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夢破れても人生は続く

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シンガポール挑戦記  - 夢破れても人生は続く -

2014年12月。

僕のプロテストはあっけなく終わりを迎えた。
そして僕のサッカー人生も終わりを迎えた。もちろんそれを受け入れるには時間がかかるだろうとは思っていたけれど。

飛行機は事前に往復でとっていたため、残り1週間をシンガポールで過ごすことになった。
病院での診断後、数日を家で過ごしたが、部屋にいると心まで怪我をしてしまいそうだったので、松葉杖をつきながら観光をすることを決めた。

自分の目で世界を見ること

この時はせっかくシンガポールまで来たし、次いつ来れるかもわからないし、このぐらいの感覚で観光に出たけれど、これがこの先の人生のものの見方を少し変えてくれた。

思いたったら即行動。普段は面倒くさがりだが、こういう時は何故か自分でもビックリするような行動力を発揮する。
外に出る時のサポーターを装着し、松葉杖をついて、電車とバスを乗り継ぎ観光地を目指した。

マーライオン、マリーナベイサンズ、ラッフルズホテル、ナショナルスタジアム、ホッケンミーを食べ、チキンライスを食べ、ラクサを食べた。

そうやって気を紛らわせていたのだろう。

カフェを巡ったり、ショッピングセンターやスーパーマーケットに行ってみたり。

外に出ると、人の優しさを知った
松葉杖をついた僕に席を譲ってくれたり、バスの運転手にわざわざ降りるところを伝えておいてくれたり。食事を席まで運んでくれたり、エレベーターで一緒になった子供が足を踏まないようにそーっと入ってくれたり。

外の空気を吸い、人の優しさに触れていくうちに僕の気持ちもどんどんと前向きになっていった。

学生の頃はサッカーに賭けて生きてきたからこそ、それを失った時の代償は予想以上に大きかった。2、3日はこの世の終わりみたいな考え方もしていた。

でも一歩外にでたら、色んな人生があることを知り、人の優しさや親切に触れて、人生まだまだこれからだなと思うようになった。

サッカー人生が終わっても、僕の人生はまだ終わっていない

サッカーを通して狭まくなっていた自分の視野を、サッカーがまた広げてくれた瞬間だった。

帰国の時がやってきた。
お世話になったコーディネーターの方に空港まで送っていただき、色んな話をした。
その中で、監督が怪我が治ったらまた練習に参加しにおいでと言ってくれていたことを伝え聞いた。

契約することの難しさはトライアルの日々で痛感していたけれど、その言葉は素直に嬉しかった。

挑戦して良かった。一歩踏み出してみて良かった。
この時人生ではじめて心の底からそう感じた。

サッカーで生きるということの厳しさと楽しさを知り、外の世界を知り、人の優しさを知った。おまけに足の激痛とギブスに松葉杖までお土産にもらい、僕は飛行機に乗り込んだ。

数ヶ月後に再びシンガポールを訪れることになるとは知らずに。

でわまた

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It’s up to you.

Renshi

サポートは、サッカーを通じての挑戦に使わせていただきたいと思っています。