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ドの位置もわからなかったもうすぐバイエル終了の中年おじさんが、初めての発表会でソロ演奏した感想 〜伝えたいのは生き様です〜

今回は近所のピアノ教室主催で行われた発表会に、お恥ずかしながら40代前半の立派なおじさんである私が、子供達に混じってソロ演奏で参加した話をお伝えしようと思います。

スローガン


「1年に一度じゃない、一生に一度だ」


何事にも目標を立てることが大切だということで、発表会参加をお引き受けするにあたって何かスローガンを立てることにしました。ちょうどその頃、ラグビーW杯中でして、お察しの通り「にわかラグビーファン」の私はラグビー日本代表の検討に背中を押されるように、いやスクラムで押し込まれるかのように参加したこともあって、このスローガンとなりました。

年に一度の発表会でも、今のピアノの実力で迎える発表会は今回だけ、一生に一度の発表会です。

スペック

3年前
ピアノ教室に通い始める前までは、鍵盤の「ド」がどこなのかもわからないレベル。ねこふんじゃったすら弾けませんでした。

現在
3年間ピアノ教室に通ってもうすぐバイエル卒業見込み。現在103番練習中(3年でもうすぐバイエル卒業は早いのか?遅いのか?)。あと、大人のためのピアノ曲集(ポピュラー音楽編)も同時進行。今回の楽曲はこちらから「戦場のメリークリスマス」と「イエスタデイワンスモア」に決定。

練習頻度は月に4回のピアノ教室に通い。二人の我が子と一緒に通って3人で2時間程度のレッスン。自宅練習はやるときとやらない時のムラが激しい。最初は、子供の手本となるべく毎日練習を自分に課していたが、時が経つにつれてその信念もあやふやとなり、気が向いたらピアノに座る程度。週に3〜4時間座るくらいがアベレージと言ったところでしょうか。

音楽歴

学生時代の音楽の成績は3〜4を行ったり来たり(5段階中)。
中学以降のクラス対抗合唱コンクールなどでは、ほとばしる思春期により「めんどくせー」とか言って斜に構える中二な男の子。クラスの女子からの評判悪し。大学では友達に誘われてアコースティックギターを始めるも、例によってFコードの壁を超えられずに2週間で挫折。指先が痛い思い出しかない。

あと、生涯で身近な音楽活動といえばカラオケの一択。カラオケボックスから、女性の方がカウンター越しとかお隣に座ってお話をしてくださるところまで、様々なステージで歌声を披露してきました。音程とか気にするタイプではなく、勢いで勝負するタイプ。前へ前への明治大学ラグビー部な感じです。バラードは音痴が如実に出て皆さんに気を遣わせるのでNGとさせていただいております。

簡単に言って、3年前までカラオケ以外ほとんど音楽活動に接してこない人生を送って参りました。

きっかけ

そんな自分が何故ピアノ教室にって思われる方もいらっしゃるかと。どうせ美人の先生目当てなんでしょっという声がどこからともなく聞こえるとか聞こえないとか。

残念ながら(何がだ?)先生は妻の知り合いでして、そんな自陣22mラインからドロップゴールを狙うような、そんなリスク高すぎ高杉くんなことはもっぱらごめんでして(リスクの高い高くないに関わらず、平和な日常のためにそっち方面の話はごめんこうむりたいところですが)、これもまた偶然というか、巡り巡って今の先生に習っている感じです。

っと言うのも、それまで今一緒に通っている我が娘達が別のピアノ教室に通っていました。いつも妻が送り迎えをしていたのですが、3年前に第4子の妊娠により送り迎えができなくなってしましって、近所の妻も自分も知っている、子供達が歩いて通える教室に変更しようということになりました。

そんで、たまたま自分が連れて行ったところ、お父さんもどうですか?って話になりました。リタイア生活を前に何か音楽に触れる生活がしたいと思っていたのと、全然ピアノを練習しない娘達に、妻がいつも練習するようにガミガミ、もとい、優しくうながすように言っている姿を見るのがちょっぴりストレスだったこともあって、自分が習ってお手本になっちゃるっという男気あふれる想いから、ピアノを習うことを決めたのでした。

まあ、今では3人そろって「練習しなさい」と優しくうながされるようになっただけですけどね。

発表会に出るか出ないか、それが問題だ

前置きが長くなりました。

そもそもなんで発表会に出ることになったんだっていう話ですが、ある日、練習が始まる前に「3ヶ月後に発表会があります」っと先生から話がありました。ま、子供が出ればいいでしょって思っていたのですが、どうやら先生は自分にも出て欲しい様子。

いやいやいやいやと。教室に通っている子は子供ばかりで、そんな所にこんなおじさんが出たらあかんやろと。しかも絶賛バイエル中でっせと。そんな感じのイメージをお伝えしたのですが、

先生が言うには「そこがいい」らしい。

小さい頃に習っていてちゃんと弾けるお母さんやお父さんが、連弾とかで出たりするケースは多いんだけど、自分みたいなケースはあんまりないんだとのこと。しかもソロ演奏となるとなおさら。でも、音楽は弾ける弾けないとか関係なく、みんなのためにあるんですと。それを自分には表現して欲しいと言う話でした。

いや、そうでしょう。確かにこの歳で、そしてこの腕前でソロ弾く人いないでしょう。さすがに今の状態で発表会に出るのはハードル高すぎ高杉くんですよと。

でも、確かに自分もピアノ教室に通い始めて、(気が向いたらくらいの感じだけど)ピアノを弾くことが日常になって3年間。今まで意識してこなかったけど、けっこう生活に潤いみたいなものが出ているなぁって思ったのは確かなんです。

ちょっとした家にいる時間にスマホとか見るでもなく、かと言ってスポーツとかするのとは違う感じで、ピアノの前に座って、いっこうに動かない指と格闘する時間。そして難しかった部分が弾けたときの「おっ」って感じ。

そんな感じを伝えられたらいいのね。って言う風に思い直しまして、お恥ずかしながら発表会に参加することをお引き受けしたのでした。

リハーサル日

それで、本番2週間前にリハーサルがございまして、実はここで激しく発表会に出ることを後悔します。

まず、人前で弾こうとするとこんなにも弾けないものかと言う、自分のふがいなさ。いやーほんと全然弾けなかった。ちょっとしたパニックに陥った。

私自身は、人前で話すのは得意な方で、数百人とかの前でも全然話すことができるのですが、ピアノは全然違いました。
指が震えるわ、どこ弾いているのかわからなくなるわ、おまけにペダルを踏み間違えるわで、それはもうひどい状態でした。手汗がひどいし、ワキ汗も出てくるしで、自律神経がどうにかなってました。

ばっちり弾く子供達がうらやましったらありゃしない。

あと、そんな状態なのもあって、自分がこの発表会に出てもいいのかしら?っていうやっぱり出てくる羞恥心。
未就学児から大きい子でも高校生くらいまでの中に、私40代のおじさんが一人入った形でして、もう絶対にういてるんですよこれ。

しかも小学校4年生くらいの子で、既に「エリーゼのために」とかバンバン弾いているからさー、いやーお上手。自分はワキ汗なのに。

そこで思ったんですよ。これはテクニックだの、表現力だの言ってる場合ちゃうなと、やはり見せるべきは、自分の生き様しかないなと。こんな自分でも前に出ていいし、ピアノって楽しいんだよって身体で表現するしかないな。っと覚悟しました。

で、どうやって生き様を表現しようかなって思った時に、これはもう笑顔しかないっと言う思いに至ったのでした(既に気持ちがピアノを弾くことから離れている、、、)。

例えどんなに場違いでも、どんなに失敗しても、下を向くことなく常に前へ前へ。そして楽しそうでいること。「笑わない男」がブレイブブロッサムズにいるのなら、自分は常に笑顔の男でいようと。

そう思ったら、なんだか気持ちも楽になって、ワキ汗も少しひいてくるのでした。

本番当日

リハーサルの失敗でお尻に火がついたので、それから2週間できる限り練習しました。なので本番当日は、もう既に諦めの境地。諦観ってこういう気持ちなんだねって感じです。人智を尽くして天命を待つ感じ。

とは言え、会場につくといよいよ緊張感が高まってきます。いかに諦めの境地といえど、さすがにこれは失敗できないぞ感がグイグイくるのでした。

喋りだったらなんぼでもカバーできるけど、いかんせんピアノだと何もできないし、いきなり話し始めるわけにもいかないし。どんな演奏だろうとピアノで解決するしかない状況。

比べるのも失礼な話なんですが、演奏家の方々はこんな状況で最高のパフォーマンスを披露しないといけないのね、なんて改めて凄さを思ったりなんかしてました。

で、いよいよ自分の番。

演奏自体は、一応全部弾いたなって感じ。

つっかえたり、間違えたり、やっぱりペダル踏み間違えたりと、お世辞にもうまいとは言えなかったけど、ま、当初の目標であった生き様はみせれたのかと。一応、終始笑顔をたやさないで、楽しそうでいるっていう目標は達成できたかな。

いただいた子供達の感想にもそんなコメントがあって嬉しかった。

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感想

感想としてはやってよかったなっと。まったく練習通りには弾けなかったけど、あんなに緊張する場面って最近なかったし、発表会に向けて色々と考えることがあって面白かった。変な度胸もついた。

何より驚いたのは、お子さんのピアノの発表会を見に来ていた初対面の大人の方(お母さんやお父さん達、そしておじいちゃんおばあちゃん達)から、意外なくらいに声をかけてもらったことでしょうか?きっとあれは同情とかじゃない何かだったはずだと思いたい。

「一年に一度じゃない、一生に一度だ」のピアノ発表会はこうして幕が降りたのでした。

これからも細々とでもいいのでピアノを続けていけたらいいなっと思った発表会でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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