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わたし。

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「わたし」というお話。 日記ではない。「わたし」のことをとりとめもなく、まとまりもなく。
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#詩

79. わたし、どこにも行けない。

79. わたし、どこにも行けない。

自己アピールができないのは
役者として致命的
喋れないわたしは今日も
にこ にこ にこ。

待ってるだけじゃ
どこにも行けない。

羽のように軽く
飛び回れる人ならともかく
今のわたしは石のよう。

海に投げ込まれたなら
ぶくぶくぶくと沈んでしまうわ。

待ってるだけじゃ
どこにも行けない。

石のように重い
わたしをわざわざ
引いてくれる人もない。

若さという免罪符も
そろそろ底をつき
キラキ

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75. わたし、笑顔で武装。

75. わたし、笑顔で武装。

癒やされました、と
言ってもらえることがある。

2度目だった。
それも、所謂、デート、というものをした後に言われた言葉だった。

お硬いわたしがいけないのか。

わたし、とことん、恋愛には向いてないと思う。

それは鎧だよ。
笑顔で装ってるの。演じてるのよ。
本当は、気を遣ってへとへとだよ。

それが仮に本心ならば
あなたばかり癒やされて、ずるいと思う。
わたしはあなたの何なの?

わたしそんな

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73. わたしと夏。

73. わたしと夏。

夏が来た。
もくもくの入道雲。麦わら帽子。
強い日差しに目を細めながら。
ひんやりと喉をうるおして、賑やかに走り抜けていく
透明サイダー。

カランコロン。
そう響くのは、ラムネのビー玉か、下駄の音か。
半分こして食べた、チューチューアイス。

1時間に1本の電車に乗るために
全力で走った、駅までの田舎道。制服。

高校生の頃のわたしは、毎日何に悩んで、何を考えて
四角い教室で、黒板を見つめていた

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68. 熱帯魚みたい、わたし。

68. 熱帯魚みたい、わたし。

やる気曲線は乱高下を繰り返す。
あの時の気持ちはどこへやら
だからわたしという人間は信用できない。

散らかった部屋のベッドの上で過ごす休日。
なのに疲れはいっそう体を押しつぶしていくよう。

季節外れの雪で
エアコンをつけっぱなしにしていた。

あぁ、きっと
こんなにもやる気が出ないのは
酸欠だからだ。

そう思いたち、窓を開ける。

湿った冷たい空気が気持ちよくて
やっぱりわたし、生ぬるい温度

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57. わたしの声はかすかすだけど

57. わたしの声はかすかすだけど

本日は盛大にどしゃぶりなり けれど
雨の日はレインブーツがはけるから好き
こんな日に外に出るきっかけをくれてありがとう 選挙

風邪をひいて声はかすかす けれど
気分はゴムまりのように はねる はねる きっと
いつもの掃除さえ そんな気分でやれば 映画の主人公
チム・チム・チェリーの煙突そうじ
雨傘で空をとんで 雨に唄うの

ねぇ あなた、楽しさという光源になる気はあるの?
わたしたち たった2人

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54.わたし 迷々 ひつじ

54.わたし 迷々 ひつじ

迷々 ひつじ
メエ ひつじ

迷い 迷って 何処へ行く

迷々 ひつじ
メエ ひつじ

メエ メエ 泣いては何処へ行く

明日が来なければいいのに、と、ふと、思う。

誰かが言った

自分なんて、探すものじゃないよって。
そんなもの探したってどうせ見つからないんだからって。

迷々 ひつじ

でも聞いて

わたしらしくいられる時と
わたしらしくいられない時とがあるのよ

でも、「わたしらしく」なん

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