見出し画像

360°VRシアターの次は・・・

こんにちは。毎日暑い日が続き、北海道民には耐えがたい日々です。
うだるような暑さの中、元気を分けてくれる訪問者がありました。春の工学部で北大の一端を体験してくれた札幌市立向陵中学校科学部のみなさん。1年生も仲間入りし、パワーアップしての再登場です。


世界最先端。今回の訪問先は・・・

科学部のみなさんが訪れたのは、世界最先端の研究室を多数擁する「北海道大学 遺伝子病制御研究所」です。免疫、神経、幹細胞など様々な研究室がありますが、今回は「疾患制御研究部門がん制御学分野」の園下 将大(そのした まさひろ)教授が、中学生のみなさんを、世界最先端の研究へとナビゲートしてくださいました。

「がんを制御可能な病気にしたい!」と研究室を率いて、日々研究に励まれている園下教授。科学部のみなさんの北大探訪第2回目は「がんとは何か?」を知るところから始まります。

DNAの長さはどれくらい?

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず・・・。」ということで、がんと闘う最前線を知るために、「がんとは何か」「なぜ、がんはできるのか」を園下教授のサイエンストークにより、細胞レベルでひも解いていきました。
ちなみに、みなさんの細胞一つ一つにある、「DNA」の長さはどれくらいか、ご存知ですか?なんと、DNAはその一つ一つが2mほどもあるそうです。人間の体は約37兆個もの細胞で構成されいるとのことでしたので、全てのDNAを合計すると・・・。想像できない長さです。

細胞がどのようなものかを理解したところで、「遺伝子とは何か?」「体の中にはどのような遺伝子があるのか?」「遺伝子が、がん細胞とどのように関わっているのか」など、がんが発生するメカニズムから世界最先端の創薬方法、その開発の難しさなど、多岐にわたるお話を伺うことができました。途中、治験費用の話に驚愕の表情を見せ、メモを取りながら話を聴く姿は真剣そのもの。未来の研究者を予感させる表情の、みなさんでした!

終始にこやかに「がん」について教えてくださった園下教授。
みなさん、メモを取りながら真剣な表情で話を聴いていました。

がんとハエ!?

休憩を挟んだ後は、いよいよラボに潜入です。先生の研究室ではショウジョウバエやマウスなどを用いて、遺伝学・生化学・分子生物学・創薬科学等の研究がおこなわれています。
「ハエ」と聞くと、いつも飛んでいるあの「ハエ」を想像してしまいますが、今回見せていただいたショウジョウバエは成虫でもゴマ粒ほどの大きさです。(ちょっと安心・・・。)
ショウジョウバエは遺伝子操作が容易であり、成長サイクルも速いため(マウス約70日に対し、ショウジョウバエは約10日間)試料として優れているそうで、研究室ではショウジョウバエが活用されています。

「がん」を見てみよう!

研究室では5つのコーナーを体験しました。北大病院病理医の先生による実際の患者さんのがん細胞を顕微鏡で観察するコーナー、今まさに生きている、培養中のがん細胞を観察するコーナー、遺伝子検査の方法を学んだり、研究に重要なショウジョウバエを観察したり、ハエへの抗がん剤投与方法を学習したりと盛り沢山の内容で、サイエンス魂に火が付いた参加者のみなさんは、研究室スタッフの方々に盛んに質問をぶつけていました。
園下先生、研究室スタッフのみなさま、貴重な体験をどうもありがとうございました。

実際の患者さんのがん細胞を観察します
白衣を着た姿は既に立派な研究者です。

”興味”を探る旅はまだまだ続きます・・・

あっという間に時は過ぎてしまいましたが、前回とはまた違う分野の”研究”に触れられた一日だったのではないかと思います。”研究”といっても様々な分野があり、北大においても実に多くの”研究”があることを知っていただき、その中で自分の「これは面白い!!」や「もっと知りたい!!」を見つけてもらえるといいなと思っていますので、次回も是非楽しみにしていてください。

次回の研究室訪問はどこになるのか・・・。またお会いしましょう!

今回私たちが訪問させていただいた「遺伝子病制御研究所」では、小学生対象の子ども向けプログラムを定期的に実施されているそうです。研究好きの小学生、研究の楽しさを我が子に知ってほしい!というお父さん、お母さん、機会があれば是非参加してみてください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?