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ティール組織(1)

先日書いた「ティール組織」、やっとこさ購入したので読んでみている。届いた瞬間に「分厚!」と思うくらいの厚みであった。軽く辞書のようである。カバーの色は青緑で、感覚的にクールな、好きな色だなと思う。どうしてこのような色かというのは上のnoteでも書いたが、ティール(進化型)を示す色なのだそうだ。本書では人類の組織の発達段階を色で示している。

この手の本では、いくつか具体例となる会社が登場するが、ここまで読み進めた段階で「本当にこんなやり方をしている会社があるのか…?」と思うくらいである。たとえば、こんな感じだ。

(FAVIという会社において)スタッフ機能はほとんどなくなってしまった。人事部、企画部、スケジュール管理部、技術部、製造用IT部、購買部といった部門はすべて閉鎖された。こうした機能は各チームの業務として引き継がれた。つまり採用、購買、企画、スケジュール管理は各チームの仕事になったのである。                     ― 本書p.124より

大きな組織のとある一部分、あるいは従業員数がとても少ない企業ならば、そうせざるを得ないこともあるだろう。しかし、FAVIという、フランスの金属加工会社は従業員数が500人程度いるのである。その規模の会社が行っていることとしては、ちょっと信じがたい。各チームに裁量がかなりの割合で任されているのである。結構重大なトラブルの対応にも各チームが自発的に対応し、その分、別の日に休みを取るなどしているそうだ。

同社に改革をもたらしたゾブリストCEOは、タイムカード、生産ノルマを撤廃した。その様子を見た前経営陣は仰天し、破滅への道だとか生産性が崩壊するとか言っていたらしい。ゾブリストもさすがに心配になって、上記の管理システムを取っ払ってからの1週間は、さすがに生産性の数値を毎日チェックしたそうだ。しかし、生産性は下がっておらず、むしろ向上していた。従業員は仕事に責任感を抱き、仕事をきちんと仕上げることに誇りを持つようになったという。

ここまで読んでいると、さすがに上手くいきすぎじゃないかとも思うし、人間が性善説に基づいて行動することを信じたやり方ではある。しかし、やってみた結果がこれなのである。読み進めていくなかで、課題となるような記述も出てくるだと思うが、世界にはこうやって組織を作っているところもあるわけで、同じ人間ならできないことはないはずである。

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