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つながりたい つながれない

震災のときもそうだけど、今のコロナ禍においても、「つながり」ってよく言われるワードな気がします。
リセット®を学んで知ったポリヴェーガル理論という心理学の理論があるのですが、今日はそのポリヴェーガル理論から見たつながりの重要性についてお伝えしたいと思います。

つながれない状況

LINEでやりとりをしているとき、うまく会話が嚙み合わなくてもどかしい思いをすることってありませんか?
はたまた、これはどういう意味だろう…まずいこと言っちゃったかな…とか不安になったりしませんか?
私はしょっちゅうです💦
文字のやりとりって相手の顔が見えないし声も聞こえないから、いまいち相手の気持ちが見えにくいのですよね。

先日、対面で話をしていても悲しい思いをする経験をしました。
横並びで座っていて、色々と語りかけてみたけれど、目が合わない。反応がなかなか返ってこない。
もちろん相手も傷つきがあってのこと、うまく反応を返せない心理状態だったのですが。
で、ふとあとで私は思い出しました。「あーこれがつながりの神経システムがうまくいっていない状況か」と。

つながりの神経システム

ポリヴェーガル理論では、自律神経は交感神経と副交感神経だけではなく、副交感神経にはさらに他者とのつながりを司る腹側迷走神経と、逃げることも闘うこともできないときにフリーズ反応を起こす背側迷走神経がある、と言われています。
前者は例えば喉、耳、目元、口元など、コミュニケーションに関係しています。
これがつながりの神経システムです。

こんな実験があります。
赤ちゃんとお母さんがいて、突然お母さんが無表情になってしまったら、赤ちゃんはどんな反応をするのかという実証実験です。
お母さんが自分に興味がないというのは、赤ちゃんにとっては生命の危機。
なので、生き延びようとするためにまずはつながることを試みます。声をかけたり、笑顔を見せたり。
それでも期待した反応が得られないと、怒りになったりさらにはフリーズしてしまう、といった内容です。
私英語力ゼロですが笑、こちら参考までに☟

これは大人になっても同じです。
相手とうまくつながれないとき、まずは何とかつながろうとして声をかける。
でも返ってこない。目が合わない。
そうなると怒りになったり、「もういいっ!」と逃げてしまう。これが交感神経優位な状態です。
本当の生命の危機で逃げたり闘わないといけない状況ならその反応も大切ですが、やはり人間らしく、まずはつながって解決したいですよね。
つながりの神経システムが優位に働いている範囲内なら、交感神経寄りになっていても、ちゃんとコミュニケーションが取れるんです。

素直な反応を認める そして、つながる

まずは、今の自分の状態を知ることから。
腹が立ってしまったり傷ついてしまったこと自体を、否定しないこと。
それもまた自然な反応で、自分の身を守るために必要な反応なんだって認めてあげましょう。
そこから、つながる方法を考える。
本当に大切でつながりたい相手なら、目線で、声で、表情で、ちゃんと「私はあなたとつながりたい。私はあなたに危害を与えない。」というサインを届ける。
無意識下でそのサインはキャッチされアセスメントされ、お互いが安心安全を感じることができるようになるはずです。

実践はすぐには難しいけれど、つながりの神経システムを知っているだけで、私はなぜうまくいかなかったのか少し冷静に捉えることができるようになりました。
そして先日の悲しい気持ちが腑に落ちて、「アイコンタクトを取ろう。相手にもその大切さを伝えよう。」と思いました。

目が合う、声が聞こえる、表情が見えるという安心感

昨今はマスクで表情が見えにくいですよね。
それで色んな行き違いが起きている場面に遭遇したこともあります。
そう思えばZOOMはアイコンタクトはちょっと取りにくいけど表情が見えるし、clubhouseは声のやりとりだし、流行りものって理にかなっているのだなぁとふと思いました。
リアルでなかなかつながれないからこそ、つながりの神経システムがうまく働く方法を自然とみんなが選んでいて、安心安全を感じることができているのだなぁと。

今の時代でもちゃんと誰かとつながって安心安全を感じられる方法、選択していきたいものです。