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あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか

最近読んだ本より。また、人に薦められて読んだ本なのだが、コンサルティングや広告など、特に考えることを考えることを生業としてきた作者なので、非常に実践的な内容だった。今は、独立されて各社のコンサルティング業務を行っているほか、研修の講師も務めているそうだ。

内容自体は、前半が感銘を受けた。特に考えることについてだ。

人が考えているかどうかを決めるのは、その人が書いているかどうかである。(中略)本当に何かを考えたときには、そのプロセスや最終的なアウトプットについて何かしら必ず書いているはずである。逆に言うと、それがない限り「考えていた」とは言えないのである。

いくら頭の中で考えていたとしても、それが外に出てこなければ、それは考えたとは言えない。たまに書かなくても考えられる天才がいるのだが、それは限られたごく一握りの存在。つまり、書きながら考えるしかないと作者は言っている。

頭の中にあることはいずれ消えていくし、それがメモか何かで残っていなければ、永遠に思い出すこともないだろう。紙とペンと取り、実際に書くという行為そのものが考えることだと自覚してから、今まで以上に書くことを意識するようになった。

でも、思えば学校の勉強だってそうだったではないか。作者は本文中で東大生の頭の良さは記憶力(問題の解法を暗記することも含めて)だといっているが、それだって繰り返し書くことによって身に付けたことだ。試験問題を解くときはあれだけ書いてきたのに、いざ社会に出て「考える」ことを目の前にした時、書かないで考えているケースがあまりにも多くなってしまったのだろう。書かないのは「楽」なのだ。人間は楽をしたい方向に動いてしまう生き物である。書くことはそれなりにしんどい。

生ぬるさに「喝!」を入れてもらえる内容である。しっかり章立てしてあるのも特徴で、前半だけでも一読してみるとよいと思う。

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