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続・イヤホンスパイラルが終わった話(DAC/アンプ、DAP、そしてケーブル沼へ…)

 イヤホンスパイラルは終わっても、オーディオ沼から抜け出したとは言えない。ヘッドホン沼、ケーブル沼、DAC/アンプ沼…etc…財産と限度額を吸い取る罠は至る所に存在します。

 幸か不幸か、そうしたものにもいくらか散財を重ねて、現在は自分なりに納得できる環境が完成しています。もしかしたら沼に片足を突っ込んだ誰かの役にたつかもしれない、という期待を込めて、振り返ってみました。

再生環境にまつわる沼に落ちた感想

・ドングルDAC

 ぼんやりと「有線イヤホンのいいやつはTWSより高音質なんだろう」となどと考えていると、うっかりイヤホンとセットで買ってしまいがちなアイテム。これまで何種類かのドングルDACを使いましたが、音の良さと消費電力がトレードオフの関係にあり、音がいいものはスマホの電池がガンガン減っていきます。また、高音質を謳うものは筐体もそれなりに大きく、邪魔だと感じる事もありました。

 更には、スマホの電池切れに備えてモバイルバッテリーを持ち歩く羽目になり、「これならいっそDAPを買った方がいいのではないか?」と、物欲が次の段階へステップアップしました。まさに沼の入り口というやつですね。

 でも少し、抵抗しました。Bluetoothヘッドホンアンプを使えばDAPは不要ではないか?そう思った翌日には、FiiO BTR7が着弾していました。結局、私の使い方には合わなかったので手放しましたが、これはとても良い品でした。硬質すぎる音色の癖がありますが、ワイヤレスとは思えないクリアな音で、動作も接続も安定していました。

 唯一、有線接続時に曲の冒頭が僅かにフェードインする現象があり、そこだけが欠点でした。BTR7は気に入ってよく使っていましたが、外出時に持ち出すことはほとんどありませんでした。

 その後、魔が差してポータブルDACアンプ一体型のQ11も購入していました。BTR7とは傾向が異なりウォーム系でしたが、耳にズンとくる音圧があり、これまた気に入っていました。それでもやはりというか、持ち出すことはありませんでした。どうやら私は、ほんの少しでも荷物が増えるのが面倒なのだとわかりました。

・据え置きDAC/アンプで新たな沼へ

 結局、FiiOの据え置き一体型DACアンプであるK7を購入しました。K7の音は、BTR7にあった音色の癖がなく、Q11で感じたような音圧がありました。癖を感じないニュートラルサウンドで、理想的でした。据え置きとはいえ、狭い机でPCの横に置きたかったため、筐体は小型な方がよく、その点もK7はピッタリでした。正直なところ、最初からこれを買っておけばドングルDACやBluetoothヘッドホンアンプに散財する事もなかったのに、と思いました。

 とはいえ、過ぎたことを悔いても仕方がありません。イヤホンスパイラルの時と同じで、K7にたどり着く過程として必要だったと納得するしかありません。室内でもイヤホンで音楽を聴く私には、据え置き機の購入など、これまでの人生で一度も考えたことがなかったのですから。

 理想のアイテム、K7を入手した事でドングルDACもBluetoothヘッドホンアンプも手放すことができ、落ち着いた気分でした。オーディオに関する様々な情報を日々検索しては、買うべきかどうか頭を悩ませている買い物依存の身には、再生環境を確定できた事は至極の安心を得られる出来事でした。

※K7のその後について、新たに記事を書きました。ご興味のある方は下記リンク先の記事も併せてお読みいただけると嬉しいです。

 しかし、ゴールかと思いきや新たな沼のスタート地点だった、というのがオーディオの常。まだまだズブズブと沈んでいきます。

・DAPかスマホか

 K7にはAndroidスマホのXperia AceⅢをUSB接続していました。PCは仕事で使うので余計な負荷をかけないよう、スマホから出力したいという事は確定していました。K7以前に使用していたドングルDACもBluetoothヘッドホンアンプも、自宅内ではXperiaで使い、外出時のみiPhoneに繋いでいました。

 Xperia AceⅢはエントリーモデルのスマホで、上位のXperiaと比べるとオーディオ関連の設定項目が少ないのですが、USB経由でのハイレゾ出力はしっかりできている事がQ11やBTR7側の表示で確認できていました。そのため、K7に接続するスマホはXperiaで何の疑いもなかったのですが、物欲の矛先がひとつ消えると新たなターゲットを探し当てるのが買い物
依存、自ら沼に沈みゆく病人です。

 このXperiaをDAPに変えたら、さらに音が良くなったりするのだろうか?疑問(という名の物欲ターゲット)を感じたら試さずにはいられません。SONY NW-A306を購入していました。NW-A306はDAPとしてはかなり小さいので、K7の購入で妥協した外出時の音質向上にも寄与するのでは、という期待もありました。

 DAPはオーディオ機器のため、ノイズ対策がされている。スマホはオーディオのための特別なノイズ対策はされていない。ざっくりとそう考えていたわけですが、果たしてNW-A306はXperia AceⅢより高音質なのか?

 Xperiaをイヤホンジャック直差しでは使っていなかったので、その比較はわかりません。
NW-A306の3.5mm出力は、ソースダイレクトに設定していても、妙な加工感のある変わった音だなと思いました。実際に何か特殊な処理を挟んでいるのかは知りませんが、K7にUSB接続した状態でApple Musicのロスレス音源を再生すると、K7のランプがハイレゾになる現象も気になっており、とにかく内部でアップサンプリングかなんかやってるんだな、という感じがしていました。

 そのお陰かどうかはわかりませんが、Apple Musicで比較する限りはNW-A306の方が明瞭な音がでました。ローカル音源に関しては、ほとんど同じか、わずかにNW-A306の方が情報量が多い気がする、という程度の差でした。ちなみに、Xperiaのローカル音源はUAPPで、NW-A306は内蔵アプリです。いずれも、比較の際はソースダイレクトで再生しています。

 聴きなれた音源で比べた結果、NW-A306はなかなかいいものだ、という結論になり、しばらくメインで使いました。外出にも持ち出してみましたが、スマホとは別にスマホみたいなものを持ち歩くのは、やはり邪魔でした。K7より少し前に購入していたAstell&Kernのアナログポータブルアンプ、AK PA10と合わせて、主に自宅内で使用する事にしました。

 3カ月ほど、NW-A306→K7→AK PA10の組み合わせで使っていましたが、持ち歩かない小型ウォークマンという代物にだんだん腹が立ってきました。当たり前の話ですが、画面が小さすぎるのです。画面が見にくい、タッチ操作がしずらい、充電がすぐなくなる。NW-A306は何も悪くないのですが、やはり向いていなかったようです。

 現在は、画面が大きく電池持ちの良いXperia に戻り(新たに中古品のXperia 10Ⅱを購入しました。OSは古いですが、DAPとしてはAceⅢより使いやすいですね。音量のステップ数が多いので)AK PA10も正直あってもなくてもいいくらいの感じだったので、一緒に手放しました。

 AK PA10、あれをアナログの温もりが加わり音が良くなったと感じるか、音色が変わっただけで情報量に変化はない(あってもなくてもいい)と感じるかは人によると思います。ハードウェアクロスフィードが売りで、たしかに悪くはなかったのですが、UAPPのソフトウェアクロスフィードでもどっちでもいいと思ったのが正直な感想です。

・バランス接続とケーブル沼

 再生環境を確定させるための散財と同時並行で進行していた沼があります。再生環境を4.4mmバランス接続で構築していたため、イヤホンを買って最初に行うことはバランスケーブルへの換装でした。

 イヤホンに付属するケーブルはほとんど3.5mmアンバランスですから、当然ながらケーブルを追加購入する訳です。それほど高価なケーブルは買いませんでしたが、色やデザインのマッチング、取り回しの良さにはこだわり、なんだかんだと手持ちイヤホンの3倍以上の本数を所有していました。

 ちなみに、ケーブルの交換でイヤホンの音に変化を感じる事はありますが、音の情報量が増えたと感じたり、音色の傾向が好ましい方向に変化したと感じる事はほとんどありませんでした。

 finalのシルバーコートケーブルとか、NiceHCKのDragonScaleなんかは良かったですね。ただ、これらのケーブルを買うならイヤホン本体のコレクションを増やした方が楽しめると思います。

 また、バランス接続で左右のセパレーション向上を実感できるかはイヤホンの機種によって、稀にあったりもした程度です。SHUREのSE215SPEは明確な効果がありましたね。

 いろいろ試してわかった事は、リケーブルもバランス接続も、音質向上に寄与する事はありえても、ほとんど差がわからない場合もあり、追加投資としては費用対効果がきわめて悪いという事です。リケーブルしたい場合は、音質の変化には期待せず、価格が安くて見た目が好みのものを買っておけば良いと思います。

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それではみなさま、よいポタオデを。

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