一穂ミチ「光のとこにいてね」を読んで
よい。よいよい。
ストーリーにすっごい引き込まれた。
のめりこめた。
「小説読んだーっ!」って気になりました。
青春の爽やかさあり、社会への問いかけあり、ミステリー要素あり。
恋愛小説とも青春小説とも分類しがたい。
でもしっかりと王道の小説。
ノミネート作品の読了9作目。
これこそ本屋大賞めっちゃあると思う!
(毎回言うてる)
果遠の強さ。すごいなー。
こうありたいと思わされる。
特に、瀬々との向き合い方はいいなーって。
あっけらかんとしていて湿っぽくない。
和歌山県串本町。
鮮やかな情景が浮かぶ。特に海と空、水平線。
そしてなにより雨の描写がすっごいリアル。
上手すぎ。俺んとこにも台風きてたんちゃうかな。
ほんとに行ってみたい。
映画化もいいんちゃう?映像も見てみたい。
果遠と結珠はギュスターヴ・ル・グレイのような海は見れたかな。
あと、藤野先生の寛大さ。
「汝、星のごとく」の北原先生といい、「宙ごはん」のやっちゃんといい。
どうしてこんなに優しいん?
僕も、誰かに手を差し伸べることができるような人になりたい。
いや、でもその考えは違うかもしれない。
そうか。
これは「そんな人になりたい」じゃない。
人の性格とかじゃなくて。
そんな状態でい続けたい。
その判断ができるような精神でいたい。
片手を開けておく。
そんな風に考えていたい。
元消防士の水人にもやっぱり感情移入しました。
僕も消防士として、いろんな現場行って思うこともあります。
救急とか特に、社会問題そのものに触れる機会が多くて。
自損、精神疾患、認知、老老介護、ヤングケアラー、虐待、オーバードーズ。
色んな事情あるよね。
全部まともに考えると本当に潰れる。
自分の精神を保つ為にも、ちょっとドライになっちゃうとこある。
人を助けるって仕事。複雑だなー。
出来る範囲で、出来ることをする。
それしかないんかな。
この川上弘美さんとのもすっごいおもろいよー!
虐待をしてるわけじゃないけど、子どもを傷つける親の話。
タイトルの語感の不安定さが結殊と果遠にあってる。
ほんとすごいよかったなー。
読んだ後の満足感がいい。
そう、「満たされた」って表現が近い!
これは書評なんて語るより、ただ読んだらいいよ。
自信を持っておすすめ。
皆さん是非!!
以上
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