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『株価は影、利益も影』 藤野英人さん、奥野一成さんの対談を見てあらためて感じたこと

「ひふみ」の藤野英人さん、「おおぶね」の奥野一成さんの対談動画を視聴しました。

この対談の10分過ぎのお二人の対話。

株価は利益の「影」というお話。

揺れ動く影(株価)だけを見て、実体を把握することができるか。
影には必ず本体が存在する。さらに、影の揺らめきには実体を照らす光の存在も、忘れてはならない。株価も同じである。株式の価値と相場心理からなる株価は“影”なのだ。つまり、「株価を見て売買をする」だけでは、良い結果にはつながらないのである。

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岡本和久さんの『長期投資道』で最も印象的な考え方の一つでした。
ですから、株価は影に過ぎず、その本体、実体、すなわち、投資している会社の実体、業績が大事なんだ、と。業績は利益と言い換えることができる。
それで、株価は利益の「影」。そういう認識でいました。

今回の対談では、株価はもちろん、利益(業績)も「影」、と奥野さんがコメントされていました。

堅牢な参入障壁、高い付加価値の提供、これらのものを持続的に維持できるか、さらに強くできるか、そんな事業の頑健さこそが「実体」だ、というのが奥野さんのコメントの趣旨だと理解しました。そのような「実体」が認められる会社のオーナーであれば、株式を保有してその果実のシェアを享受できるのであれば、ってことですね。

僕は毎月、自分の保有資産の時価をチェックしています。この定点観測のアップデートのためなんですけれど。定点観測している保有資産はその99%が株式を組み入れている投資信託です。その時価の算出の基になっているのは、保有している株式の株価になります。上述の通り、株価は影 です。ですから、僕の保有資産の時価も「影」ということです。影ですから、ほんとうの大きさよりも大きくなったり、小さくなったりします。

株式の場合、この大きくなったり小さくなったりの変動幅が大きくなります。ということもあり、ある程度の年齢になったらこの幅を小さくしましょうね、ということで株式以外の資産、変動幅が小さい資産(債券とか。現金にするという考えも)に少しずつ置き換えていきましょうね、というのが世間の定説です。いわゆる「出口戦略」ですね。

今回、株価はもちろん利益(業績)も「影」という考え方に出会って、上記のような持続的な頑健さが認められる事業を持つ会社が発行する株式で構成されるポートフォリオを持ち続ける、必要なタイミングで一部現金化する、これをずっと続けていこう、そう思いました。つまり「出口なんて用意しない作戦」です。

持続的な頑健さが認められる事業を持つ会社、これは奥野さん率いるNVICさんの言われる「構造的に強靭な企業®️」ってことですね。

そんな企業、会社をどうやって見つけるのだ?探し出すのだ?というのは確かにあるでしょう。僕も百発百中はありえないと思っています。事業環境が大きく変わることもあるでしょう。でも、複数の会社でポートフォリオをつくる、事業の頑健さ、その持続性をしっかりと調査し続ける、そうすることで一定の質は維持できると考えていますし、その選別、判断の質は時間とともに高まっていくだろうとも思っています。

自分の資産を託す投資信託は、投信会社は、きちんと実体、実態を見つめているだろうか、それを基に判断しているだろうか。その実体とは、投資先、投資候補先の事業そのもの、事業の頑健さ、その持続性。それらをどのように見極めているか、を示してくれる投資会社にこそ、資産を託したい。

この想いを今回の藤野さん、奥野さんの対談を見てあらためて感じました。

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