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マイナス30度のまっしろな世界で「今年やりたいこと100」を叶えた


新年早々、今年叶えたいことが1つかなった。


毎年私は、その年のテーマと、
やりたいこと100のリストを書いている。


今年は年末年始、モンゴルで過ごすことを決めていたから、12月に入ってちょっとずつ、一年の振り返りと、次年度やりたいことを書き進めていた。

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愛用のほぼ日手帳


とくに今年は
「本当に心からやりたいことだけ書くぞ!」と決めて、それ以外は一切書かないことを決めた。

これは結構大変な作業。

ともすれば「やりたいっぽいこと」とか「本当は義務感になっていること」を書きがちだ。

そこに100%ワクワクすることを選んで、100個あげることは意外と時間がかかる。

何日も少しずつかきすすめたおかげで、本当にやりたいと思うことしか書いていない、ワクワクするリストができあがった。
見ているとニヤニヤしてしまうよ。

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そのリストに、こんなことを書いた。

「モンゴルで馬に乗る」


昨年モンゴルにいってからは、馬にとても心がひかれるようになった。

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これは羊


これは、モンゴルで、自然と動物達の美しさを感じたこと。
そして、自然と動物を愛していて、馬に乗るのが上手な彼の影響もあると思う。草原で馬に乗る気持ちよさ、自然をいかに愛しているかを、キラキラした目で語ってくれていた。

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これは馬

そんな姿を見るにつけ、私も馬に乗りたくてたまらなくなっていた。


「今年の夏には、草原で馬に乗るんだ」

そんな気持ちで、リストに書いていた。
それは、心からやってみたいことだった。
夏のお楽しみかな。

今年のスタートはまっしろな世界から


そして2024年12月30日。
私はふたたび、モンゴルにやってきた。

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ここはウランバートル


今回はウランバートルから80キロくらい離れたキャンプ地で過ごすことになった。
空気もそちらのほうがきれいだし、のんびりできるだろうということで。

しかしモンゴルの冬を舐めてはあかん。
都市部を離れると、あっという間にまっしろな世界。
相手はマイナス30度の世界。

鼻毛が凍るとは、このことか。

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初日は、マスク無しでは息がうまく吸えず

何枚にも重ね着してきてよかった。

外は寒いものの、部屋はとてもあったかい。
予想以上にきれいなキャンプ地。
広いベッドもあるし、シャワーもトイレも部屋についている。
ご飯も美味しい。

ああ幸せだ。

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前回はゴビ砂漠への冒険だったけど、今回はのんびりと過ごせそうだ。

そう思っていた私に、彼はこういった。


「せっかくだから、馬に乗りたいでしょう?」


え、乗れるの?
確かに、馬に乗りたいってずっとずっと言っていた。
でもこんな真冬に馬に乗れるなんて思ってなかったし期待もしてなかった。
でも乗れるなら乗りたい!
今年やりたいリストにかいていたもん。


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興奮気味の私をみて彼はニコニコしている。
じゃあなんとかしようと言ってキャンプ場のスタッフに話しかけに行ってくれた。

そこにいた1人の女性スタッフがたまたま遊牧民の人で、うちの馬を出してあげるよということになった。

ちなみにその女性スタッフのお姉さんは一見すると顔が怖く、私にはニコリともしない。
そのちょっと前に、コーヒーくれよと言ったとき、私はやり方わからんといってずっとモップをかけていた。
塩対応っちゃ塩対応だけど、まあそれが普通の対応だ。

一応、はるばる6時間くらいかけてやってきたこのジャパニーズに、笑顔を1ミリでも向けてほしいものだよお姉さん。

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はるばるやってきたジャパニーズ


とにもかくにも、その無愛想なお姉さんのおかげで私が馬に乗れることには変わりない。
お姉さんありがとう。

お馬さんがやってきた


翌日。
前日の曇り空から一転して、快晴。

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窓からの景色


14時。ついに乗馬の時間。
ヒートテック2枚とセーター、タイツ2枚とズボン2枚を着込む。
あ、ついでに靴下も2枚。

なにせ、昼間でもマイナス20度くらいにはなっている。万全の対策が必要だ。


外にはかわいい子ども達と、2頭の馬がやってきた。子ども達のほっぺは真っ赤だ。

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無愛想なお姉さんと馬①


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手前はお姉さんの子ども。うしろは近所の子らしい
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馬②


馬も子ども達も、なんてかわいいのだろう。


私は乗馬はほぼ初めて。
彼は手慣れた感じでのってみせてくれ、怖がらなくて良いよと言ってくれた。

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素手は流石に寒いやろうに


気合いをいれて馬にまたがる。
えい!わ!高い!
こういう時には、身長が172センチあってよかったなと思う。

ドキドキしながら、出発。
あ、私達2人だけでいくの??
少年たちが引っ張ってくれるんじゃないの?
自分の馬に乗りながら、私の馬も操るの?

うわあ!

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まっしろな世界


歩き出す。
気持ちいい。
なんてまっしろな世界なんだろう。


ポコポコと響く馬の足音。
ザクザクと響く雪の音。

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おちり
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珍しく電線がある

ゆっくりゆっくり進む。

真っ白などこまでも続く世界に、2頭と2人。
ただそれだけ。

彼は手綱をにぎりながら、2頭の馬をコントロールしている。

「馬は生き物だから、いきなりびっくりして暴れ出すこともあるから落ち着いて。賢いから乗っている人の気持ちがよくわかるんだよ」

だから落ち着いて乗る。
あとは、リードしてくれてる人を信じる。
馬を信じる。
自分を信じる。

不思議とすぐに、怖くなくなった。

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かわいい子


今度はポケットにいれられる、小型のカメラを必ずもってこよう。
この美しい世界を残しておきたい。

遠く遠くに見える小高い丘の上を目指そうとなってどんどんすすむ。

降り積もる雪の中を歩く馬達は大変そうだ。


もう少し。
あと少し。

そして到着。


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まさに一面、白銀の世界。

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本当に、なんて世界は美しいんだろうか。

モンゴルにくると、世界は広く、美しいことを思い知らされる。


登り疲れた馬たちは、雪や草をたべている。
ありがとね。

「ちょっとこの馬は機嫌が悪いなぁ」


確かに「こんな寒い中連れてきやがって」と、ちょっと不貞腐れた目をしている。

彼は馬をねぎらうようになでなでしていて、馬は大人しくなでられていた。
よし、私も感謝の気持ちをナデナデで表現しようとしたところ、少しそっぽをむかれてしまった。

っていうか、遠い目をしている。

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そっぽむいた馬


えー。悲しい。

そういや無愛想なお姉さんも彼には笑顔だったし、オスの馬までも、彼の方が好きだと言うのか…そういえば昨日もキャンプ場の犬も興奮気味にしっぽをふっていたよ。
私に、ではない(笑)
本当に人たらし、馬たらし、犬たらしだ。

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興奮ぎみの大きな犬



帰りはそのまま下り坂を同じように馬に乗り下った。ちょっとスリリングかつエキサイティング。

あれだけ着込んだのに、流石に少しひえてしまった。でも、心はとてもあたたかい。


次の日も乗馬をすることに。
今回も同じ馬が来た。
昨日よりご機嫌な馬は、目が少しやさしくなっていて、もっと高い山まで向かうことができた。
おそるおそるなでてみたら、昨日より心が馬とつながっている気がした。


わたしの2025年は、マイナス30度の世界での冒険からスタート。
100個のリストには、心からワクワクすることしか書いていない。
ひとつずつ叶えていこう。

それが、誰のものでもない、私だけの人生であり、生き方になる。

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