見出し画像

体験と教育

いくら口で説明しても伝わらないことはよくある。でも、体験してみればよくわかる。百聞は一見に如かずというが、言って聞かせるより実際にやってみなはれ、ということだろう。

たとえば魚を食べることに対して「命を頂いている」という感覚は、普通だと持ちにくい。スーパーに並んでいる、数々の魚。刺身、切り身、干物などなど。あれだけしか見たことがない子どもは、魚がどのように泳いでいるかをわかるはずもない。「魚は〇〇のような形で」「それを捌いてこういう形になっている」と説明しても今一つピンと来ないかもしれない。

だから、釣りをしてその場で捌いて食べる。そんな体験ができると、命を頂くという感覚がわかるだろう。捌くことはさすがに自分ではできないだろうが、さっきまで目の前でビチビチとしていた魚が、ものの数分で調理されて目の前に出てきたら…、否が応でも実感せざるを得ない。こういう経験をしておくと、あとでスーパーなどに行ったとしても「あの時、釣りをした魚がどうだったか、思い出してごらん」というだけでよくなる(1回の体験で全てを記憶できないかもしれないが)。それくらい体験の価値は大きい。

勉強というのは机上でするものだけではない。たとえば料理は科学的な側面もあるし、城や古い町並みを観光することは歴史や地理の勉強になる。いかに自分の体験として刷り込むかによって、勉強は生きたものになると思う。そういう体験ができる機会があれば、積極的に利用したいものだ。遊んでいるつもりが学んでいるのが、理想的な状態だなと思っている。

よろしければサポートをお願い致します。頂いたサポートは新しいことを生み出すための活動に使用させていただきます。