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ラグビーファンとして

サッカー、野球ほど、たくさんの試合がTV中継している
わけではない。
けれども、伝統がある高校ラグビー、大学ラグビー、
そしてワールドカップ以降、リーグワンも作られて
どんどん人気が出てきたラグビー。

私の実家から、約20分ほど自転車で走ると、
高校ラグビーの聖地といわれる「花園ラグビー場」が
ある。
父は、高校ラグビーが好きだった。
高校生の、あのひたむきさ、かむしゃらさが好きだ、と
よく言っていた。
高校ラグビーがあった日は、試合をまとめて2時間くらい
夜中にTVで放送していたように思う。
いわば、「熱闘甲子園」の、ラグビー版。
私がラグビーを見始めたのは、ここからだ。
父と夜中に見るラグビーがおもしろかった。父と見る、という
のもおもしろかった。見ているうちに、なんとなくルールも
わかってきた。
正月すぎた1月15日には、日本選手権として、
大学ラグビー優勝校と社会人ラグビー優勝チームの戦いが、
毎年TVで放送されていた。それも毎年楽しめるようになった。

そこで、平尾誠二氏を初めてみた。
スター選手だったので、アナウンサーも
「平尾、学生最後の試合です!」と言っていた。
同志社大学 対 どこかの社会人チームだったんだろう。
「有名な人なんだ」
その頃の私には、まだその程度だった。

働き始めて何年か経った頃、友だちから
「平尾さん来るで。花園に。神戸製鋼対三洋電機の
 社会人決勝見に行かへん?」と誘われた。
平尾さん・・・ああ、そういえば、スター選手がいたなあ。
久しぶりにラグビーの試合もいいかも。
そんな軽いノリで出かける。
チケットを並んで買うわけでもなく、指定席でもない。
ふらっと見に行くことができた。古き良き時代。

その頃の神戸製鋼は、確か6連覇がかかっていたように思う。
競技場は神戸製鋼のファンが断然多く、赤が圧倒的に
目立っていた。
選手も、日本代表選手も多く、スター選手ばかりだった。
平尾選手にボールが渡っただけで、声援がすごい。
影日向にいる、いや、とにかく目立つので、いつでもどこにいても
ボールを受け取れるような姿勢でグラウンドに立ち、
ファンを魅了した。
その後も、平尾誠二選手を見るため、神戸の競技場や、
神戸製鋼のグラウンドにも、足を運んだ。

しかし7連覇達成後、阪神大震災があり、神戸はラグビーどころ
ではなくなり、また私の会社も、神戸港が壊れたため船荷ができず、
貿易は忙しくなり、ラグビーを楽しむ余裕はなくなった。

その後、私は結婚し育児で毎日がフル活動。
平尾選手は引退し、日本選手権で解説をしていたが、
私は平尾選手のプレーが見たいので、日本選手権も見なくなった。

ニュースは見る間もなく、ときどき聞こえてくる程度。

そんなある日、平尾誠二氏がニュースに映る。
「あ、平尾さんやん」
アナウンサーは、「がんのため亡くなりました」という。

叫んだ記憶がある。
たしかワールドカップが日本で開催される、というニュースを
聞いたことがあったので、きっと平尾誠二氏が一番喜んで
いるのでは、と感じていた矢先だったように思う。

その後は山中教授がかいた本を読み、平尾誠二氏との交流に
胸を打たれた。

2023年11月に、平尾誠二氏と山中教授との交流のドラマが
あった。
本木雅弘さんが平尾誠二氏を演じていたのだが、ほんとうにそっくりで、
平尾誠二氏の最後を見ているようで、悲しくてしかたがなかった。

2027年は、オーストラリアでワールドカップが開催される。
オーストラリアはぜひとも行ってみたい国。
オーストラリアは大きな国なので、赤道側か南極近くか、西か東か
どこの会場でもいい。と、いいつつも、本当はメルボルンに
行きたいのだが。
まだ海外旅行に行ける足腰は持っているはずだ。
ぜひ観戦したいと思っている。

そして、試合を観ながら、また平尾誠二氏を思い出したい。
きっと空の上から、観ているに違いない。






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