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【徹底したルール作り〜自転車の町コペンハーゲン〜】

先日のブログでも書いたように、コペンハーゲンとの縁は深くて、これまで10回以上は足を運んでいると思います。いずれも3年前の記憶なのですが、2、3日前にまた行ってみて「こりゃたまげたな」と思うことがありました。

それが「自転車」です。

圧倒的に自転車が普及していて、道行く人の中にはへルメットをしながら少し強張った表情を浮かべながら自転車を漕いでいる人もいます。兎にも角にも自転車利用者が多くで、政治家でさえ自転車で国会までいくという話があるほどの国。最近北ヨーロッパを中心に流行している電動スクーターはあまり見ませんでした。北欧はさることながらここまで自転車ばかりの国はヨーロッパ随一だと思います。
#自転車の町と呼ばれるほど

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この爆発的な普及の背景は考える意味がありそうだなと思っていくつか考えてみました。


①デンマークのフラットな地形

これが一番の理由だと思います。デンマークは「パンケーキの国」と呼ばれるほどに異様に平らな国で最高峰がまさかの147mです。高低差がない国なので、水力発電に不向きな反面、風通しが良いので風力発電をよく見かけます。事実、僕は今ユトランド半島北端の第4の町オールボーにいますが、コペンハーゲンからのバスの道中で何度も風車を見かけました。

地の利を生かすというのは街づくりにおける「いろは」の「い」の一画目だと思うのですが、まさにこれだなと思います。

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肝心な「平らと自転車がどう結びつくのか?」についてですが、これはシンプルに「漕ぎやすい」です。最近までノルウェーにいたからよくわかるのですが、高低差(坂)のある道って自転車漕ぐのがかなり大変なんです。下りは良いにしてもその分どっかで上る必要があるので体力が削られます。先ほどの電動スクーターの話でいうと、ノルウェーの首都オスロはかなり普及していて、道端に倒れているものを見かけることも珍しくありません。
#そういえばメトロにも乗りましたがコロナの影響もあってかガラガラでした


②混ぜるな危険「自転車レーン」の存在

平らだからと言ってここまで普及することは少し考えにくくいと思うのですが、他に自転車レーンの存在が大きいのかなと思いました。コペンハーゲンの道路をよく観察してみると面白いのが、3段階になっているんです。

自動車レーン
自転車レーン
歩行者レーン

の3つです。いずれも異なる段になっていて、この段は自転車用ね、というのが一目でわかります(自転車レーンには自転車のアイコンが貼られている)。

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ここから学べるのは、世の中には混ぜて大丈夫なものとそうでないものがある。これについては先日のオンラインイベント「ノルウェーが教えてくれたこと」でお話しさせていただいたので、深くは書きませんが(近々Baseで収録動画を見れる券を作ろうと思います)街づくり・社会づくりの大きなポイントだと思っています。

歩行者と自動車の道が一緒になっていたら危ないということは言わなくてもわかると思うのですが、それが自転車にも応用されているということです。日本の道路だと若干想像しにくいかもしれませんが、先述の通りデンマークは平らな上、こうして自転車の道がしっかり用意されているのでみんなむちゃくちゃ飛ばして漕いでいます。だいぶ危ないです。

これと歩行者あるいは自動車を一緒に混ぜては危険(事故が起きる)だというわけですね。

デンマークの自転車ルールはかなり厳格で、公的に発表されています。一年ほど前(確かノルウェーの大学院へ向かう機内で書き上げた)、このデンマークの自転車のルールについて記事を書いているのでよかったら覗いてみてください。コペン観光前に見ておいた方が良いかもしれません。
#この記事読んで助かったと言われたことがあります

記事はこちら↓
「自転車大国デンマーク:VikingからBikingへ」
https://norr.jp/cyclingindenmark/

「自転車の街コペンハーゲンに行く前に知っておきたい暗黙の10カ条」
https://norr.jp/copenhagen-cyclingincity/


③デンマーク人の環境意識・健康意識の高さ

最後の項目については表面的で終わってしまうのですが、自転車に乗る、言い換えると公共交通機関に乗らない、ということは汚染物質を出さずに移動するということになります。

これについてどこまで意識しているのかはわかりかねますが、それは学校教育の中の環境教育にあるのかもしれないし、政治に見て取れるかもしれません。

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一方で、北欧では古来から他の国以上に「天候」に左右されながら文化を築いてきたので、どこかで自然との距離感がデフォルトであるんだと思います。僕の個人的な意見ですが、外野の人たちが北欧の人たちをよく「幸せ」と形容することがありますが、その理由が「天気」にあると思っています(これについても先日のオンラインイベントでお話ししました)。

圧倒的に突き抜けた(今回だとコペンハーゲンの自転車事情)背景には、しっかりとした理由が必ず存在するはずで、それを1つ1つ因数分解していくと、どうやって真似できるかなというヒントが見えてくると思います。

ニューハウンの相変わらずの美しさよりも心を奪われたコペンの自転車についてでした。

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