、生死不明の時それぞれでおける。
→しかし、生死不明の場合は不在者の財産を管理はできても処分できない。また、配偶者は再婚できないため、法的安定を趣旨として不在者に死亡擬制をかけるのが失踪宣告である。
普通失踪
7年の失踪期間を経て請求できる。失踪して7年経過した時点より死亡擬制がかかる。
※画像を参照
特別失踪
戦没や沈没した船舶などにいた場合など特別の事情がある場合における失踪。危難が去ってから一年が失踪期間であり、宣告がされると危難が去った時にさかのぼって死亡擬制がかかる。
失踪宣告は不在者が生死不明の時になされる
→生きていることがわかったら本人や利害関係者の請求で家裁は宣告を取り消さなければなるない。
→死亡がはっきりした場合も請求により宣告が取り消され、正確に死亡した日時が法的な死亡時間で確定する。
失踪宣告の取消
①宣告後に善意でした行為の効力は取り消されない。
→相続人相手方がどちらも善意であることを要する。
→相続人相手方が善意で転得者が悪意の場合は絶対的構成をとり、相続人とその相手方を保護する利益のため、転得者に取消の効力は及ばない。
→相続人が悪意で、相手方と転得者が善意である場合、相手方と転得者において取消は有効であり、相続人は不当利得を返還できず債務不履行責任を負うと思われる。
→婚姻の場合、相続人と相手方が共に善意であれば後婚が有効となり、どちらかが悪意であれば重婚となり、前婚では離婚原因、後婚では取消原因となるのが通説である。
②取消による現存利益の返還
→善意悪意を問わず、失踪宣告によって得た利益は元に戻す必要があるが、相続人をある程度保護するために現存利益の返還でよい。
演習問題
次の設問に◯か✕かで回答ください。
①失踪宣告は利害関係人や検察官により請求されて家庭裁判所がする。
→✕ 不在者の財産管理とは違い、人を死んだとみなすものであるため、検察官までは請求者とはなれない。
【コラム 不在者の財産管理人と失踪宣告の請求権者】
前者は利害関係人や検察官ができる。この場合の利害関係人は推定相続人や不在者の債権者も含む。後者における利害関係人はもっぱら配偶者や子などの親族となる。
②不在者の財産管理人は行方が知れない者がいる時にする。失踪宣告は生死が知れないときにする。
→◯ なお、それぞれは別の制度であるため、両方することもできる。
③失踪宣告がだされた場合、相続人が悪意でその取引相手および転得者が善意の場合、相続により得た対象物は返還されなければならない。
→✕ この場合(取引の第三者と転得者が善意)でも返還しなくていい場合として成立する。
④失踪宣告がされた後に、相続人とその取引相手が善意である場合、相続により得た対象物がさらに悪意の転得者に譲渡された場合、その対象物は返還されなければならない。
→✕ 相続人と第三者が善意であるならば対象物は返還しなくていいものとして確定する。
⑤失踪宣告がされた後に、相続で得た物を第三者に売却した場合、相続人も第三者も善意であった場合、相続人は売却によって得た代金を返還しなくてもよい。
→✕ 対象物そのものを返還しなくて良いが、その代替物(代金)を現存利益の範囲で返還しなくてはならない。
【コラム 悪意の場合の返還】
善意の場合の返還は現存利益でよいが、悪意の場合はきっちり利息までつけて返還しなくてはならない。