「まちがいさがし」じゃなくて「答え合わせ」

我々が評価された理由は、味の答え合わせという文脈である。

「答え合わせ」、なるほど、って思ったのです。

程なくして降ってきた言葉が「まちがいさがし」。

どこか似ているようで実は全くの大違い、そう思いました。

「まちがいさがし」って「正解」の存在が前提となっています。「正解」との違いを探し出すのが「まちがいさがし」。でも、「答え合わせ」は違います。「問い」があって、それに対して、お互いがどう考えているか、考えたか、を付き合わせる。もちろん、絶対の「正解」が存在するケースの「答え合わせ」もありますが、「正解なんてない」問いに対しても「答え合わせ」は存在します。

「答え合わせ」の結果で、共感したり、逆に、違和感を抱いたり。その共感が高まったりすることもあれば、違和感を乗り越えるために再度「答え合わせ」を試みたり、でもやっぱり、違和感を拭うことが出来なかったり。

同じ問いに対して全然違った「答え」を持っている人に感じた違和感。それを「まちがい」だと考えてしまうことがあります。正解なんて無いのに、自分自身の「答え」を自分勝手に正解にしてしまっているのです、そういう場合。自分とは違うからといって他人の「答え」を「まちがい」としてしまわないように、そんな意識が必要だなあ、って思いました。

投資信託、とりわけ、アクティブファンドにおいても、この「答え合わせ」が非常に大事だと思いました。

アクティブファンドは何に、どの会社に、投資するのか、自らの意思で探し出し、選び取ります。当然のことですが、「自分たちがどんな会社を選ぶか」は事前に明示されているのがあるべき姿だと思います。でなければ、そのファンドを保有する投資家は「答え合わせ」ができないから、です。

アクティブファンドを選ぶ投資家の中に、「まちがいさがし」な人たちもいます。

パフォーマンスでベンチマークを上回れるか、という「問い」のみでアクティブファンドを選ぶ投資家です。彼らにはベンチマークという「正解」が存在しているわけで、そうした投資家にとっては「答え合わせ」ではなく「まちがいさがし」になっているのだと感じます。

私自身は、きちんと「答え合わせ」ができる、それを厭わないアクティブファンドが好きです。なぜその投資先を選んだのか、それは自分たちが掲げた基準をどう満たしているのか、それをどんな調査を通じて確かめたのか、を説明しているアクティブファンドです。その説明に触れて「なるほど」と感じたり、「この点はどうなのだろうか」と疑問を持ったり、そうした「答え合わせ」のプロセスが、そのファンドへの信頼感を深めてくれます。

非常に残念なことに、この「答え合わせ」にきちんと向き合ってくれている、取り組んでいるアクティブファンドは極めて稀です。一例を挙げると、以下のファンドになります。

投資先のいい会社紹介 | 鎌倉投信

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ファンドの投資先について、どのように評価しているのかを具体的に示すこと、それが「答え合わせ」です。こうした点を明らかにしないこと、例えば、会社の固有名詞をあげず「化学品会社（銘柄）」と表現するファンドが沢山存在します。こうした曖昧な開示では「答え合わせ」なんて到底できっこありません。資金を託されている側がそうした態度であるのは、信頼を深めたいという意思が無いということの表れだと感じますし、「投資家なんて所詮、数字、結果しか見ていないのだろう」上の表現を使えば「投資家は”まちがいさがし”するだけだ」と、投信会社、ファンドマネジャーが勝手に思い込んでいることを示しているようにさえ思われます。

アクティブファンドの最大の問題は、「フィーが高い（高すぎる）」という点にあるのではなく、投信会社が投資家との「答え合わせ」から逃げている、その結果、数字だけの「まちがいさがし」ばかりになっている点にこそあるのだと思います。

上述の通り、「答え合わせ」に真摯に取り組んでいる、改善をつづけているアクティブファンドは極めて稀です。ですから、日々、これらのファンドとの「答え合わせ」をnoteで発信していくことで、ちょっとずつこの問題の改善に役に立ちたいな、って思っています、、、なんだか「まちがいさがし」みたいになってしまいました、反省です。

投資家との「答え合わせ」、楽しく、発見に満ちた「答え合わせ」の機会をつくってくれるアクティブファンドが少しでも増えてくれることを切に願っています。

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