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ゴールドカード修行乱立時代。

多頻度顧客は年会費永年無料。

 三井住友カードは2021年に、これまで発行していたカードを統廃合する形で、カードデザインを一新、ナンバーレスカードを発表した。

 この時、Amazon MasterCard ゴールドを保有し、4,000円+税でゴールドカードを持ちつつ、Amazon Prime会員の特典を享受していた私からすれば、年会費無料のカードに降格、Prime会員の特典が剥奪されることから改悪に他ならなかった。

 しかし、ナンバーレスに一新することで、希望も生まれた。三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円以上の利用によって、通常5,000円+税の年会費が永年無料になるという、マイルのような修行要素が発表されたのである。

 私はSBI証券の投資信託をクレカで積み立てられることと相まって、毎月5万円の投信積み立てで年間60万円、差額の40万円さえ決済すれば、年会費永年無料のゴールド(NL)が持てるのではと、邪な考えが脳裏によぎった。

 しかし、現実はそう甘くない。三井住友カードは、カード決済による投信積み立ての利用額は対象外となっていた。純粋に買い物で100万円以上利用するのは、仙人染みた低支出生活を営んでいる身としてはハードルが高いため、ゴールド(NL)の修行は諦めざるを得なかったのである。

ハイステータスカードの利用価値。

 そこで、そもそもゴールドカードを所持していて良かった点を振り返ると、真っ先に思い浮かんだのは空港のカードラウンジ、次に利用限度額、最期に付帯保険である。

 カードラウンジは国際空港のプライオリティ・パスみたく、一日中入り浸って飲み食いし放題と言った快適さではないものの、当日の搭乗券とゴールドカードを提示すれば、一般エリアよりは人が少なく、ソフトドリンク飲み放題と、場所によってはお茶菓子程度は自由につまむことが出来る。成田空港のビール1缶無料、柿ピーつまみ放題はメーカーがアサヒであることを除いて何気に気に入っている。

 対象カードを提示すれば無料だが、そうでない場合は1,500円前後の料金が発生することと、到着時に利用できることを考えると、年会費5,000円相当のカードであれば、毎年2往復程度飛行機を利用する方であればもとが取れている計算となる。ただ、冷静に正規料金を支払って利用したいかと問われれば微妙なサービスである。

 私の旅行好きは、金融資産運用の次くらいの立ち位置なもので、2018年にAmazon MasterCard ゴールドを発行した時は使い潰す気でいたが、2年もしないうちに疫病となり、使った回数は片手で数えられる程度であった。故に、Prime会員の特典が剥奪された今、年会費を支払ってまでゴールドカードを保有する必要性はないという結論に至った。

 利用限度額に関しては、現在のメインカードがJALカードnaviと学生専用カードであり、例え社会人学生であっても限度額が30万円と、apple製品を購入する時期には限度額の半分程度が拘束される状態であり、このような時に入院などの急な大きい出費が重なると正直心もとない。

 限度額を一時的に引き上げれば良いのだろうが、ものぐさな性格からそこまでするなら限度額の大きい別のカードを使おうと思うわけで、そのような際に限度額が100万円以上に設定されているステータスカードは、絶対に決済が通る安心感がある。

 また、ステータスカードは購入した商品に対する付帯保険が年会費無料カードに比べて手厚かったする。

 特にJCBやアメックスは、航空便の出発が4時間以上遅延した際の飲食代や、遅延により乗り継ぎが間に合わなかった際の食事や宿泊代、預けた手荷物が紛失された時や、空港到着後6時間以上待たされた時にやむを得ず購入した生活品や衣類の購入費用を後日、保険金として受け取ることが出来たりと、利用者が知らないだけで、実はLCCユーザーには有り難い保険が付帯していることが多い。

 以前に必要な保険は火災、自動車、生命(掛け捨て)の3つであることは記しているが、例えば自動車を持たない代わりで頻繁にLCCで旅行する方であれば、自動車保険の年間支払額分位を、旅行に対する保険代と割り切り、年会費が万単位の、かつてのSPGアメックスのような高価格帯高付加価値のカードを保有する考え方も、個人的にはアリだと思っている。

どのカードで修行するか。

 さて、ハイステータスカードの利用価値を力説したところで、それらのカードを多頻度で利用(修行)することによって、年会費無料で発行可能なカードがいくつか存在する。

・三井住友カード ゴールド(NL)→年間100万円以上利用

・イオンゴールドカード→インビテーション(年間100万円以上利用)

https://www.aeon.co.jp/card/lineup/

・セゾンゴールドプレミアム→インビテーション(22年7月時点では条件不明だが100万円説が濃厚)

・エポスゴールドカード→インビテーションor年間50万円以上利用or親族に紹介・発行

 この中で圧倒的にハードルが低いのは、エポスゴールドカードでしかも、tsumiki証券の投信積み立てをカード決済した分もカウント対象となるから、毎月5万円の投信積み立てを10ヶ月間継続するだけで達成できてしまう。

 肝心の投資信託の運用手数料が割高であるため、手放しにお勧めは出来ないものの、セゾンバンガードグローバルバランスファンドの運用手数料が0.56%と、解約時に0.1%徴収と考えれば、ロボアドバイザーで1%取られるよりはマシで、しかもゴールドカードが永年無料で手に入る特典が付いている。

 楽天証券と異なり、クレジットの引き落とし後まで換金できない制約があるものの、ゴールドカードのインビテーションが届いてしまえば、積み立てを辞めて、ファンドは現金化してしまえば、実質プラスマイナスゼロで年会費無料のゴールドカードが手に入る可能性がある。

 とはいえ金融商品であるため、値上がりして実質プラスでフィニッシュ出来る場合もあるが、反対に元本が保証されておらず、元本割れして年会費無料以上の損失を被る可能性のある点や、昨今の世界情勢を鑑みて、景気後退局面で後者の可能性が高くなっていることは留意したい。

 そんな訳で、私はエポスカードを申し込んだ。世界全体は長期で見れば右肩上がりで成長することを信じて疑わないため、資産運用自体に抵抗がないのと、優良ファンドとは言い難いもののゴミファンドと言うほど酷くもないのが決め手となった。

 50万円であればポートフォリオの割合は、消費税分にも満たない程度であり、リセッションに伴う含み損を抱えても、プラ転するまで持っていられる程度の余裕資金であることや、口コミによると最短でカード発行から半年程度でインビテーションが届くとの事で、その場合は30万円程度で損切りするにしても軽微な金額でしかないと判断したため、申し込まない理由が見当たらなかった。

 皆様も自分の消費性向に見合ったクレジットカードを利用することで、年会費永年無料でハイステータスカードが持てるかも知れない。私はエポス修行を終える頃にセゾン修行の条件が浮き彫りに成ることを願い、楽天改悪後の10ヶ月はセゾンバンガードを積み立てようと思う。


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