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「ちゃんとした投資」「ファイナンス思考」「投資家の思考法」を意識した投資家であり続けたい。その結果「お株持ち」になれていたらいい

こんにちは! 投資家 renny です。株式投資歴20年超の投資家です。

noteクリエイターとしての名刺にも「投資家 renny」と書いています。名刺交換の際、受け取った方から「投資だけで生活しているんですか」「専業なのですか」と質問を投げられそうになるその前にすかさず「普通の会社員です」と説明するようにしています。

兼業の個人投資家という表現が正確なところです。でも、兼業とはいえ、胸を張って言いたいのです。

僕は投資家です

と。

投資信託を中心としたポートフォリオで20年超、株式投資に取り組んできました。過去の成果をざっくり示すとこんな感じです(2024年2月末の様子は こちら でご覧ください)。

グラフは2006年4月からスタートしていますが株式投資そのものは2003年に開始しました。

運用の成績、もっとスゴい人はたくさんいらっしゃると思います。でも、20年以上、コツコツと投資を続けてきたことを自分では誇らしく思っています。

さて、こうして投資を続ける過程で様々に考え方は変化してきました。インデックスファンド(その代表格が「オルカン」)をたくさん多めに取得していた期間もありました。その後、方針を転換し、2017年3月以降、インデックスファンドには1円もつかっていません(ですから「オルカン」は持っていません)。

株式投資を20年取り組んでみて大事にしたいことが、この記事のタイトルです。

「ちゃんとした投資」「ファイナンス思考」「投資家の思考法」

この3つを意識して、株式投資を続けていく、投資家であり続ける。その結果、「お金持ち」ではなく「お株持ち」 になっていたらいいな、と。

順番に説明していきましょう。


ちゃんとした投資とは

この記事でも書きましたが、ちゃんとした投資の要素は次の4つと考えています。

  1. 「価値」を追究、探究する

  2. 分散しすぎない

  3. 未来志向。投資で手にした資産がどんな未来の実現に貢献するのかを想像する

  4. 「価格」(株価やフィー)に振り回されない、追いかけ回さない

重要なのは「価値」。自分自身にとってどんな資産、どんな事業に「価値」を感じるか、です。僕のポートフォリオのほぼ全ての資産が株式で占められています。

株式はそれを発行している会社の事業への参加権、参加券、チケットです。

ですから、資産としての株式の「価値」の源泉は、その会社の事業になります。商品やサービスはもちろん、そこで働いてくれている人たち、そして、それらを使ってくださるお客さん。事業活動で実現している「価値」こそが最も大事です。

どんな事業に関わっているか、そこに対する関心がとても大切ですので、投資先の数が余りに多くなってしまうのはマズいのです、困ります。投資先を分散する効果はよく認識していますし、集中しすぎも良くない。しかし、分散しすぎはずっとはるかにダメなんです。

事業のイメージを持っていない、知らない会社がドンドンふえていく。これは知らない会社に参加している、関わっているのが増えていくことになります。ほんのごくわずかかもしれません。でも、全然、名前すら知らない会社に、その事業に関わっているのです。

投資の果実はどこからもたらされるか。それは未来からもたらされます。これまでの実績は未来を想像するための一つの参考材料に過ぎません。未来志向。投資先の会社がどんな未来予想図を持っているのか、その実現性にこそ強い関心を寄せたいと考えています。

「価格」。ここでいう価格とは、株価です。また資産を保有するのに掛かるフィーも価格に含めることができると考えています。これらに振り回されないこと。とても大事だと思っています。

正直に言いますと、この価格への囚われが長く続きました。短期間(3年くらいでも短期だと思います)での増えた、減ったを調べるのに、時間や注意を奪われていました。またフィーにも時間、注意を奪われました。市場平均との優劣も僕の時間、注意を奪っていました。

他にも色々ありますが、これら「価格」に関することのほとんどは損益に関わること。つまり、PL項目。そう、僕はPL脳だったのです(PL脳については以下の記事をご覧ください)。

「ちゃんとした投資」とは、絶対の正解ではありません。自分自身が「ちゃんとしてる」と感じられるか、納得できるか、です。すなわち「ちゃんとした投資」は一人一人違っているもの、違っているのが当然です。

PL脳に囚われた、僕の以前の株式投資も、当時は「ちゃんとした投資」だったんです。しかし、今の自分から見ると「ちゃんとした投資」とは程遠い。

「ちゃんとした投資」は、人それぞれ違っているし、同一人物の中にあっても時間の経過、経験の積み重ねで変わっていくものです。

僕自身にとっての「ちゃんとした投資」。もしかしたら変わっていくかもしれません。繰り返しになりますが、2024年3月の今、「ちゃんとした投資」のポイントは以下の4つなのです。

  1. 「価値」を追究、探究する

  2. 分散しすぎない

  3. 未来志向。投資で手にした資産がどんな未来の実現に貢献するのかを想像する

  4. 「価格」(株価やフィー)に振り回されない、追いかけ回さない

ファイナンス思考とは

↑の記事でご紹介した、朝倉祐介さんの著書です。

本の最初に、こう説明されています。

「ファイナンス思考」は単に会社が目先でより多くのお金を得ようとするための考え方ではなく、将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする発想です。この点で、ファイナンス思考は、価値志向であり、長期志向未来志向です。

ここでは「会社」とされていますが個人でも全く同じことがあてはまります。目先のことに囚われてしまうのは、時間軸を長く取る際に避けたいものです。上述にしたPL脳こそ「目先」そして「過去」に注意を向けてしまう発想です。というのも、PLというのは1年というごく短い期間の業績を示すためのものだからです。

長期、未来を考えるためのツールとしては不十分です。長期で効いてくるものを期間按分するための概念(その代表格が「減価償却」ですね)もありますが、長期という観点からPLだけでは見通せないことは山ほどあります。

ある1期間の成績を比べて「勝った、負けた」で判断する、あるいは、どのようなサービスか確認することなく数値だけを見てフィーの多寡を論じる、これは「ファイナンス思考」とは異なる行為だと感じます。PL脳ですね。

投資の内容、その投資で取得する資産。これらが将来、どう評価されるだろうか、に注意、関心を向けるのが「ファイナンス思考」と認識しています。

ですから、僕の注意、関心を向けるべきは、今保有している資産の中身です。資産のほとんどが株式です。

繰り返しますが、株式はそれを発行している会社の事業への参加権、参加券、チケットです。自分自身が、どんな事業に関わっているのか、それを確認する「メンテナンス」が非常に大事だと考えています。

長い時間軸を持った投資に必要なのは、PL脳ではなく「ファイナンス思考」。外部環境が大きく変化した時、どんな行為、行動を取るかで、それが明らかになるような気がします。

投資家の思考法とは

奥野一成さんの著書です。

この本からもたくさんの学びを得ました。その中から特に印象深かった点を2つ挙げておきます。この2つが投資家の思考法を磨く、育てるためのエッセンスになると思います。

一つが「事業の経済性」、もう一つが「キャピタルアロケーション」です。

優れた経済性を持つ事業を営んでいる企業は、安定的な売上成長、高い利益率、健全なバランスシートなど、共通した特徴が表れるば良いが多いのですが、これらはあくまで結果です。
インベスターが見極めるべきは「なぜそのような形になっているか?」という原因、背景、すなわち事業の経済性です。

83-84頁

なぜその事業は、投入した資本、原価に比して非常に大きな価値を実現できるのか、これが「事業の経済性」ですね。

事業の経済性を切り口に「戦うべき場所」を特定して、そこに限られた経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の多くを配布するのです。
(略)
経済性の有無に従った経営資源配賦こそが経営者の役割だと言っても良いくらいです。

76-77頁

経営資源配賦が「キャピタルアロケーション」です。

ここでは経営者とされています。自分自身の家計を会社に見立てると、一人一人が経営者です。どんな仕事を選ぶか、そこでどんな風に働くか、を決めるかも「キャピタルアロケーション」でしょう。

つまり、株式投資を通じて「事業の経済性」「キャピタルアロケーション」に関心を向け注意を払うことは、日々の仕事や暮らし、時間やお金をどう活かすかにも大いに参考になるのです。

「投資家の思考法」を磨こう、育てようと意識して、自分の資産の「メンテナンス」に臨むと、自分が株式投資を通じて関わっている会社、事業への解像度が徐々に高まっていきます。こんなプロセスが、自分自身の「ちゃんとした投資」への納得度も高めていくのだろう、と思います。

アンケートをつくってみました

ご回答してみてください。

「お金持ち」ではなく「お株持ち」

「ちゃんとした投資」を実践し続けたい、できれば死ぬまで。これが僕の投資家としての希望、願いです。

いつかは新しい資産を取得することができるような余剰の資金が尽きてしまうことでしょう。そこからは資産を取り崩していくことになります。そのような時期が来ても、僕はできる限り現金に換金しないでおきたい。そう考えています。

こう考える理由の一つは、上場株式にしても投資信託にしても現金化するのがさほど難しく無いからです。数日あればそれらの資産はお金に換えることができます。であれば、できるだけ長い間、株式として投信として保有していたい。

「お金持ち」ではなく「お株持ち」です。現金に換えてしまったら、そこで会社や事業とのつながり、関係は途切れてしまいます。素晴らしい会社であれば、できる限り長い間、関わっていたい。そうした関わりを続けてきたことは記録に残るはずです。

僕の相続人は知ることになります、僕が何年、その会社と、その投資信託とどれだけお付き合いしてきたのか、を。そこに「何か」を感じ取ってもらいたいな、と。

奥野さんのこのポストを読んで、この記事をつくりました。

オルカンが「ちゃんとした投資」だと捉えている人もいると思いますし、別にそれは人それぞれでしょう。

「ちゃんとした投資」については、以下の記事もご覧ください。

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433字

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