ヘルスケア✖️テクノロジー!国際セミナー企画運営の四方山話

2023年9月17日(日)「Gerontechnologyから高齢者ケアのイノベーションの可能性を探る」と題した国際セミナーが開催されました。ワシントン州立大学から2名の講師をお呼びした本セミナーを終えての雑感と、企画運営に携わった経験について書き留めます。
ちなみに、主催大学と後援学会から報告記事が公開されています。真面目な内容の部分はどうぞこちらで。

https://www.n.chiba-u.jp/topics/files/20231109/20231109.pdf

https://www.rounenkango.com/other/iagg.html

国際セミナー開催のはじまり

そもそも、国際セミナーってどういう経緯で開催することになるのでしょう。所属研究室は国際活動に積極的で、一緒に働き始めてから度々参加させてもらっています。ちなみに毎回、招聘者の来日期間中だけでなく前後の準備もモロモロあり、お祭り感満載でやっています。助教や大学院生の私の立場から観測できる範囲だと、次のようなきっかけから企画が始まるようです。

1.関心分野の論文の著者に直談判=自分の研究の発展に向けて
2.学術集会の企画つながり
3.研究者ネットワークを介した交流の延長線
4.新たな国際共同研究・教育コンテンツの開拓

他にもあるとは思いますが、、
1はシンプルに、自分が進める研究プロジェクトで文献を検討している中で、「これは」と思うものの著者にコンタクトをとるというものです。日本人で、研究上での国際交流経験が少ない若手にとって、論文の著者に直接コンタクトを取るのはちょっと気が引けるというか、、そもそも返事とか来るのかしらとか、英語が通じるのか、とか、色々考えて尻込みするところです。ですが、意外とメールをすると返ってくるとのこと。
全く初めましての関係からスタートするドキドキの進め方になりますが、同時に今後の可能性は無限大というワクワクも大きいように思います。ちなみに今回の国際セミナーはこのパターンでした。
そしてこれを形にする方略もすごい!と私は思うところなのですが、研究者らを招聘するためのグラントを早速申請するという。私など、今自分が手掛けている研究のことと、その研究費で頭がいっぱいで、セミナーや国際交流のための資金を新たに獲得なんてアイディアもパワーも湧かないわけですが。そしてちょうど助成金申請のタイミングがやってくるという、、というより、いつもそういうタイミングに気づけるようにアンテナを高くしているのでしょう。今回初めての交流となる海外研究者にタダで(旅費があるのでこちらがお金がなければマイナスで)、お話聞かせてくださいというのは断られますよね、、確かに。お金を準備するというのもやっぱり大事だなと思うところです。

ドキドキのオンラインミーティング

来日に前向きなお返事をメールでいただいたのち、オンラインでミーティングをすることに。海外研究者とのミーティングなどはこれが初めてではないのですが、いつもいつも私の反省点。英語学習の継続をしていないために、毎回スピーキングスキルがゼロに戻っているところ。
論文を読むことは多いので、リーディングは比較的保たれるのですが、何しろスピーキングは継続しないとすぐにダメになります。言葉が口から出てこない、、なんならリスニングも落ちているので、ミーティングの最初の方は聞き取れないし、喋れないし、、途中でなんとか耳が慣れてきて聞き取れるようになってきて、そのうち疲れて頭が回らなくなってついていけなくなる、、録音命!って感じで議事録を書くことになります。
はい、今度は勉強続けましょう。

肝心のミーティング内容ですが、お呼びする先生はとてもフレンドリーなオープンマインドな方で、大まかな公開セミナーの内容を打ち合わせ、日本初めてだから楽しみだとおっしゃっていただきました。

時差計算を間違えて、我々が1時間遅くミーティングに入ったにも関わらず、「国際でのやりとりだと、よくあることよね〜」と笑って許してくれたワシントンの先生は人間ができた方でした。。

企画運営チームづくり

今回の招聘は、1日の公開セミナーだけでなく、約1週間ほどの招聘プログラムとして企画しました。そのため、来日中の全行程表を作成し、各予定の担当者と訪問先などの調整が必要です。
準備する資料や行程は、以前組み立てた資料があると下敷きにできるので便利ですね。大仕事が終わると、作った資料やメールのやりとりなどそっくりすべて捨てて「おつかれさまでした~」としたくなるところですが、次回の使いまわしの可能性を考えて、きちんと整理して取り出せるようにしておくのが吉です。

最初は学内者だけかと思っていた企画も、気づけばボッスの力で国際学会と日本の学会の後援がついているではありませんか、、、!晴れてめでたく、公開セミナーの企画メンバーには日本の学会の国際交流担当の先生方もご一緒することになり、心強さ何十倍の一方で、進捗管理とやり取りにますます気が抜けなくなりました。

企画だー!準備だー!

怒涛のセミナーと来日中のプログラムの企画・運営準備です!!!
1.ポスター作成(セミナー当日のスケジュールや内容の検討を含む)
2.予算書作成
3.通訳業者、会場貸借などなど、業者依頼と打ち合わせ
4.会場おさえ・会場レイアウト設定
5.広報・参加申込者管理
6.運営マニュアル・オペレーションの組み立て
7.会計執行手続きの確認
8.掲示物や当日使用物品の準備
などなど、、、
これに、公開セミナー以外のプログラムの調整、運営を手伝ってくれる大学院生の募集と依頼、講師への確認などのやりとり、、他にもあったかなぁ。もはや記憶が定かでないくらい、同時並行でふくらむ仕事!

ハイブリッド開催、だと…!?zoom webinarの開催側って、何をすればいいのー!?
ウェビナー準備のための下調べも相当しました。。それはまたいずれ機会があれば備忘録に残したいと思います。

講師来日、いざ開催へ!!!

講師来日後は、近隣観光へのご案内、前日ミーティング(そして、旅費や謝金をお渡しするための手続き)、セミナー開催を迎えます。怒涛の来日プログラムとなりました。
前日ミーティングで、ウェビナー用のカメラ位置の調整や、会場の状況を天地確認していただき、最終チェック。逐次通訳が入るので、30分程度の英語プレゼンテーションも倍の60分かかる計算でプログラムします。講師の先生方はとても好意的で誠実で、準備してきたプレゼンテーションをさらに前日内容を絞り込んで時間内におさまるようにアレンジしてくれました。感謝です。
セミナー当日は、現地参加者は少なかったものの、オンラインで多くの方が聞いてくださいました。講師のお二人のおかげで、セミナー内容も充実でした。看護とテクノロジーに関する臨床での研究的な展開に関して、実際のケースを紹介いただきながら、基本的な知識、技術についてはもちろん、気になる倫理面も網羅した講演でした。これが無料なんて・・おトク!

実は公開セミナー後日、学内セミナーも非公開で実施しました。こちらはレクチャー方式ではなく、対話形式で講師お二人と輪になり、大学院生を中心に全編英語で(しかも我々に配慮しためちゃくちゃやさしい英語で!)、よりこれから新しい研究に踏み出していく若手研究者へのメッセージを強く打ち出した内容でした。わかりやすく、また考える、話し合う、ができた貴重な時間となりました。

内容のない長い備忘録ですが、、また自分で読み返すときのために。


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