症例紹介#11【起立性調節障害・強度の肩凝り】
患者と主訴
患者:20代女性
主訴:肩凝り・頭痛・起床時のめまい
状況
数ヶ月前から朝起きた際に強いめまいがするようになった。医者で診察を受けたところ「起立性調節障害」であると診断された。
以前から首や肩の凝りが強く、腕を長時間上げていると指先が冷たくなったり、痺れたりする。肩凝りがひどく、気が重たくなることもある。
【起立性調節障害とは:】
起立性調節調節障害とは、自律神経の不調により立ち上がった際等に脳への血流が低下する症状を有する。朝に症状が最も重く、午後になると回復することが多い。
【主訴の考察:】
自律神経の不調による脳への血流不足が、肩こりにより更に不足し、症状を大きくしている恐れがあると思料された。
【望診所見:】
色が白く、骨格がやや華奢ではあるが、他に特徴的な所見は見当たらなかった。
目に力がなく、気分がまいっている様子が見られた。
定期的にジムに通っており、運動不足ということは考えられず、どうすれば良いかわからない旨申し立てていた。
【身体所見:】
背中にある僧帽筋の緊張が著しい。
特に首後部の緊張が顕著だった。
背中全体が張り詰めていて、皮膚に遊びがない。
【施術内容:】
上半身の緊張が強く、東洋医学的に上実下虚の状態であることから、ふくらはぎと足首に鍼をうち、上にあがっている気を下へ降ろすようにした。
その後、痛みを与えないようにゆっくりと首と肩の筋肉の走行に沿って指を押し込み押圧していく。
いきなりグイッと押す、もしくは痛みを与えると、筋肉は「攻撃されている!」と反応して逆効果となるので注意が必要である。
過緊張状態をほぐすように、少し緩めの圧力でじっくりと筋肉全体をマッサージしたのち、首と頭の付け根部分に鍼を打って、様子をみた(この際の鍼も痛みを与えないように細心の注意を払う)
【施術後:】
「首が楽になった」と笑顔が見られたので、安心した。
彼女は10日から2週に一度通ってくれているが、
「まだめまいはするけど、少しずつ朝起きるのが楽になってきた。」
という。
鍼灸が治療効果を発揮したのだと思いたい。
【養生法】
下記場所に灸をすると良い。
お灸にはせんねん灸が使いやすい。
火を使うことに抵抗がある場合は、火を使わない灸も活用したい。
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