54.わたし 迷々 ひつじ

迷々 ひつじ
メエ ひつじ

迷い 迷って 何処へ行く

迷々 ひつじ
メエ ひつじ

メエ メエ 泣いては何処へ行く

明日が来なければいいのに、と、ふと、思う。

誰かが言った

自分なんて、探すものじゃないよって。
そんなもの探したってどうせ見つからないんだからって。

迷々　ひつじ

でも聞いて

わたしらしくいられる時と
わたしらしくいられない時とがあるのよ

でも、「わたしらしく」なんて、誰が決めたのかと言われたら
それは分からないけれど
もしかしたら
黙り口を閉ざしている方が 「わたしらしい」のかもだけど

でも わたし、本当は笑いたいの
怒ってるわたしは、本当は嫌で、
そういう時間のわたしが、わたしはとても嫌いで、辛くて

だから、ずっと夜にいられたらなって、ふと、思うの

まるで こどもみたい
でもとても正直な気持ち
言えてよかったわ　なんて　ちょっとだけ　ほっとしてるわたしがいます。 


わたし、大人になりきれてない大人だから
だから本当はまだ、"そこ"にあるには、とてもとても未熟なのです

迷々　ひつじ　 メエ　ひつじ

モラトリアムの森は一体いつまで
わたしを抱えて迷わすかしら
いつまでその名に縋れるかしら　もう　
本当はそんなとこ、いられる場所じゃないのかもだけど

ねぇ　ねぇ　ひつじ　ねぇ　ひつじ

わたしはひつじ

メエ　メエ　メエー

迷い 迷って 何処へ行く