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HSPの中年クライシスをどう乗り越えるか

中年クライシスとは

アラフォー世代(30代後半)から現役引退期の60代までの中高年に訪れやすいうつ病や不安障害の症状を表した言葉で、中年クライシスというものがあります。中年危機や、ミッドライフクライシス(Midlife crisis)、ミドルエイジクライシス(Middle age crisis)とも呼ばれます。

これは、中年期にありがちな個々のストレスとは別に、アイデンティティや自己肯定感の変化の心理的危機を指します。
どんなものがあるかというと、加齢による運動能力、体力の低下や、メタボ、視力や頭髪など衰えに対する不安があります。
また、仕事におけるステージが変わり、責任や劣等感、能力の限界などを大きく感じるときでもあります。
家庭では、子どもの手が離れたり成人で巣立っていくことの喪失感から、空の巣症候群と呼ばれる抑うつ症状になる場合もあります。

中年クライシスの特徴

中年クライシスの特徴を洗い出し、マインドマップで作成しました。

中年クライシス

HSPの目線

思春期に、自分は何のために生まれて何をするのかという疑問が出ることがありますが、中年期でも、自分の生き方はこれでいいのかと、本当の自分を見直したい気持ちが現れます。それを第二の思春期として思秋期と呼ばれたりもします。

普段から哲学的だったり思いにふけることを好む傾向のHSPとしては、考え方はあまり変わらない部分もあるかもしれませんが、焦りが出てきたり、具体的なアクションを取りたくなるかと思います。

そして色々過敏なHSPとしては、体のちょっとした変化にショックを受けたり、周りの目を気にし過ぎてしまい、人一倍重く受け止めてしまうかもしれません。未来に希望を持って生きてきた中で、現実的な限界が見えたり、ネガティブな面が増えて、不安が増幅してしまう恐れをはらんでいます。余計なことを考えずに黙々と仕事をこなして、鈍感に過ごせればどんなに楽かという思いも出てくるでしょう。

一度落ち込むのは仕方ないかもしれません。
落ち込みのタイミングが重なったりすると、正直しんどいこともあるかもしれません。
ただ、深刻さが増してしまい、モヤモヤした状態から抜け出すために、自暴自棄になったり、家出や不倫、アルコール依存、離婚、退職など衝動的だったり大それた行動に出るのは違います。自分に待ったをかけましょう。

アメリカの心理学者ダニエル・レビンソンによれば80%の人がこの中年クライシスを経験するとされています。
ほとんどの人がなるんです。
そして、どうしたって避けられないものは避けられません。
老化は治療できるものでなければ受け入れるしかありませんし、親や子、パートナーなど自分以外が関係することはコントロールできません。
HSPや中年クライシスという言葉がない時代の先輩達も、自分なりに乗り越えてきてるのです。

HSPなりの対処法

ポジティブな側面と対処法は、マインドマップにも載せています。
その対処法の中で、SNSから離れたり、自分を受け入れるということは、現実的に分かりやすいかと思います。外部からの影響を受けたり、他人との比較したりせず、自分の力量や向き不向きが分かる頃ということを活かして自分に集中するということがひとつ重要なことです。

そして、HSPならではの部分で強みがあります。
よく笑ったり、瞑想をしたり、感謝をしたりということが挙げられていますが、この辺りの感性の強さがHSPにはあります。

良いものを観たり手にしたときに人一倍感動を覚えたり、人の行動の背景まで意識して深い感謝ができたり、HSPの繊細さを活かして幸せを人一倍感じることができます。

そしてここからは私個人的に感じるところですが、中高年期からだんだん、人の感性というのは近づいて均されてくるのかなと思います。
歳を重ねて、経験と知識を得て共通した考え方が生まれることもありますし、様々な人と出会い、分かち合うことで、自分にはない意見や感覚も理解するようになることはもちろん大きいです。
しかし、HSPでない非繊細さんもこのような中年クライシスなどの苦難を超えて、些細なことで幸せを感じたりするようになったり自分を見つめ直すことで、感性も寄ってくるのではないかなと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんを見ると、やんちゃな人ももちろんいますが、おだやかで寛容な人が多く、自然に優しいイメージがありませんか。極端な例ですが、仕事も一段落してフラットな状態に置いたときに、そんなシニア世代の寄ってきた感性が際立つのかもしれません。

HSPの人が辛さを感じたりするのは、イケイケの世代中心の社会の中で、より前に向かっていく力の強い人を基準にして合わせようとするからだと思います。(もちろんその中でもHSPの活躍の場は大いにあるわけですが)

未来にはHSPの差はそんなに気にならなくなると考えれば、気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。
中年クライシスに直面している場合も、未来をあまり不安に感じることなく、目の前の幸せを十分に噛み締めて、自分に集中できれば、HSPであっても誰でも乗り越えることができるのではないかと思います。


尚、中年クライシスについて詳しいことやマインドマップはこちらのページでまとめています。

参考になれば幸いです。

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