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おじさまシリーズ

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「私」のおじさま観察日記みたいなシリーズです。 ※フィクションです!
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#コンビニ

コンビニとおじさまと私

コンビニとおじさまと私

(「コンビニと私と」の続き)

入ってきたのは見覚えのある出立ち。おじさまだった。こちらにある陳列棚にまっすぐ向かってくる。

まずい!

私は急いで店員さんから賞品を受け取り、1等のぬいぐるみを脇に抱えて店から出ていく。必死に下を向いていたので、どのタイミングでおじさまとすれ違ったのかは分からない。

地面のアスファルトの色が移り替わっていく。気がついた時には、コンビニが遠くの方で光っていた。

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コンビニと私と

コンビニと私と

最近は厳しい寒さが、鞭のように顔に打ちつけてくる。今の私の現状にも鞭を打ってるかのようだ。マッチングアプリを入れて、1ヶ月が経とうとしていた。たしかに、いろいろな男性と出会えたのは良かった。しかし、誰かに会うたびに、自分にペンキを塗りたくったようで、少し疲れてしまったのだ。

私は少しのもの悲しさを抱えて、コンビニに入った。
周りを見ておじさまがいないのを確認する。今日のお目当ては、今日から始まる

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コンビニ弁当とおじさまと

コンビニ弁当とおじさまと

私は、仕事帰りに今日もコンビニに向かう。
今日の仕事のミスと、帰ってからの家事のことを考えると、地味な重さの足枷をつけられているようだ。
時折、私は何のために働いているのだろうかと思う。金。即答してしまう私はまだ未熟なのだろうか。

コンビニの光が目に突き刺さる。

あれ、おじさまがいない。

私の全身に、隠れていた疲れが一気にのしかかる。
行くのを止めようとしたが、ちょうど食器用洗剤を切らしてい

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