#note
伝説の安心感【毎週ショートショートnote】
大勢の人が建物の中にぎゅうぎゅうに詰められ、今か今かと待ち望むような呼吸がステージに向けられていた。
暗闇の中に彼らが現れた。私たちは一斉に声を上げる。私たちの声が、彼らをより奮い立たせたのだろう。心臓にまで響くギターの音で彼らは答えた。
彼らの演奏は、小さい子供からお年寄りまで、老若男女問わず愛されている。彼らの演奏を聞いた人は、口を揃えてこう言う。
どこか懐かしい気持ちになる。
安心感が
メガネ初恋【毎週ショートショートnote】
太陽が女子高生のメガネをギラギラと睨み付け、それに答えるかのようにガラスを通した瞳が、光を輝かせていた。
裸眼。コンタクトレンズ。メガネ。
行き交う人々の装いは様々である。
その中で女子高生のメガネは、ある遠くのメガネを見つけた。
『わあ!素敵な形…』
ある男性に装着されたメガネ。ブラックとゴールドのデザイン。知的さとオシャレさがうまく合わさった素敵なデザインだと、女子高生のメガネは思った。
ポポパポペピアノ【毎週ショートショートnote】
独特な雨の匂いが鼻にまとわりつく、ある梅雨の日。彼はいつもの手つきでピアノを弾いていた。その繊細な音色は、屋根に打ち付ける雨の音と交わり、家を響かせる。
私は、彼と出会った日のことを思い出していた。あの日と違うのは、彼が以前より喋るようになったこと。それと。
「こえ!」
娘がおぼつかない足で、おもちゃのピアノを持ってきた。
私が随分前に買った、このおもちゃのピアノ。演奏だけでなく、オノマトペ
オノマトペピアノ【毎週ショートショートnote】
すっかり桜が散った暖かい春の日。
私は音楽室でピアノを弾く彼と出会った。しなやかな指から溢れ出る繊細な音色は、私に桜の幻を見させた。
いつも彼は何も語らず、ただ私の話を聞く。自分の気持ちを表現するのが苦手らしい。
そこで私は、彼に子供用のおもちゃのピアノをプレゼントした。そのピアノは演奏できるのはもちろん、特徴的なのがキーボードを押せばオノマトペが奏でられる。
「今日の授業どうだった?」
理科室まがった【毎週ショートショートnote】
僕にはみんなに自慢できる幼馴染がいる。
見た目は世間がよく言う可愛い顔立ち。誰にでも優しく面白い性格。おまけに頭も良い。
生まれた時から僕たちは一緒にいた。
臭い言葉を言うならば、彼女が向日葵で、僕は向日葵を見守る太陽。それほど僕たちの関係は、当たり前のように存在していたが微笑ましかった。
僕たちは中学生になった。
彼女の周りにはたくさんの人が群がった。一方、僕は少ないながらも、心を許せる友人が
だんだん高くなるドライブ【毎週ショートショートnote】
私には4歳の娘がいる。休日は、車で旅行に行き、家族の時間を楽しんでいる。
そんな私の愛娘が、最近絵本にハマっているらしい。
2/5(日)
「きらきらのおほしさま!」
星が有名な田舎町。
2/12(日)
「どうぶつさんとおはなししたい!」
餌やり体験ができる動物園。
2/19(日)
「おさかなさんとあそぶの!」
魚に触れる水族館。
2/26(日)
「おしろでおひめさまごっこ!」
一般公開さ