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私にとって4年ぶりの一人暮らし

妻とは就職と同時に同棲を始めたため、この別居が私にとって4年ぶりの一人暮らしとなった。

同居していた頃は、毎週末、部屋の片付けや掃除をしていたのが、特別掃除の日を決めなくても片付くようになった。家事は自動化する方針でやってきたので、洗濯乾燥機、食洗機、ルンバなどにより、快適な生活であった。
一人で生きていくのがこんなに楽なのかと驚く一方で寂しさを感じた。

さらに新型コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言が発令され、仕事は在宅勤務となり、家で過ごす時間ばかりになった。
とにかく毎日が暇であった。

別居とステイホームが重なり、人と会う時間が少なくなり、精神的にきつくなった。ストレスのせいなのか、自分の呼吸の仕方が分からなくなり、私も精神科に通うようになった。
世界が狂っていて、自分もおかしくなっている。コロナなんてなければ、この広い家に友人を呼んで朝まで飲み明かすなんてことができただろうに。

こんな退屈な日々なのに、趣味の料理はやる気がなくなってしまった。
この頃なぜか、お好み焼きばかり作って食べている。まあ、簡単で早く作れて栄養バランスが取れているから良いか。
毎日お好み焼きでも、飽きなかった。あのオタフクソースには中毒性があるのだろうか。
別にこの料理をどうこう言うつもりはないが、お好み焼き(大阪Style)は、ズボラで適当に作ってもちゃんと美味しいから感心する。

そんな生活の中で、ある偉人の言葉が浮かんだ。
「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い」
私は普通の会社員で、妻と別居で家庭はボロボロ、これといって熱中している趣味もない。これまでは、二人分の家事をすることが重荷になっていたが、それなりに充実感を得ていたのかもしれないと感じた。
妻から別れを切り出される直前も、パッとしない人生に感じていた。幸せな家庭を持ち、子供を育てることで、これからの人生を充実させたいと思っていた。それなのに…
考えれば考えるほどつらくなってくる。

考えることをやめるために、私はオンライン対戦ゲームを始めた。
オンラインでマッチングしたプレイヤーがチームになって戦艦で戦うようなゲームであった。これまでゲームなんてほとんどしなかったのに、ハマってしまった。ゲーム中、うっかり味方に魚雷を当てると、英語や中国語のチャットで怒られることもあったが、人とのつながりを感じた。
これで趣味の一つといえるか。

それでも考えてしまうことがある。
ふと、このステイホームの期間、別居していなかったらどうだったのだろうかと思った。あの関係性のままでは、もっとストレスを感じていたかもしれない。私は部屋が片付いていないと気が済まない性格だったようだ。

以前の腹立たしさはなくなり、虚しさとただ妻を心配する気持ちだけが自分の心に残っていた。

2020年4月


*これは当時の日記を元にした、1年前の話である。日記のため、「妻」と表記している。離婚に至るまで、このnoteはつづく。


*このnoteの続き


*このnoteのはじまり


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