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デンマークを知る2ヶ月の冒険 その1〜伝統的なレストランへの滞在

デンマークの料理と食事にまつわる文化を体験する、という目的で始まった、2ヶ月の冒険。一番最初に旅したのは、デンマークの伝統的なホテル、Kro(クロ)です。

デンマークの友人の叔母さん、Mette(メッテ)が再婚された旦那様、Bent(ベント)と営んでいるホテルということで、紹介してもらいました。
Bentは料理人。16歳からシェフとして働いた後、こちらのホテルを買ってオーナーとして25年間経営されていました。

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Bent、Mette、私

デンマークの伝統的なホテル、Kro

Kroはヨーロッパによく見られる、ブティックホテル的な小規模ホテルです。デンマークのKroの特徴としては、料理の美味しいレストランがメインであること。各地を旅するときに便利なロケーションにあり、デンマークの伝統的で美味しい料理を売りにしています。
日本の民宿や旅館に近いですが、日本の旅館は宿泊のおもてなしが第一、デンマークのKroはレストランが第一、というところが違いかな。

昔からある旅籠のような役割として、馬や馬車で旅をする時代に、王室主導で1199年から国内を移動するためのネットワークとして、一日の移動距離ごとに置かれていました。そのため街道沿いの便利なところにあります。

現在はKroと小さいホテルのネットワークとなっていて、Small Danish Hotelsで検索できます。

滞在先:Rold Gammel Kro

私が滞在したのはRold Gammel Kro(ロルド・ガムル・クロ)、3つ星のホテルです。「ロルドの古いホテル」という意味で、Kroの中でもかなり古い方で、1747年6月にフレデリック5世の時代に王室の特権を得た、由緒あるホテルです。

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Rold Gammel Kroの外観

Rold Gammel Kroはデンマークで2番目の大きさを誇る、Rold Skov(ロルド・スコウ、ロルドの森)を抜ける街道の入り口にあります。ユトランド半島を南北に抜けている道は限られており、旅人は必ずロルドの森を抜けなければならなかったのです。
ロビンフッドの時代をイメージしてもらいたいのですが、深い森は暗くて見通しが悪く、盗賊に襲われる危険が高い。ロルドの森は数多くの盗賊が出るので有名だったそうで、盗賊の問題は300年間続いたそう。そのため、旅人はできる限り昼間のうちに森を抜けたいので、森に入る前にホテルに泊まり、朝から森へ向かったのだそう。旅人の保護のためにできたホテルです。

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ホテルの前のロータリーにある有名な盗賊たちの像(転載元:Nordjuske.dk

ロルどの森は今はもちろん安全で、自然公園になっています。森については、また別記事でご紹介したいと思います。

ヒュッゲな時間を過ごす場所、Kro

そしてデンマークのKroには、ホテルとは別の大きな役割があります。
その地方の、ヒュッゲな集まりの場所なのです。

伝統的な美味しい料理が食べられるということで、誕生日や金婚式など、家族・親戚で集まるお祝い事などによく使われるのだそう。デンマークでは誕生日パーティーは大きなイベントで、30歳とか50歳の大台のお祝いは、何十人もでパーティをするんです!みんなでパーティを開く、美味しいものをみんなで食べる、ヒュッゲな時間に大活躍するのがKro。
ヒュッゲ文化を体験するための場所として、最適だよと友人が勧めてくれました。

そこで、デンマークの伝統的な味、そしてデンマークの人たちが楽しむヒュッゲな時間を勉強させてもらうことを目指して、Rold Gammel Kroに2週間滞在することになりました。

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デンマークの友人家族と、Bent、Mette、私

どんな滞在になっていくのか、ドキドキしながら到着の夜。

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到着の日の夕焼け

美しい景色に、素晴らしい滞在になる予感!ワクワクです。


デンマークの幸せの秘訣、ヒュッゲな時間をもっと広めるためにサポートいただけたら嬉しいです! いただいたサポートはオープンサンドの試作など、デンマークの食文化研究に使わせていただきます。