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過去の抜け殻

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いろいろあって言葉を綴り。 迷いながら置いてきた、記憶の抜け殻
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#つふやき

ショートショート 第3話(時代)

僕が知る限りでのこの世界は、
ONとOFF、0と1のみで形成された
人間が作り出した仮想デジタル
電気信号という名の波形の波に
上り詰めては、下り落ちる
その波に乗る僕はアナロジー

デジタルなんて存在しなくて、
0と1の間にはアインシュタインも
笑顔で語ってくれそうな論理
そんな途中が存在するの、
その途中の途中の途中の途中…
実にアナログチックな世界

ほら、デジタル時計の文字盤は
1から2に

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◆夜鷹の星を見つめて

◆夜鷹の星を見つめて

昔の記憶に思いを伏せ
少し肌寒いバルコニー
夜の帳を眺めている

生きることに失墜しながら
望むことに落胆してもなお
すべきことに支配される。

社会の中の悪しき流れに犯され
望む希望を悪しき未来に閉され
そっと己の目を閉し昇り上がる

喉で蠢く甲虫 俺は生きたい
足蹴に笑う空 俺は成りたい
何も求めぬ俺 そっと居たい

叶わぬ望み...

もう何もいらない...
もう何もない...
もう何も..

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ショートショート 第5話(いつもの階段)

いつもの階段 2008/11/11 02:37

こんな静かな夜には怯えて震えて、そんな孤独を選んだ自分なのに寂しさを覚えては・・・そっと肩を震える事に何か誰も気付いてもらえないなんて我がままと、そっとして欲しいなんて台詞との裏腹に僕はきっと人の温もりさえ忘れてしまう。悲しい男なんかな。

窓の外は凍えそうな寒空に今にも雨が降りそうな曇り空、きっと世間でな何でもない夜空のキャンパスに誰もが通り過

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