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  毎年日本で上演されている人気のエンターテインメントである「シルク・ドゥ・ソレイユ」。世界各国で期間限定で上演されているが、日本においては約25年前からフジテレビとの共催で日本各地で上演してきており、一度は見た方も多いだろう。

 その後も毎年のように行われ着実な観客動員の増加を示し年間百万人は動員。「ダイハツドラリオン」という名前で上演されていた演目では、日本の5都市で仮設の建物「ビッグトップ」を作り順番に公開していた。

 当時、ホームページを見ると「21カ国から集まったオリンピックアスリート級のアーティストたちが繰り広げる既存のサーカスの枠組みを超えたスーパーエンターテインメントとある。動物は使わないので、小さな子ども向きではないが、逆に大人がはまってしまうレベルの高さが売り。人間の持つ可能性をとことん追求した芸術レベルのショーと言えるだろう。」と書かれていた。

 そんな人気のショー「シルクドゥソレイユ」が見られなくなる?

 実は今年6月にカナダにある運営会社がコロナ禍の影響で経営破綻。その前には劇団員は解雇になってしまっていた。将来の復活を見据えて債権者との協議に入っている。一部、残ったスタッフが再開に向けた対応に当たっているという。その後のニュースでは、一部の国において新たなスポンサーが現れ、公演が再開されているというニュースもあがっており、今後は徐々に元に戻していくのだろう。しかし一旦職を失ったパフォーマーは、それまでは待てないし、雇われる保証もないので、どこか別の場所では働かなくては食べていけない。

 シルクドゥソレイユを調べて見ると、実はすでに4〜5年前には経営が厳しくなっていて、一部団員の解雇なども起きていたことが窺われる。世界で新サーカスを謳う同様の劇団が誕生して競争が厳しくなったことも原因。いやそうした劇団も元々はシルクドゥに影響を受けていて、人材などが流出して新たに作られたところもあるように聞くようだ。

 カナダのケベックにある町の大道芸劇団がいつもまにか世界的な人気になり、その勢いで規模を拡大しすぎたという側面もあるのかも。しかしシルクドゥが切り拓いた、新サーカスのジャンルではいまだにシルクドゥソレイユは別格であると見られている。

 さてこれまでは常設や仮設の大きな劇場で見られたそうした新サーカスがついに香川にやって来る?!場所はあの栗林公園内の商工奨励館とその前庭。これは「ヌーヴォーシルクジャポン」と名付けられたイベントの一コマ。メインとなるのは香川県出身の世界を股に掛けて活躍する稀代のアーティスト達と香川を拠点に活動する瀬戸内サーカスファクトリー

日時は11月21日〜25日の5日間でチケットを発売中

 JTBが仕切るこの事業は、観光庁の「令和2年度 夜間・早朝の活用による新たな時間市場の創出事業」に採択されており、四国で唯一の特別名勝栗林公園の恒例となっている秋のライトアップ期間に、“讃岐の迎賓館”といわれる魅力的なユニークベニューである、商工奨励館を活用した新たなコンテンツの開発を意図。地域活性化と文化・芸術の再興を目的としている。

 世界的ダンサーである柿崎麻莉子氏(香川県出身)や、シルク・ドゥ・ソレイユで活躍の予定だった日本人パフォーマーが、紅葉シーズンにライトアップされた幻想的な空間でパフォーマンスを行う。音楽は日本を代表する太鼓芸能集団「鼓童」のメンバーが担当しパフォーマンスを彩る。 一流アーティストによるアクロバットや空中技と迫力ある和太鼓の競演に、香川の祭りに欠かせない獅子舞を織り交ぜた、特別な公演となる予定。舞台演出小物として、香川大学生のプロジェクトによる「讃岐提灯」を使用する。なお公演の模様はどこでも楽しめるよう、動画配信(有料配信)を行う予定。

[一言感想]一旦、解体されてしまったシルクドゥソレイユゆかりのパフォーマーと、タッグを組むことで世界へ香川の魅力を発信し、落ち込んだ観光を振興するという相乗効果を狙う。まさに今だからこその企画と言え大胆なる戦略だ。地元にいながら世界基準のショーを楽しめるようになり、今回が成功すれば地元で活動を続けている瀬戸内サーカスへの支援も期待できる。きっと世界中のファンが注目して、これを見るために香川に来て、深まり行く香川の秋を楽しんでということにもなりそう。しっかりと応援をしていきたい。

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