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【マンガ感想文】スパイラル~推理の絆~【少年ガンガン/城平京・水野英多】

屋上で昼寝をしていた高校一年生の鳴海歩。
教室に戻る途中に騒がしい非常階段を覗いてみると、ある女子高生が転落していた。
転落を目撃した生徒から、歩は殺人の疑いをかけられる。


ほんタメヨビノリたくみさんが「色々な推理マンガを表にして授業してみた」回で紹介していた、スパイラル~推理の絆~ を一気読みしました。



警部補で歩の義姉、鳴海まどか。
学長さえ怯えると噂の「情報通の新聞部部長」唯崎ひよのらとともに、歩は、「ブレードチルドレン(呪われた子ども)の謎を追う」という言葉を残して消えた、名探偵と呼ばれた兄・鳴海清隆を追う。

という物語です。

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2000年頃から、月間少年ガンガンで連載されていたということで、絵柄やギャグのノリがちょっと合わなそう、と思う方も多いでしょう。

しかし、私は同雑誌で連載されていた「南国少年パプワくん」「魔法陣グルグル」も楽しんでいた世代であれば、違和感を感じないまま読了出来る作品ですので、読まず嫌いにならず是非読了して欲しいと思います。

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読了後に調べたアマゾンレビューでは、☆5から☆1まで評価が分かれている作品なのですが、その理由もなんとなく分かります。

この作品は、初めは「一つの謎を解くごとに少しずつ真相に近づいていく」と推理物という形で進んでいきますが、途中から(真相に近づき始めてから)サスペンス物に変化します。

ですので、初めからの読者で、この展開についていけない・納得いかない方がいらっしゃるのではないでしょうか。

私としては、この前半・後半で、物語の主題が変化したところは、鬼平犯科帳に雰囲気が似ていると感じましたので、作品全体として結構好みです。


ですので、私としては、絵柄やギャグのノリ・主題の変化などについていけない方だとしても、一気読み後に「読了して無駄だった」とは感じない作品になっていると思います。


ここから下は結構なネタバレを含みますので、お望みで無い方はここで終了をお願いします。








ここからネタバレ含みます。






なぜ、私があまり好まないネタバレを書こうと思ったかといいますと、同じ日に、彼方のアストラというマンガも一気読みしたところに原因があります。



当然詳細は書きませんが、終盤になってからの展開が両作品は似ています。

もちろん、物語の真相のテーマとして扱っているという部分が同じなだけで、詳細は違いますので両作品とも楽しめました。

この作品は簡単にまとめると、なぜか辺境へ飛ばされてしまった学生たちが、故郷へ戻るために様々な困難を乗り越えるという物語ですが、自分たちの中に隠れていた刺客を特定するためのヒントや、その刺客を助けるための行動の伏線が、連載初期から張られているなど、作者の構成がとても上手に思います。

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また、作者の篠原健太さんは、現在週刊少年ジャンプでウィッチウォッチという作品を連載中です。



こちらも、彼方のアストラと同じく、基本はほのぼのギャグでバトル要素もシリアス要素もきっちり描いてあり、学生などとのマンガトークで話題になることも多いと思いますので、そういった点でもおススメです。

この作品は、youtube上のジャンプチャンネル数分間のボイスコミックとして無料で観賞出来ますので、お時間がある方は是非ご覧になってください。

基本出不精でインドア派の私のような人間であれば、半日程度時間が空いた場合には、マンガや小説を一気読みするのは大変有意義な時間の使い方だと思います。


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