地域医療連携室の立ち位置(新しく退院支援に

2000年初頭の病院機能評価において、地域医療連携室の必置があった。
これをきっかけに地域医療連携室はどこの病院にも置かれるようになった。
医療の機能分化のための病病・病診連携の推進が背景にあった。
そして、介護保険の浸透と相まって、地域医療連携は、医療・介護・福祉の連携に整理されつつある。

退院支援部門のソーシャルワーカーや看護師が、地域医療連携室に配置されているところも少なくない。

そのため、毎年度、新人や異動者も生じるようになった。

地域医療連携の職務にこれから従事する方々へ、業務展開に関する留意すべき点を2つ述べる。

一つは、医療・介護・福祉の連携が良好である場合、地域医療連携室は存在しないことである。なぜなら、多機関は他機関であり別組織である。各機関には、個々の存在意義・存在目的が異なっている。
お互いが、お互いの立場を補完できるような体制構築が、地域連携のミッションである。
存在意義や存在目的の統一であれば、連携ではなく、吸収合併である。


地域連携は、お互いが相互方向で刺激しあい、成長できるような連携が最適である。よって、関係も日々変化する。

二つは、連携元と連携先は対等ということである。
どうしても急性期病院や医師会など、パワーの強い組織が存在する。
わざわざ遜(へりくだ)るのではない。
お互いが持つ価値の共有を目指すべきである。

ソーシャルワーカーは、相談しやすい立場である。
そして、連携室に所属する看護師も、外部(他機関)との関係を構築しやすい立場である。
よって、他機関からの相談を受けやすい。

それは、とても良いことである。

ただ、新人は、ケースを丸投げされやすい立場でもある。
お互いの立ち位置を理解して、立ち回りができるのは、経験を積んでいくことが必要である。

丸投げは違和感を感じる。違和感を感じたときは、前述の2つのことを思い出してほしい。

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