デンマークを知る2ヶ月の冒険 その３〜 伝統的ホテルでの一日とは

さて、デンマークの料理と食事にまつわる文化を体験する、という目的で始まった、伝統的なホテル、Kro（クロ）での２週間。

今回はRold Gammel Kroでの２週間、どんな過ごし方をしていたのか、ご紹介します。

Kro滞在中のお仕事

この冒険では、私は基本的に見習いの立場で、働くので泊めてください！というお願いをしています。（ホテルの小さい部屋に泊めてもらいました）

Kroはデンマークの伝統料理をメインとするレストランで、私の経験では難しい。なので、私にできることとして、朝食の準備と片付けを担当していました。
（タイトル画像は朝食会場です！）

過ごし方としてはこんな感じになっていました。

〜ある１日の流れ〜
 5:45  キッチン入り。朝食準備
 6:30  朝食ビュッフェ開始（随時、片付けと補充チェック）
 9:45  自分たちの朝食
10:00  翌日の朝食を準備（チーズやハム、ジャム）
10:30  朝食会場やホテル、レストランなどの掃除（掃除機とモップがけ）
11:30  お菓子作りなどのキッチン手伝い
12:30  賄いにて昼食
14:00  休憩（ここまでがお仕事時間）
18:00  ディナータイムのキッチンの見学（賄いにて夕食）
20:00  コーヒーを淹れて自分の部屋へ〜

Kroのお料理、看板となっているデンマークの伝統料理については、お手伝いという名の「見学」「味見」がメイン。部分的に、「見習い」としてお昼〜夕方の時間、キッチンがディナーで忙しくなる前に教えてもらっていました。

午後の休憩時間には、ホテルのレンタル自転車を借りてRold Skovの森を見に行ったり、Bentや彼の息子Thomasに連れられて近隣の観光に行ったりもしています。その様子も、別記事でご紹介したいと思います。

朝のコーヒーヒュッゲ

朝6:30の朝食開始に向けて、冷凍パンを温めて、卵30個でスクランブルエッグを作って、ベーコンを焼いて、、、正直なところかなり忙しい！

でも、6:30を過ぎると、のんびりとした時間です。お客様が朝食を終わったら食器を片付ける。卵やハムやパンが足りなければ、追加で作ったり焼いたりして補充します。休日の朝はちょっと人が多くてテーブルの片付けが忙しないけれど、お客様が多いのは朝早い出発の7時頃と、ゆっくり旅行されるご夫婦の9時過ぎ。その間は静かなものでした。

朝のサンルーム

オーナーのBentが早番で一緒の時は、サンルームで朝の空を眺めながら、コーヒーを飲んでいました。サンルームの奥が朝食会場なので、庭をみてのんびりしながら、朝食の様子を見るのにもピッタリ。

いろんなことを話しました。今までデンマークでどんなヒュッゲを経験したか。どんなものを食べたことがあって、どんなメニューに興味があるか。

Bentはあまり英語が得意ではなく、私が知ってるデンマーク語は少ないので、、、会話はゆっくり。それでも一生懸命に話をして、理解しようとしてくれました。そして、シェフとしてたくさんの経験があるBentにいろいろ教えてもらう時間は、本当にゆったりとして豊かでした。

つながりがもたらすもの

スモーブロー調理師の教科書

こちらはスモーブローの教科書。デンマークにはスモーブローをレストランで作るためのスモーブロー調理師（Smørrebrødsjomfrue）の資格があり、その教科書です。私がスモーブローの具材やトッピングの組み合わせがなかなかわからない、という話をしていたら、この本を出してきて説明してくれました。キッチンで見習いの若者に教えるときにも見せていたそうです。

その内容に、大感激！今まで本当にわかりにくかった基本がみんな書いてあるのです。どの具材にはどのトッピングを合わせるのか。飾り切りにはどんなタイプがあるか。伝統的な組み合わせで、現代的なレシピではない、けど基本がしっかりわかります。

そして、当時は自家製マヨネーズを作ることや味わいに、ちょっと腰がひけていた私。なかなかトライする気になれなかった。そうしたら、さっさとキッチンに行って、こんなに簡単に美味しくなるんだよ、とやってみせてくれました。

マヨネーズを作るBent

私が知りたいことを、いろいろな形で教えてくれました。
自家製は美味しいよ、デンマークの味は簡単にできるよ、やってみて、と。

スモーブローやデンマークの料理へのハードルが、グッと下がった時間でした。
デンマークの味への思い、応援するよ、という気持ちをたくさんもらいました。

次は、Kroで見つけたデンマークの伝統的な味をお伝えしたいと思います。