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安モノ防犯カメラは役立たず!? Part①

ニュース番組なんかで、事務所や自宅付近で窃盗被害に入られた際の防犯カメラ映像がたびたび流されることがある。「まさかうちに…」「許せないですね」など被害者インタビューが入るのが定石。

それを見ていて いつも思うことがある。せっかくカメラを設置しているのに、リアルタイムで確認に行ったり、即座に通報なり、カメラから音声で警告したり(そんなことが安いカメラでもできちゃう時代)、場合によっては複数人で対処するなど防犯的な行動ってできないものかと。。。なんせ被害後、仮に容疑者が捕まったとしても被害弁済されるまでに時間とコストがかかったり、容疑者が否定を続ければ(または弁済の意思がなければ)、泣き寝入りという現実もあったり。

とても気になった。なので首都圏郊外で自粛期間中に店舗に侵入されたという飲食店にSNSを通じて連絡を取って事情を聞いてみることにした。

この飲食店さんは店舗内に防犯カメラを設置しており、被害の模様をテレビ局に投稿したことで知ることになったのだった。映像には侵入者も鮮明に写っており(放送では顔ぼかしあり)、しかも! 侵入者は無人の店舗に数時間にわたり居座り飲食を続けていたとのこと。通報・逮捕までの時間は十二分にあったはず。

単刀直入に設置している防犯カメラに「動体検知」(動くものを検知して撮影開始)や検知時に「即時通知」を設定していなかったのか尋ねてみたところ、機能も全部あり、設定していたとのこと。ますます疑問が大きくなる展開。。。

 そう、ここに防犯・見守りカメラの大きな落とし穴があった。

最近の防犯・見守りカメラ(数千円と安価で市販されている)には「動体検知」「メール通知(画像添付あり)」、モノよっては「人感センサー」や「AI」を売りにしているものがあるにもかかわらず、状況によってはあまりどころか、ほとんど役に立っていないようなのだ。 ※ Amazonさんの商品レビューもかなり参考に。

前途のケースでは、「動体検知」も「通知」もちゃんと作動していたのだけど、普段から あまりにも「動体検知」などの通知が多くて、‘オオカミ少年’状態だったとのこと。
交通量の多い街道沿いにある その店舗には、夜間にはヘッドライトなどの光が入り込む。昼間も日よけの隙間から陽が差し込むこともあり、天候によっては店舗内部の明るさが変化する = 動体検知が‘誤検知’する環境が整っていたのだった。誤検知通知のたびに異常のない画像をチェックしなければならず、そのうちに‘オオカミ’なんて来ないよってことに… 。

  これが防犯カメラ‘あるある’らしい

屋外設置カメラでは虫や小動物、風で揺れる何かにも反応したりと通知のオンパレードってことも。最初のうちはいろいろ写っていて楽しいけど、そのうち見るのも億劫になるパターン。動体検知の「精度」設定をいじると、対象も検知しなくなったりで、何度もシビアな設定変更が求められられたり。。。

もし人感センサー(温度で検知)対応のカメラであれば、誤検知を大幅に減らせれた?  よくお店など入口に設置してある、非接触の検温計の仕組みで利用されているアレ。
仕組み上、カメラと被写体が距離がポイントとなる。一部の動体検知と違い、カメラ画像の中でセンシングできる位置が設定できないので、とにかく監視対象との距離を見計らいがら設置する必要があり、設置場所を選んでしまう。 ただ、絶対に人がこない時間帯・場所で設置するには、この機能が一番だと思う。その昔、学校内に設置されていた人感センサーに反応されずに どれだけ近づけるかという遊びをしたことがあった。どれだけ慎重にコース(センサーから反応しずらい道筋)を選び、ゆっくり近づいても たどり着くことができない鉄壁センサーだった。(今思えば、傘なんかで体を隠して検知できなくすることができたと思うが)

となると万能なのは、AIしかないでしょっ! と思いきや、AI搭載をうたうカメラは特に注意したほうがよさげ。なんせAI解析レベルが千差万別質の高いAIには、その精度を担保するための膨大な‘見本’データとそれらを爆速で処理できる能力が必要で、元々メモリやストレージが少なくCPUやGPUを備えていないカメラ単体ではハードルが高すぎるのです。 おそらく なんちゃってAIではないかとレビューを見ていて思うのであった。(話はかわるけど、大掛かりなリソースなしに一定のAIを動かせるのが個人的な研究テーマ。工夫次第では方法があるのではと思案中)

ただ もう一つのAI解析方式があり、カメラで処理するのではなく画像をAI解析用サーバに送る方式。これは精度が期待できそう。サーバ側で日々の精度向上も期待できそうなのだけど、問題は画像の「送り先」製造会社と運営が一体(または関連会社?)のようで、ほとんどが かの国のサーバに画像を送って解析される = セキュリティーやプライバシーの問題に目をつぶるのであれば という条件付きしかも月額はそんなに安くない…  
ひと昔のインクジェット プリンターのビジネスモデルみたく、カメラを安価で販売し、サブスクで稼ぐ方式? いや 違うぞ、プリンターでは自分で使った分だけ インク代として購入するのだけど、カメラでは元の性能がよくいから仕方なくAI解析にって流れなので、ビジネスモデルというより ‘悪徳商法’とも思えてしまうのは自分だけだろうか…。 

ここまで整理。安価な防犯・見守りカメラでもまったく役立たずというわけではなく、誤検知が少ないであろう、人がいないはずの時間帯(監視対象時間)に設定し、一定の明るさ(暗さ)の環境、センサーの種類によっては監視対象とカメラを近づけるなどカメラやセンサーの特性を知り、ちょっとした努力と工夫次第で大いに防犯効果を発揮させることができるはず。誤検知「0」だって夢でない。(こういった環境整備が防犯の基本なのかもしれない)

それが手間であったり、難しい環境であれば、誤検知を許容し、忍耐強く送られてくる映像をチェックすれば いいだけなのだが…  それって ほぼずっと映像見てるのとほぼ同じじゃねぇ?説や、そもそもセコムや警備員をおいたら? 説まででてきしまう。それができない(または面倒・結構な手間・費用がかかる)から、機械に任せるのあって…

防犯は日々のたゆまぬ努力と費用対効果が肝心なのだが、できるだけ費用と手間をかけずにラクして防犯・見守りしたいというのが人間のサガ。人口減では‘人手’ならぬ‘人目’による監視もままならない。

それに監視対象は ‘悪さをする人間だけ’ とも限らない。地方では‘害獣’なるものが生息していて(最近では都会にも現れたり)、ときには人命まで奪う。ただ いつ出現・発生するかわからない ‘彼ら’のために監視員を置くなんて とうてい無理な話であって…

夜間赤外線撮影など高性能の防犯・見守りカメラは既に相当な数 販売され、設置された数も膨大。安価であっても暗所や長期連続して撮影ができるカメラとしての機能はかなり高い。 実際に刑事事件などでは防犯カメラなしに犯人特定できないと思わせるケースも多々あったり。
ただ、先の店舗のようにニーズや環境に合わず、設置後の運用も面倒となると持ち腐れならぬ、設置腐れになっていたり、デコイ化したカメラも相当数あると思われる…  これはフードロスならぬ ‘防犯・見守りロス’ではないか?!  もったいなすぎるので、世に設置されている防犯・見守りカメラの能力をフルに犯罪抑止や見守り、‘害獣’の監視に活用できないだろうか?  誰かが設置したカメラに「警告すべき何か」が映りこんだ瞬間、自動的にその情報を共有できれば、地域での犯罪抑止効果や連帯感も高まるのではないだろうか… ひょっとして自らかって通報や警告してくれたり、追い払ってくれたり、認知症とおぼしき人や脱走ペットを保護してくれるボランティア的な人も現れるかもしれない…  無限大の可能性に勝手に期待して 開発が始まるのであった。

次回に続く(かも)。

※ とにかく今設置している防犯カメラの誤検知をなくしたい! は、当然のこと もっと精度をよく = 人がいるだけでなく、何人以上いたら通知する、いっそう人だけでなく、動物や乗り物も加えて判定したり、見守り利用の場合、プライバシーに配慮して 画像は送らず状態だけをテキストで報告したり、カメラに写った現象が自分だけで対処できなさそうなケースは、自動Tweet(指定タグ付き)で公開したりする機能に関心ありましたら ➡ https://www.renkul.com/ai まで。β版無料運用中! 改善のためのご意見も大募集中!

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