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『ドラミング リズムで癒す心とからだ』(ロバート・ローレンス・フリードマン著)

何年か前に読んだ本ですが、自分がやっているハンドドラム、ジャンベに関するとても重要な本なので、レビューを掲載します。

癌、多発性硬化症、麻痺、パーキンソン病、言語障害、脳卒中、依存症、PTSD、自閉症、あらゆる疾患(「疾患」と言い切っていいのか、ジャッジしたくないのですが)に対してドラム療法がもたらした効果をこれでもかこれでもかとレポートしています。

治療者のレポートだけでなく、当事者の手記もあるところも良かったです。

ジェンベなどリズム楽器とその音楽は、伝統的に、アフリカで、神聖なものであり、人を癒す役割を持ってきたということは別の本を読んで知っていたけれど(のみならず、私自身が実体験したことでもあるけれど)、この本では、新たにハンドドラムを叩くという行為を補完医療として捉え直し、ドラム療法とクライアントとの出会いをたくさんのケースとともに紹介しています。共通している現象の一つは、例えば、疾患なり問題なりを抱えた人が、ハンドドラムを手に取り、リズムを刻むことで、音楽を自分のものとして生き始め、それによって劇的な変容を遂げるというものです。

ドラムに実際に手を触れ、自分でリズムを紡ぎ出すというシーンが、どの場合でも、印象的かつ感動的でした。

2000年の著作なので決して新しい報告とは言えないけど、読んでよかったです。

最近では日本でも、ドラムサークルのワークショップが企業や障がい者、学校などでも実施されるようになっています。ハンドドラムが人々の生活と人生の質を広範囲に渡って向上させることが実感できるようになっています。そして、私もその一人です。

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