なぜWebやIT業界の人は電話をしたがらないのか。
こんにちは、ささがねです。
だいぶ久しぶりのnoteになりました。
いろいろな要因があって、なんとか忙しくさせていただいております。
多方面の皆様に、感謝です。
さてこれを読んでいる方の中には、ホームページを発注する側の方も多くいらっしゃるかと思います。例えばホームページを制作しているときに、こんなことを感じたことはないでしょうか?
なんでWebやITの人たちは電話に出たがらず「メールで」と言うのだろうか?
殊にWeb制作会社やIT系の特に技術者の方は、あまり電話で何かを済ますようなことをすることが少ない傾向にあります(もちろんみんながみんなという訳ではありませんが)。
電話なら10秒もかからない内容でも、いちいち「メールをしてください」と言われた経験ありませんか?
こういった経験が「WebやIT系の人は電話が苦手もしくは嫌い」というフィルタをかけてしまっているかとワタシは感じます。
しかしこれには結構重要な理由がありまして、今日はそれについてしっかりと説明(言い訳ではなく)をしたいと思います。
技術者の頭には常に「ログ」という考え方がある
ワタシも技術者の端くれではありますが、WebやITに従事する技術者の人たちは、常に「ログ」という考え方を持ちながら日々仕事をしています。
ログというのは「記録」という意味で、システム開発はもちろん、パソコンの電源を入れたときの日時、アプリケーションを立ち上げたときの日時、ファイルを編集して保存したときの日時など、一つ一つの挙動に記録をつけます。これは情報処理の世界では当たり前のことで、「いつ、誰が、どこから、どこへ、何の処理をしたか」という記録をすべて残します。
これがないと、もしシステム障害などが発生したとき、そのタイミングをログで追うことで原因を突き止めることができます。
またこのログというのは作成されたら人の手で加工することはできません。ですからデータを作った日時というのは人が勝手に変えることができないんですね。
つまり技術者は一つ一つの行動に対して常に「ログ」を取りながら、日々暮らしている訳です。
口頭では記録が残らない
人間の脳というのは、まあ上手くできていまして、覚える能力もあれば忘れる能力もあります。都合の良いことだけ覚えることができるという、なんとも良くできた生物ですね。
つまり何か口頭で(電話などで)伝えても、その日時を正確に記憶することは、よほどの能力がない限り不可能です。その時覚えていても、次の日になったらだんだん曖昧になってきます。それが人間です。
もちろん電話での指示の場合、音声記録などをすればいいのですが、常日頃そんなことを考えながら仕事をする人はほんのひと握りです。通話記録は終えても内容まで正確には覚えていないものなのです。
お互いを守るためにメールでログを残す
特にWebやIT業界というのは「言った、言わない」でトラブルになるケースが多く見られます。依頼者は「ここをサクッと直しておいてよ」という程度に指示を入れますが、内容によってはシステムや設計を変える必要があることもよくあります。
その旨を先方に口頭で伝えて「ああ、そう、分かった」とだけ返事をもらい、いざその必要が出てきた時に「そんなの聞いてないよ、早くやってよ」と言われることもよくあります。
その時に必要なのは、そういったやり取りをした「ログ=記録」です。
そしてその記録を取るには「メール」が動かぬ証拠になります。
メールの送受信日時は変えることができませんから、相手がどんなに「そんなこと言ってない」と主張してもメールに記録があれば嘘をついていることが証明されます。
これは別に技術者を守ることではなく、依頼者も守ることができます。
ビジネスでもそうですが、だいたいトラブルになるのは「言った、言わない」の水掛け論です。
だからこそ技術者はどんな些細なことでも、メールなどでやり取りをすることを第一に考えるのです。
今の世の中は「ログ」で溢れている
こんな事情で、WebやITの技術者は電話よりもメールをコミュニケーションツールとして好むのです。
ちょっとのことくらいだから電話でササっとすませたい、という気持ちもよくわかりますし、技術者のみんながみんな電話が嫌いなわけでもないこと、これだけは分かっていただければと思います。
またこの世の中、インターネットが電気ガス水道と並ぶインフラとなり、毎日の生活に欠かせないものになりました。
LINEなどのアプリ、チャットワークやSlackなどのコミュニケーションツールも、すべてログがあり、それを活用しています。
「言った、言わない」のトラブルを防ぐためにも、ログを残すことを意識していただければと思います。
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