菅義偉自民党の歴史的大勝~来たる衆議院総選挙における各党の得票数予測~

 東京都知事選挙以来、約3か月ぶりの、久しぶりのnoteになります。今回はツイッターの方でつぶやいたツイートの内容を再編集し、noteの記事化にして上げようと思います。今回は、もし早期に解散総選挙が行われた場合の現時点での大まかな各党の得票数(得票率)予測となります。今回の記事は、その得票数予測を政治思想の左右に基づいて、検討して行きたいと思います。
 私が何故、政治思想の左右にこだわるかと言うと、やはり有権者の投票行動というのは、政党とそれに基づく政治思想によって、取られていると考えているからです。例えば、今まで自民党を支持していた人が、急に共産党に投票することは、私はごく稀だと考えています。逆に、今まで共産党を支持していた人が、いきなり自民党に投票することは、もっと有り得ないことでしょう。
 投票する政党間の移動は、概ね近い政治思想の政党間によって行われるものだと考えられます。例えば、今まで自民党を支持していた人であれば、次回は日本維新の会に投票することは十分考えられます。対して、今まで共産党を支持していた人は、立憲民主党やれいわ新選組に投票することは十分に考えられます。
 このように、近しい政治思想の政党間での投票移動を踏まえて、来たる解散総選挙の各党の比例得票数を予測しようというのが、今回の記事の趣旨になります。なお、本来的には、与党の自民党と野党第一党の立憲民主党間での投票の移動は行われて然るべきなのですが、私自身の考えは、民主党政権前の00年代においては、自民党と旧民主党の投票の移動は行われていたが、政権交代以降はそうした投票の移動は行われにくくなり、20年代の現代においては、自民党と立憲民主党間の投票の移動は、ほとんど起き得ないことと捉えて、この記事を作成しています。民主党政権の失敗によって、それだけ与野党の壁が高いものになって来たのではないかと、私は考えております。
 なお、各政党の政治思想のポジションについては、以下の図のように捉えています。私は従来的な保守とリベラル(革新)という左右の対立軸だけではなく、国債発行スンナ派(緊縮財政)と国債発行シーヤ派(積極財政)という上下軸も用いて、4分類に分けているところが、特徴的となっています。常時、微調整で各政党の上下左右を多少動かすことはありますが、概ね大きなポジションはこの通りだと考えています。あと、投票行動の移動に関しては、やはり従来型の左右間の移動の方が強いのではないかと、考えるようになりました。それでは、この点を踏まえて、各党の比例票数を予測していきましょう。

日本政党での分類2020年10月地点


1.左派野党の得票数と得票率

 それでは、直近の2回の選挙における、上記の図の左半分に位置する左派野党の得票数と得票率を見て行きましょう。

17年 衆議院選挙
立憲民主党 11,084,890(19.88%)
共産党 4,404,081(7.90%)
社民党 941,324(1.69%)

19年 参議院選挙
立憲民主党 7,917,720(15.81%)
共産党 4,483,411(8.95%)
社民党 1,046,011(2.09%)
れいわ新選組 2,280,252(4.55%)

左派政党得票率合計
17年 衆議院選挙 29.47%
19年 参議院選挙 31.40%

 17年衆議院選挙から19年参議院選挙の間で2%分増えたのは、れいわ新選組の結党効果でしょう。れいわ新選組は、17年衆議院選挙の棄権層からも、れいわ新選組の全得票率の約15%(34.2万票)ほど票を得ています。この点に関しては、以前書いた下記の記事をご参照して下さい。

れいわ新選組に投票した人たちの以前の投票行動は?
https://note.com/researcherm/n/n2799cd5f9254

 対して、野党第一党の立憲民主党は17年衆議院選挙から19年参議院選挙の間で、19.88%→15.81%と、約4%程度得票率を落としています。その移動の内訳は、

共産党 +1.05%
社民党 +0.40%
れいわ新選組 +2.55%

 と大まかに考えられるかと思います。実際には、共産党→れいわ新選組の動きも0.5%~1.0%あると思うので、実際にはもう少し共産党に、17年衆議院選挙では立憲民主党に投票した票が回帰したかと思われます。17年衆議院選挙では立憲民主党、19年参議院選挙では共産党に比例票を投じた全有権者の割合が1~2%程度、存在すると考えられるということです。17年衆議院選挙では立憲民主党、19年参議院選挙ではれいわ新選組に比例票を投じた全有権者の割合も、1~2%程度存在するのは間違いないでしょう。恐らく1%台後半から、2%前後は存在すると思います。細かい数字を取るには、もっと具体的な実地調査が必要なので、この記事では大まかに捉えて頂ければと思います。
 基本的には、左派野党4党で、約30%のリベラル左派票を取り合う形になります。投票率が60%と考えると、1%=約100万票になるので、全6000万票中1800万票の取り合いとなるわけです。共産党450万票、社民党100万票と考えると、残りの1250万票を立憲民主党とれいわ新選組の間で、取り合うことになろうかと思います。(実際は、共産党はもう少し多く500万票近くまで、今回は増やす可能性もあるかもしれません。)
 一応、私の予想としては、立憲民主党1050万票、れいわ新選組200万票といった予想を現時点では行っておきます。立憲民主党は国民民主党の大半と合流したとは言え、1100万票を獲得した前回のような追い風は吹いておらず、れいわ新選組も支持率を下げて、230万票の昨年ほどのフィーバーぶりは感じられないことから、1050万票と200万票に割り振るのが現時点では妥当だと見ています。

2.右派政党の得票数と得票率

 続いて、図の右側に位置している右派5党の予測ですが、まずNHKから国民を守る党は、昨年の参議院選挙でも100万票程度で、しかも退潮傾向にあるので、今回の記事では除いて考えたいと思います。どの程度まで参戦するかは分かりませんが、現状では50万票前後ではないでしょうか。
 それで、残りの右派政党4党で、4200万票、約70%を取り合うことになるわけですが、まず予測が立ちやすいのが公明党で、得票数は700万票前後で、ほぼ間違いないと思います。よって、残りの3500万票を自民党、日本維新の会、国民民主党の3党で分け合うことになります。私の大まかな内訳予測は、

自民党 2500万票
日本維新の会 800万票
国民民主党 200万票

 と考えます。ただ、日本維新の会も、春先ほどは、支持率は上がっておらず、このところの支持率の低下も見られるので、日本維新の会の800万票から、100万~200万票程度は、自民党に移動する可能性もあるのではないでしょうか。となると、いよいよ菅自民党は、2009年の民主党政権交代時の鳩山民主党が叩き出した、29,844,799(42.41%)の驚異的な得票数と得票率に挑むことになります。得票率が上がれば、大台の3000万票も見えて来ます。さすがに、当時の69.22%の比例投票率までは行かないかと思うので、3000万票は厳しいですが、比例得票率42.41%超えは十分有り得る数値ではないかと思います。

3.まとめ

 以上、仮に投票率60%、6000万票だった場合の内訳のまとめです。

自民党 2500万票(41.7%)
立憲民主党 1050万票(17.5%)
日本維新の会 800万票(13.3%)
公明党 700万票(11.7%)
共産党 450万票(7.5%)
国民民主党 200万票(3.3%)
れいわ新選組 200万票(3.3%)
社民党 100万票(1.7%)

 一応、9月24日現時点では、このような得票数と得票率を予測します。早期に解散総選挙を行えば、2009年の民主党に匹敵する、歴史的大勝に菅自民党はなると、菅政権不支持者の私でさえ考えます。菅自民党としては、政権運営でボロが出る前に、一刻も早く解散総選挙を行って、政権基盤を強固なものにすべきだと思います。解散総選挙が伸びて行くほど、比例票も少しずつ他党に散って行くことでしょう。この歴史的大勝が出来る千載一遇のチャンスを菅義偉自民党政権は逃すべきではないと思います。
 以上、総選挙予測の記事をご覧頂きましてありがとうございました。異論反論などございましたら、コメント欄や私のツイッターアカウント(https://twitter.com/mansaku_ikedo)まで述べて頂ければ幸いです。より詳しい獲得議席の記事に関しましては、過去に記した2つの記事もご参照頂ければと思います。

次期衆議院総選挙における各党の比例ブロックでの獲得議席予測~参議院選挙の比例得票数をベースに・東日本編~
https://note.com/researcherm/n/nae51c0e7668f

次期衆議院総選挙における各党の比例ブロックでの獲得議席予測~参議院選挙の比例得票数をベースに・西日本編~
https://note.com/researcherm/n/nc8e0a8efaa8c

 この両記事は昨年の参議院選挙をベースにした予測記事になりますが、参議院選挙ベースでも、自民党の比例議席は、前回の66議席よりも10議席程度伸びると予測しています。さらに自民党の得票数が伸びれば、比例票も15議席、20議席と増えて行くことでしょう。ご要望があれば、菅自民党大勝時ベースの各ブロックの比例議席予測の記事も書いていきたいと思います。
 また、私は政治経済評論家として、Youtubeのネット配信番組等にも出演しておりますので、mansaku.ikedo@gmail.comまで、出演や取材のご依頼を頂ければ有り難い限りです。今後とも、皆さんのご支援のほど、宜しくお願いします。

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