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73. わたしと夏。
夏が来た。
もくもくの入道雲。麦わら帽子。
強い日差しに目を細めながら。
ひんやりと喉をうるおして、賑やかに走り抜けていく
透明サイダー。
カランコロン。
そう響くのは、ラムネのビー玉か、下駄の音か。
半分こして食べた、チューチューアイス。
1時間に1本の電車に乗るために
全力で走った、駅までの田舎道。制服。
高校生の頃のわたしは、毎日何に悩んで、何を考えて
四角い教室で、黒板を見つめていたんだっけ。
窓から見える青空と入道雲を見ないようにしながら。
もう少し、もう少し。
もう少しで向日葵は一斉に花開き、蝉が歌い出すから。
だからわたし、もう一度
透明で、風のようにどこまでも走っていけた
あの日々のように
この夏を超えていけますように。
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