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#153 FIIO K7にBluetoothレシーバーBR13を繋いだ時の音質はどうなのか問題

 これまでのオーディオ系記事でも何度か触れたが、据置DAC/アンプはFIIO K7を使っている。自宅内にいるときはデスクのある定位置にいることが多く、またリモートワークが多かったこともあり、購入から現在に至るまで大活躍している。

 フットプリントの小ささ、PCやスマホを接続するユーザーを想定した、ほどよく取捨選択された端子類と、比較的お財布に優しい価格設定。心から買ってよかったと思えるし、人にもおすすめしやすいアイテムである。

有線かワイヤレスか、問題

 このK7には、Bluetooth受信機能を内蔵したK7BTというバリエーションが存在する。私がK7を購入する頃には既に発売が決まっていたので、少し待ってこちらを買うという選択肢もあったが、当時の私は「わざわざ据置機を買おうとしているのに、無線で音質を劣化させる意味がわからない」と思い、相手にしなかった。

・オーオタあるある?

 最近のワイヤレスイヤホン/ヘッドホンは無線のハンデを感じさせないような、いい音を出す製品が増えてきた。個人的には、ワイヤレス製品はfinalのZE3000とUX3000、TechnicsのEAH-AZ40M2の3機種を気分や用途で使い分けている。

 便利だからとあまりワイヤレスばかりを使っていると、ときどき「もうこれでいいんじゃない?」と思ってしまい、有線環境の使用頻度が減ってしまう。手軽で音も良いわけだから、手が伸びやすいのは当然だ。

 しかし、気まぐれにK7の電源を入れ、お気に入りの有線イヤホンを接続すると「ものすごくいい音だ!やっぱり有線だな!」と手のひらを返す。そうしてしばらく有線を堪能した後、また無線の手軽さに甘えるようになり…(以下ループ)というわけで、私の手首はもうねじりきれてしまいそうだ。

・やっぱり、K7BTにしておけば…

 せめてスマホとK7の間だけでもワイヤレスになれば(私はXperiaとK7を接続して使っている)スマホがリモコン的な感じになって、もうちょっとK7の使用頻度が上がるのではないか。そう思い始めてから、やはりあのとき、K7BTの発売を待つべきだったのか、と少しだけ後悔していた。

FIIO BR13があらわれた!

 しかし、現代のオーディオフィルは何を求めているのか?を追求し続けるFIIOは抜け目がなかった。BluetoothレシーバーのBR13を発売した。K7ユーザーがこれを追加で購入するケースはあまりないような気もするが、今の私にはぴったりな製品であることは間違いない。

・少し悩んだ

 BR13を使うということは、XperiaとはLDACで接続することになり、最大96kHz/24bitのデータ幅になる。K7に内蔵されているDACは384kHz/32bit、DSDも256まで対応している。数は少ないものの、一応は192kHzのflacやDSDの音源も所有している。それらをわざわざ劣化させるために買うほどのものなのか。とはいえ、K7のアンプ部はFIIOご自慢のTHX-AAA 788+である。BR13から入力しても、そのアンプを活かせることは変わらない。

・買いました

 まあ、買うわな。現在、我が家の家計は火の車なので、いくつかの未使用ガジェットを供物にすることで購入を許可することにした。K7に接続して、XperiaからLDACで接続して、音を出した時の第一印象は「ちょっと硬質でシャープな音だな」というもの。K7とはDACチップも異なるわけで、当然音の印象も違う訳だが、では私なりに音質はどちらが良いのか(聴感上の情報量の差の話)というと、やはりK7にUSB接続したときの方が上だと感じた。

 ちなみに、BR13からK7には光ケーブルで接続している。そこにこだわる必要はないだろう、と思ったので安価なAmazonベーシックのケーブルを使っている。

・しかし…アップサンプリングがイケてる!

 とはいえ、ある程度は想定内だ。むしろ「音質がアップしました!」ということになると、そちらのほうがおかしい。そしてやはり、スマホとK7の間がワイヤレスになったことは便利だった。こちらも想定通りだ。

 BR13そのものは、Bluetoothを受信してアンプに受け渡す役割だけに絞ったシンプルなアイテムなのだが、実はBR13自体にイコライザーとアップサンプリングの機能がある。私はイコライザーを使わない派だし、アップサンプリングにもそれほど興味がない。再生時に余計な処理を挟むより、収録された音をあるがままに再生する方がいいと考えていた。

 しかしまあ、せっかく買ったのだ。イコライザーはともかくとして、アップサンプリングは試してみることにした。直後に「…え?…これいい…これはいいぞ…」となり、BR13をあえてK7に接続するメリットを見出してしまった。きっとこれは、無線になってもキメの細かな音が出せるようにと考えて搭載された機能に違いない。きっとそうだ。やってくれるぜFIIO。

 個人的には、USB接続したK7の音と、BR13でアップサンプリングしたK7の音と「違うけど、どっちもいいじゃん」という感じがしている。結果、データ的には音質劣化があるだろうが、聴感上はほとんど対等という感想である。

・LDAC音質優先モードでも途切れない!

 使ってみて驚いたことがもう一つある。LDACでワイヤレスイヤホンを接続する際、「接続優先」と「音質優先」を選ぶことになる訳だが、私はどのイヤホンでも「音質優先」が途切れることにムカついていた。(室内で使用していてもだ!ふざけるな!)

 据え置きのBluetoothレシーバーという代物を使うこと自体が初めてなので、実は当たり前のことなのかもしれないが、BR13は私のXperia 10Ⅱと「音質優先」で接続しても一切途切れない。これは素晴らしいと思った。

・おすすめです!

 もしこの記事を読んで共感してくださった方がいらっしゃれば、きっと買いです。そして、「自宅にでかいオーディオアンプがあるけど、最近はスマホでサブスク音源とワイヤレスイヤホンばっかり使ってしまって、使わなくなったんだよなぁ。あのアンプいいやつなのになぁ」という方がいらっしゃれば、そもそもBR13はあなたのような方のためにある製品です。是非ともご検討ください。

※注意:Amazon購入時の出品者について

 もし、AmazonからFIIO製品を購入される場合の注意点です。Amazonに在庫がない場合、「おすすめ出品の要件を満たす出品はありません」と表示される場合がありますが、出品者が「株式会社エミライ」なら、FIIO製品の日本代理店ですので大丈夫です。

 もちろん、他の出品者でもエミライと同価格で販売している評価のまともなお店なら問題ないと思います。わざわざこう書くのは、Amazonには品薄の商品に、標準的な売価よりもはるかに高い価格や配送料をふっかけてくる業者がいるからです。ご注意ください。

それでは皆様、良いポタオデを。

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