見出し画像

Retail AI のスマートショッピングカートでのデータ分析について

初めまして。 Retail AI でデータサイエンティストをしている塩田と申します。

前の エントリーでは弊社の製品である スマートショッピングカート についての説明がありました。今回は Retail AI が開発しているスマートショッピングカートの詳しい紹介と共に、 TRIAL の現場でどのようにデータを利活用しているのか詳しく書いていきたいと思います!

スマートショッピングカート

みなさん、スーパーマーケットで購入点数が多い時や、重い商品を購入する時などには、カゴではなくカートを使いますよね。ざっくり言うと、そのカートにレジ(お会計できる)機能等を搭載させたものが スマートショッピングカートです。

レジを搭載させたと言うとゴツくて重いものを想像されるかも知れませんが、実際載っているのはタブレットとバーコードリーダーです。

画像1

こちらの記事でもお話ししましたが、スマートショッピングカートでのお買い物の流れは以下の 3ステップ です。

1. プリペイドカードを使いスマートショッピングカートへログイン
2. 購入したい商品のバーコードをリーダーにかざしてスキャンし、商品をカゴに入れる
3. お買い物が終わったら専用の決済ゲートを通過(この時プリペイドカードの残高から自動で決済される)

画像2

非常にシンプルですね。スマートショッピングカートのユーザーはご高齢のお客様も多く、その使い易さから支持をいただいているのかと思います。

個人的には、最近スーパーやコンビニに置いてあるセルフレジを使った時でさえ、自分のペースで買い物ができ、店員との コミュニケーションコストが減る ことに驚きましたがスマートショッピングカートはそれを遥かに上回るものでした。
さらに、 カゴに入っている商品合計金額がお買い物をしているその場で分かる ことはとても便利な機能と思い、衝撃を受けた記憶があります。

お客様の導線も通常のカートを使用する時と比べると劇的に変わっています。通常のカートを使用する場合ですと

1. 来店
2. 商品をカゴに入れる
3. レジでスタッフによる商品スキャン & お会計
4. お会計済みの商品をレジ袋に入れ替える
5. 退店

このような流れになると思います。

画像3

これらの流れはスーパーで買い物をしたことがある人なら当たり前のことですよね。しかし、スマートショッピングカートを使うことによって 3, 4 の工程を省くことができるようになります!

昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、出来るだけ他人との接触を避けたいというニーズが新しく見えてきました。
日々の食料品を買うことは生活を送る上で必須なので、 スマートショッピングカートが実現する“非接触” ”非対面”のお買物への、お客様の支持は高いと考えられます。

画像4

マイバッグ(マイカゴ)利用の場合、決済完了後にスマートショッピングカートを駐車場まで持ち出し、購入商品をバッグ(カゴ)ごと車に積み込むことも可能です。つまり棚から取った商品を一度も詰め替えることなく持ち帰ることができる。
これは、お客様にとって最適化されたお買い物体験といえるのではないでしょうか。

スマートショッピングカートから得られるデータ

■ お客様の購買履歴

今まで小売業側が得られるデータは、お客様がレジを通過した時に得られる POS データが主なものでした。POS とは「Point of Sale」のことで、商品の情報(商品名, 価格, 数量, 購入日時など)です。多くの小売業はこの POS データを分析して在庫管理や販促に使用しています。

一方、会員カードを兼ねるプリペイドカードを決済に利用するスマートショッピングカートでは、ID-POSデータを得ることができます。ID-POS は、POS データにお客様の会員情報が付与されたものです。

これにより、「何がいくつ買われたか?」だけでなく
20代の男性のお客様が「一緒に買われている商品は何か?」「商品Aの後に商品Bを買われている」
など、顧客属性ごとの購買動向をより深く理解することが可能になります。

▶︎ POS データ

画像5

▶︎ ID-POS データ

画像6

お客様へのアプローチ

スマートショッピングカートから得られたデータは、お客様側と小売・メーカー側の双方で活用することができます。今回はお客様側のデータ活用について書いていきます。

小売業が販促活動としてお客様へアプローチする方法はチラシ、DM、さらには SNS、アプリ などがあります。キャンペーンに敏感なお客様はキャンペーンの内容を見てご来店され、目的の商品を購入していきます。
さらに、お買い物途中のお客様は店内のポップやポスターなどから情報を得ています。中にはチラシ片手にいらっしゃる方もいますね。

もちろんそれでも良いのですが、より効率の良い方法がありますよね?

画像7

そう、スマートショッピングカートのタブレットです!

タブレットは お客様の目に付く高さで常時起動しています
これを有効活用しない手はないですね。

スマートショッピングカートは載せられているタブレットを通し、今までは得ることが出来なかった お買い物途中のお客様との “接点” を持つことができたと考えています。

さて、お買い物途中のお客様の情報はどのようなものでしょうか?
お客様の属性情報や今までの購買履歴データは先ほど説明した通り、ID-POS データとして手に入りますよね。もっと使えるデータがあります。

それは いま何をカゴに入れたか? の情報です。
先ほどの例を再び出すと、こんな感じになります。

画像8

特に、いま何をカゴに入れたか? といった情報は商品をレコメンドする時など非常に利用価値があります。

「レコメンド」とはタブレットの画面を通してお客様に商品をオススメする機能のことを指します。
冒頭でスマートショッピングカートとは、普通のカートに決済機能等がついたものと紹介しましたが、レコメンドなどのお客様とコミュニケーションする機能も搭載しています。

お客様にとっては 欲しい商品や必要な情報を受け取ること ができますし、エンジニア的視点に立つとECサイトから得られるような情報を扱えます。
弊社はこれらのデータを分析し、お客様の買い物体験を向上させるべく多くの施策を打っています。

次回のエントリではスマートショッピングカートのレコメンド機能について公開します!

ここまで拙文を読んでいただきありがとうございました。
Retail AI では ID-POS データに加え、お客様の属性情報などを始めとしたリアル店舗での購買行動に関わるデータを分析し、分析から得られた価値をお客様に還元しています。

今回はお客様との 接点 であるスマートショッピングカートについての紹介を書かせていただきました。
引き続き、データ分析周りについて発信していきますので、興味を持っていただけましたらスキフォローお願いします 👏👏